H26 山形県(北海道・東北共通) 第3章 主な医薬品とその作用(問21-30)

問23のプログラスタンジン、問28(乗り物酔い防止薬)のプロメタジンの知識以外は、頻出の内容や、サービス問題ばかり


問 21 次の表は、一般用医薬品のかぜ薬に含まれている成分の一覧である。このかぜ薬に含まれている成分に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

6錠中
クレマスチンフマル酸塩 1.34mg
リゾチーム塩酸塩(リゾチームとして) 90mg(力価)
ベラドンナ総アルカロイド 0.3mg
アセトアミノフェン 900mg
ジヒドロコデインリン酸塩 24mg
ノスカピン 48mg
dl-メチルエフェドリン塩酸塩 60mg
無水カフェイン 75mg
ベンフォチアミン 24mg

a くしゃみや鼻水を抑えることを目的として、ノスカピンが配合されている。
b クレマスチンフマル酸塩は、鼻粘膜の充血を和らげ、気管・気管支を拡げる作用を示す。
c ベラドンナ総アルカロイドの副作用として、排尿困難が現れることがある。
d リゾチーム塩酸塩は、炎症を生じた鼻粘膜や喉の組織の修復に寄与するほか、痰の排出を容易にする作用を示す。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

想定されている製品は「新ルルAゴールド」と思われる。すべて頻出医薬品であり確実に正答したい。
CIMG3454
a 誤り。ノスカピンは頻出医薬品であり、非麻薬性の鎮咳成分である。説明は抗ヒスタミンに関する内容。
b 誤り。クレマスチンフマル酸塩は抗ヒスタミン成分であり、主に鼻水やくしゃみを抑える。
c 正しい。ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン作用をもち、鼻汁の分泌を抑えるが、排尿困難や緑内障への注意がある。
d 正しい。リゾチームはOTCでは代表的な抗炎症成分であり、痰の排出も楽にする。

正答・・・4

問 22 解熱鎮痛成分に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。

1 アセトアミノフェンは、中枢作用による解熱、鎮痛作用のほか、末梢における抗炎症作用が期待できる。

2 ピリン系の解熱鎮痛成分として、アスピリンやサザピリンがある。

3 一般用医薬品では、解熱鎮痛成分としてイブプロフェンを含有する小児向けの内服薬はない。

4 アスピリンにのみ発現する副作用として、「アスピリン喘息」がある。

解熱鎮痛薬に関する問題。頻出知識・医薬品からの出題である。

1 誤り。手引きには「主として中枢作用によって解熱・鎮痛をもたらすため、末梢における抗炎症作用は期待できない。」と記載がある。
2 誤り。OTCでの唯一のピリン系、イソプロピルアンチピリンを覚えていれば、容易に間違いと気付く。
3 正しい。イブプロフェンは、一般用医薬品には、小児向けの製品はない。
4 誤り。アスピリン特有の副作用ではなく、他の解熱鎮痛成分でも生じる可能性がある。

正答・・・3

問 23 プロスタグランジンと解熱鎮痛薬に関する以下の記述の正誤について、正しい 組み合わせはどれか。

a プロスタグランジンはホルモンに似た働きをする物質で、病気や外傷があるときに活発に産生される。

b 解熱鎮痛薬による末梢でのプロスタグランジンの産生抑制は、循環血流量を増加させ、心臓に障害のある患者にとって症状の改善に役立つ。

c 解熱鎮痛薬による末梢でのプロスタグランジンの産生抑制は、腎臓での血流量の増加につながるため、腎機能の改善に役立つ。

d 解熱鎮痛薬は、発熱や痛みの原因となっている病気や外傷自体を治すものでなく、発熱や痛みを緩和するために使用される。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

プロスタグランジンに関する内容は、頻度は高くないが、解熱鎮痛薬に関連させてしっかり覚えておく。

a 正しい。プロスタグランジンはホルモンに似た働きをする物質で、病気や外傷があるときに活発に産生されるようになり、体の各部位で発生した痛みが脳へ伝わる際に、そのシグナルを増幅することで痛みの感覚を強めている。
b 誤り。循環血流量の増加は心臓の負担を増大させるため、心臓に障害がある場合は、その症状を悪化させるおそれがある。
c 誤り。腎血流量を減少させるため、腎機能に障害があると、その症状を悪化させる可能性がある。
d 正しい。これはすぐに気付きたい。

正答・・・5

問 24 解熱鎮痛薬の購入者に対する情報提供に関する以下の記述について、最も適切なものはどれか。

1 高熱時の体力消耗を抑えるため、必ず平熱になるまで解熱鎮痛薬の服用を続けるよう伝えた。

2 腹痛を含む痙攣性の内臓痛については、一部の漢方処方製剤を除き、解熱鎮痛薬の効果が期待できないことを説明した。

3 頭痛の発症には、頭痛が起こるのではないかという不安感も含め、心理的影響が大きいことから、症状が現れないうちに服用すると効果的であると伝えた。

4 15歳未満の小児に対し、インフルエンザ流行期に、解熱鎮痛成分としてエテンザミドを含む製品の選択を提案した。

解熱鎮痛薬の使用場面に関する基礎知識が問われている。

1 誤り。
2 正しい。
3 誤り。
4 誤り。エテンザミドは、小児にも適応のある製品にも含まれるが、水痘(水疱瘡)・インフルエンザに罹っている小児には使用を控える。

