問75(止瀉薬)は難問。問78(痔)、問79(駆虫薬)も広い知識が問われるが、8問以上は正答したい。


問71 ヨウ素系殺菌消毒成分に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入ります。

ヨウ素系殺菌消毒成分が口腔内に使用される場合、結果的にヨウ素の摂取につながり、 ( ア )におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性がある。( イ )や橋本病などの ( ア )疾患の診断を受けた人では、その治療に悪影響を生じるおそれがあるため、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。
妊娠中に摂取されたヨウ素の一部は( ウ )を通過して胎児に移行するため、長期間に亘って大量に使用された場合には、胎児にヨウ素の過剰摂取による( ア )機能障害を生じるおそ れがある。

        ア           イ            ウ
1 副腎皮質 バセドウ病 血液脳関門
2 副腎皮質 アジソン病 血液‐胎盤関門
3 甲状腺    バセドウ病 血液‐胎盤関門
4 甲状腺    アジソン病 血液脳関門
5 甲状腺    アジソン病 血液‐胎盤関門

甲状腺疾患に関する基礎的な知識問題

正答・・・3

問72 胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される医薬品の成分とその副作用の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

成分 副作用
ア ロートエキス - 排尿困難
イ パパベリン塩酸塩 - 白内障の悪化
ウ アミノ安息香酸エチル - メトヘモグロビン血症
エ ブチルスコポラミン臭化物 - 縮瞳

1(ア、ウ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(イ、エ)

1 正しい。ロートエキスは抗コリン成分であり、散瞳による目のかすみや異常な眩しさ、顔のほてり、頭痛、眠気、口渇、便秘、排尿困難等の副作用が現れることがある
2 誤り。パパベリン塩酸塩ー緑内障の悪化 なら正しい。
3 正しい。アミノ安息香酸エチルは局所麻酔成分として鎮痙薬に用いられる。メトヘモグロビン血症を起こす恐れから、6歳未満の小児には使用をさける。
4 誤り。ブチルスコポラミンは頻出。×縮瞳→〇散瞳

正答・・・1

問73 血中コレステロールと高コレステロール改善薬に関する以下の記述のうち、正しいものを下から一つ選びなさい。

1 低密度リポタンパク質(LDL)は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポ タンパク質である。

2 パンテチンには、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。

3 ビタミンB2は、コレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を 促進する作用があるとされる。

4 リノール酸は、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。

コレステロール改善薬に関する各ビタミンに関する知識は覚えにくい。リノール酸に関する知識は押さえておきたい。LDL,HDLの知識は必須。

1 誤り。LDLはいわゆる”悪玉コレステロール”の指標となる検査値。手引きでは「コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質」という表現になっている。決して体にとって悪いだけなものではなく、必要とされているコレステロールを体内の必要な部分に届ける役目を果たす。しかし、必要量は限られているため、食生活等で、LDLが血液中に増えすぎると血管壁に沈着して動脈硬化をおこす原因になる。

2 誤り。パンテチンはビタミン剤の1種(ビタミンB5)。手引きによると、LDL等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、HDL産生を高める作用があるとされる。医療用では「パントシン散」で知られる。かつてはコレステロール改善で使用されていたたが、現在では、まず使用されることはない。

3 誤り。これはビタミンEに関する記述。ビタミンB2はコレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用を有すると言われている。

4 正しい。

正答・・・4

問74 胃腸に作用する薬に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 健胃薬、消化薬、整腸薬又はそれらの目的を併せ持つものには、医薬部外品として製造販売されている製品はない。

イ センブリが配合された健胃薬は苦味があるため、オブラートで包んで服用するのが適当である。

ウ 制酸成分を主体とする胃腸薬については、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が低下することが考えられるため、炭酸飲料等での服用は適当でない。

エ セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、血栓のある人や血栓を起こすおそれのある人では、生じた血栓が分解されにくくなることが考えられる。

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

知らないと難しく感じる知識だが、それぞれ良く出題される内容である。

1 誤り。代表的なものにアルジオキサ等があり、コンビニで販売される「二日酔い用商品」に規定範囲で配合されている。
2 誤り。センブリ×オブラートに関する問題も頻出。生薬の香りも治療効果の一つとして重要である。オウバク、オウレン、センブリ、ゲンチアナ、リュウタン、ケイヒ、ユウタン等の生薬成分が配合された健胃薬は、散剤をオブラートで包む等、味や香りを遮蔽する方法で服用されると効果が低下する。
3 正しい。
4 正しい。セトラキサートが吸収後、代謝されてトラネキサム酸となる知識については、なぜか良く出題される。しかし、この成分を配合している製品は少なく、「第一三共胃腸薬コアブロック」ぐらい?。医療用では「ノイエル」として知られる。

 問75 以下の止瀉薬に含まれる成分のうち、細菌感染による下痢の症状を鎮めることを目的として配合されるものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア ロペラミド塩酸塩
イ ベルベリン塩化物
ウ 次硝酸ビスマス
エ 木クレオソート

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)

