ピレンゼピン塩酸塩は、胃酸分泌との関連性が強いムスカリン性M1受容体を選択的に遮断することで、胃酸分泌を抑制します。その為、胃痛・胃もたれ・胸やけといった症状への効果が期待できます。他にも胃粘膜血流改善や胃粘液産生し、防御因子も高めるとされています。その作用機序から「M1ブロッカー」とも呼ばれることもあります。

(なお、登録販売者試験では、ムスカリン性M1受容体選択性に関してまで問われません)

また、他の非選択性ムスカリン受容体抑制作用のある抗コリン薬に比べて、散瞳による目のかすみや、眩しさ、眠気、口渇、排尿障害等の副作用の発生が少ないという特徴があります。
ブチルスコポラミン等の抗コリン薬にみられる胃腸運動抑制作用もなく、胃に特異的に働きやすい性質をもちます。

医療用では、「ガストロゼピン」の名前で知られますが、胃酸抑制はH2ブロッカーや、プロトンポンプインヒビターが主流の中で、現在はそれ程多く使用されていないようです。

一般用医薬品では、「ガストール細粒」「ガストール錠」の製品名でエスエス製薬より販売されています。

第2類医薬品であり、第1類のガスターが販売できない場合は、胃酸過多の症状に対して準備しておきたい製品です。
「M1ブロッカー」という呼び名で、POPに力を入れている店舗も時に見かけることがあります。


登録販売者試験では、良く出題されています。
出題の手引きの記載内容(一部抜粋)は以下のとおり

「胃液の分泌は副交感神経系からの刺激によって亢進することから、過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるロートエキスやピレンゼピン塩酸塩が配合されている場合がある。」

「ピレンゼピン塩酸塩は、消化管の運動にはほとんど影響を与えずに胃液の分泌を抑える作用を示すとされる。しかし、消化管以外では一般的な抗コリン作用のため、排尿困難、動悸、目のかすみの副作用を生じることがある。」