正答・・・2

問 25 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬に関する以下の記述の正誤について、 正しい組み合わせはどれか。

a 15歳未満の者には使用を避ける必要がある。
b 慢性的に不眠症状のある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人を対象とするものではない。
c 妊娠中にしばしば生じる睡眠障害も適用対象である。
d ジフェンヒドラミン塩酸塩は、催眠鎮静薬以外の一般用医薬品や医療用医薬品にも配合されていることがあるので、併用に注意が必要である。

    a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 正 正

抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬→「ドリエル」に代表されるジフェンヒドラミン塩酸塩を主成分とした製品がすぐに思い浮かべるように。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。妊娠中にしばしば生じる睡眠障害は、ホルモンのバランスや体型の変化等が原因であり、睡眠改善薬の適用対象ではない。
d 正しい。例えば蕁麻疹・湿疹に用いられるOTC薬「レスタミンコーワ糖衣錠」や乗り物酔いの薬にも、ジフェンヒドラミンが使用されている。

正答・・・1

問 26 主たる有効成分としてカフェインが配合されている眠気防止薬の購入者への情報提供に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a カフェインには、反復摂取により依存を形成するという性質があるため、服用は短期間にとどめ、連用してはならないと伝えた。

b かぜ薬やアレルギー用薬などを使用したことによる眠気を抑えるために、眠気防止薬を勧めた。

c 小学生の勉強時の眠気防止のため、眠気防止薬を勧めた。

d 眠気防止の効果をより高めるため、お茶やコーヒーで服用するよう説明した。

    a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 正 正 誤

カフェインに関する問題は毎年必ず出題されると思ってよい。
はっきり言ってサービス問題。常識で考えただけで正答できる。

正答・・・2

問 27 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 乗物の運転操作をするときは、乗物酔い防止薬の使用は控える必要がある。

b 乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されているため、つわりに伴う吐きけへの使用も適当である。

c 乗物酔い防止薬に3歳未満の乳幼児向けの製品はない。

d ジフェニドール塩酸塩は、排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人が服用すると、その症状を悪化させるおそれがある。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 正 正 正

鎮暈薬(乗物酔い防止薬に関する問題。

a 正しい。乗物酔い防止薬には、抗めまい成分、抗ヒスタミン成分、抗コリン成分及び鎮静成分等が使われ、眠気を促す作用がある。また、抗コリン成分では、散瞳による目のかすみや異常なまぶしさを引き起こすリスクもある。
b 誤り。常識的に考えれば良いが、乗物酔い防止薬を妊婦のつわりには使用しない。
c 正しい。乗物酔い防止薬に3歳未満の乳幼児向けの製品はない。
d 正しい。ジフェニドールは頻出医薬品。抗ヒスタミン成分と共通する類似の薬理作用を示し、頭痛、排尿困難、眠気、散瞳等に注意する。

正答・・・1

問 28 鎮暈薬(乗物酔い防止薬)の代表的な配合成分に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。

1 スコポラミン臭化水素酸塩は、内耳にある前庭と脳を結ぶ神経(前庭神経)の 調節作用のほか、内耳への血流を改善する作用を示す。

2 メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが速く持続時間が長い。

3 プロメタジンテオクル酸塩等のプロメタジンを含む成分は、外国において乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要がある。

4 ジフェニドール塩酸塩は、脳に軽い興奮を起こさせて平衡感覚の混乱によるめまいを軽減させるほか、乗物酔いに伴う頭痛を和らげる作用も期待される。

これも鎮暈薬(乗物酔い防止薬)に関する問題。

1 誤り。これはジフェニドールに関する説明。スコポラミン臭化水素酸塩は、古くから使用されている抗コリン成分。市販の乗り物酔い防止薬には、今でも良く用いられている。
2 誤り。メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分に比べ作用が現れるのが遅く持続時間が長い。
3 正しい。プロメタジンに関する正しい記述。しかし、現在プロメタジンを含有するOTC乗り物酔い防止薬があるかは不明。
4 誤り。これは、中枢神経系を興奮させる成分(キサンチン系成分)のカフェインに関する内容。

正答・・・3

問 29 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)に関する以下 の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 配合される生薬成分は、いずれも古くから伝統的に用いられているため、作用が穏やかで小さな子供に使っても副作用は起こらない。

b 用法用量において適用年齢の下限が設けられていない場合にあっても、生後3ヶ月未満の乳児には使用しないこととなっている。

c 小建中湯を乳幼児に使用する場合は、用法用量どおりに服用すれば、特に体格の個人差に留意する必要はない。

d 小児鎮静薬を保護者側の安眠等を図ることを優先して使用することは適当でない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

小児疳の問題はとっつきにくいが、ほぼ毎年のように出題される。
これは常識に考えれば正答できるサービス問題

a 明らかに誤り。
b 正しい。頻出知識である。
c 誤り。常識的にわかるでしょう。小建中湯は小児向けの漢方薬として良く知られている。
d 正しい。常識に考えればわかるはず。


正答・・・3 

問 30 口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 口腔咽喉薬の中には、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分を配合しているものがある。

b 口内炎などにより口腔内にひどいただれがある人では、刺激感等が現れやすいほか、循環血流中への移行による全身的な影響も生じやすくなる。

c トローチ剤やドロップ剤は、噛み砕いて飲み込むことにより、即効性の効果を示す。

d 噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

うがい薬に関する問題。

a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。頻出知識で、トローチ・ドロップは有効成分が口腔内・咽頭部に行き渡るように、ゆっくり口の中で溶かしながら使用する
d 知らないと戸惑う知識だが正しい。

正答・・・3

 

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