止瀉薬に関する問題で、かなり広い知識が問われている難問。

ア とりあえず頻出のロペラミド塩酸塩は、細菌感染による下痢には使用しないことには直ぐに気付きたい。これで選択肢を絞る。
イ 腸内殺菌成分に関して、手引きではベルベリン塩化物、タンニン酸ベルベリンアクリノール木(もく)クレオソートが登場する。
ウ 次硝酸ビスマスは、収斂成分に分類され、腸粘膜のタンパク質と結合して不溶性の膜を形成し、腸粘膜をひきしめる(収斂)ことにより、腸粘膜を保護するとされる。このタイプは腸の動きを鎮める為、細菌性の場合は症状を悪化させる恐れがあるので使用を控える。
木クレオソートと言われてもピンとこないが、「正露丸」の主成分である。

正答・・・3

 問76 瀉下成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア ヒマシ油は、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。

イ ビサコジルは、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用 をもたらすと考えられている。

ウ 酸化マグネシウムは、腸内容物の浸透圧を高めることにより、糞便中の水分量を減らす作用があ る。

エ マルツエキスは、瀉下薬としては比較的作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

すべて頻出の便秘薬成分のため、しっかり押さえておきたい問題

ア 誤り。ヒマシ油は、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。
イ 誤り。ビサコジルは、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。
ウ 誤り。酸化マグネシウムは糞便中の水分量を増やす。
エ 正しい。マルツエキスは主に乳幼児の便秘に用いる。

正答・・・5

問77 漢方処方製剤に関する以下の記述について、正しいものを下から一つ選びなさい。

体力中等度以上で大便が硬く、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔 )、切れ痔 、便秘、軽度の脱肛に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。 まれに重篤な副作用として、肝機能障害、間質性肺炎を生じることが知られている。

1 竜胆瀉肝湯
2 猪苓湯 
3 乙字湯 
4 八味地黄丸
5 牛車腎気丸

 漢方薬の問題については、医薬品名と、その代表的な薬効、キーワードを覚えておけば合格点は確保できる。

この場合のキーワードは、「便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔 )、切れ痔・・・」とあるので、便秘に使われる漢方薬とわかる。選択肢の中で、便秘薬として使用されるのは「乙字湯(おつうじとう)」のみ。
もし、大黄甘草湯麻子仁丸等が選択肢に加わると難易度が上がるが、「いぼ痔、切れ痔」が選択のヒントになる。

正答・・・3

問78 外用痔疾用薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 血管収縮作用による止血効果を期待して、アドレナリン作動成分であるテトラヒドロゾリン塩酸塩が配合されていることがある。

イ 粘膜表面に不溶性の膜を形成することによる、粘膜の保護・止血を目的として、タンニン酸が配合されていることがある。

ウ 肛門周囲の末梢血管の血行を改善する作用を期待して、ビタミンE(トコフェロール酢酸エステ ル)が配合されていることがある。

エ 局所への穏やかな刺激によって痒みを抑える効果を期待して、冷感刺激を生じさせるカンフルが 配合されていることがある。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正

痔の薬は出題される成分が多く、簡単な問題になりにくい。

ア 正しい。血管収縮作用による止血効果を期待して、テトラヒドロゾリン塩酸塩メチルエフェドリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が配合されていることがある。
イ 正しい。
ウ 正しい。
エ 正しい。カンフルの他に、メントール、ハッカ油も冷感刺激を生じる目的に使用される。

正答・・・1

 問79 駆虫薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを下から一つ選びなさい。

1 食事を摂って消化管内に内容物があるときに使用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、空腹時に使用することとされているものが多い。

2 瀉下薬が併用されることがあるが、ヒマシ油を使用すると腸管内で駆虫成分が吸収されやすくなり、副作用を生じる危険性が高まるため、ヒマシ油との併用は避ける必要がある。

3 サントニンは、条虫(いわゆるサナダ虫など)の駆除に用いられる。

4 リン酸ピペラジンは、副作用として痙攣 、倦怠感、眠気、食欲不振、下痢、便秘等が現れることがある。

駆虫薬に関する問題はほぼ必ず出題されるが、現代では馴染みのない分野のため、どうしても難問になる。
この問題では、一般用医薬品で対応できる寄生虫の知識があれば対応できる。

1正しい。パモ酸ピルビニウム等、駆虫薬は消化器からの吸収は少なく、人体への影響は少ないとされる。しかし、食事で消化管内に内容物があるときに使用すると、消化管内容物の消化・吸収に伴って駆虫成分の吸収が高まることから、空腹時に使用することとされているものが多い
2 正しい。駆虫薬とヒマシ油に関する知識も良く出題されるが、ヒマシ油は今では殆ど使われていない。
3 誤り。サナダ虫を対象とした一般用医薬品は存在しない。一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫(ぎょうちゅう)のみ。
4 正しい。

正答・・・3

問80 以下の強心薬に配合される生薬成分に関する記述について、正しい組み合わせを下から一つ選びな さい。

ア ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮をしずめる等の作用があるとされる。

イ シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、もしくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用の他、強壮、血行促進等の作用があるとされる。

ウ ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示す。

   ア      イ      ウ
1 センソ    ゴオウ    ロクジョウ
2 ロクジョウ  センソ    ゴオウ
3 ロクジョウ  ゴオウ    センソ
4 ゴオウ    ロクジョウ  センソ
5 センソ    ロクジョウ  ゴオウ

強心薬に配合される生薬。この生薬なら簡単に判断できるように。漢字名を知っていれば記憶も定着しやすい。
ゴオウ(牛黄)
ロクジョウ(鹿茸)
センソ(蟾酥)
なお、市販の強心薬として有名な「救心」や「六神丸」にはゴオウ(牛黄)、センソ(蟾酥)が含まれています。

正答・・・4