H27 山形県(北海道・東北)第3章 主な医薬品とその作用(問21-30)

問24(小児鎮静薬)は広い知識が必要。問25(カンゾウを含まない漢方)は知らないと難しい。他はサービスor頻出で十分正答できる。

問 21 かぜ(感冒)の発症や症状に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a かぜの症状は、通常、数日~1週間程度で自然寛解する。

b かぜの約8割は細菌の感染が原因であり、その種類は200種類を超えるといわれている。

c インフルエンザ(流行性感冒)は、かぜの別称で、インフルエンザとかぜの症状は同じである。

d 急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、 かぜではない可能性が高い。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)


これはサービス問題

a 正しい。
b 誤り。かぜの約8割はウイルスの感染が原因。後半の200種類は正しい。
c 誤り。インフルエンザ(流行性感冒)は、感染力が強く、また、重症化しやすいため、かぜとは区別して扱われる。
d 正しい。

正答・・・2


問 22 かぜ薬に配合される医薬品の成分とその主な作用の関係について、正しいもの の組み合わせはどれか。

医薬品の成分         主な作用
a ブロムヘキシン塩酸塩   解熱鎮痛
b コデインリン酸塩     去痰 
c クレマスチンフマル酸塩  抗ヒスタミン
d トラネキサム酸      抗炎症

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)


どれも超頻出成分で、落とせない問題

a 誤り。ブロムヘキシン塩酸塩は去痰薬
b 誤り。コデインリン酸塩は代表的鎮咳薬
c 正しい。クレマスチンフマル酸塩は第一世代抗ヒスタミン薬
d 正しい。トラネキサム酸は抗炎症成分。特に喉の痛みの緩和に使われる。

正答・・・4


問23 カフェインに関する以下の記述について、( )の中に入れるべき数字の正 しい組み合わせはどれか。

カフェインは、脳に軽い興奮状態を引き起こし、一時的に眠気や倦怠感を抑える効果があり、眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量は、カフェインとして( a ) mg、1日摂取量は、( b )mgが上限とされている。

  a    b
1 0.2  0.5
2 2    5
3 20   50
4 200  500
5 2000 5000


頻出のカフェインに関する問題。

眠気防止薬におけるカフェインの1回摂取量200mg1日摂取量は500mg が上限とされている。(カフェインとして)

正答・・・4


問 24 小児の疳を適応症とする生薬製剤・漢方処方製剤(小児鎮静薬)等に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 古くから伝統的に用いられているものは、作用が穏やかで小児に使っても副作用の心配はない。

b 小児の疳を適応症とする主な漢方処方製剤としては、柴胡加竜骨牡蛎湯がある。

c ゴオウ、ジャコウは、緊張や興奮を鎮め、また、血液の循環を促す作用等を期待して用いられる。

d レイヨウカクは、ウシ科のサイカレイヨウ(高鼻レイヨウ)等の角を基原とする生薬で、緊張や興奮を鎮める作用等を期待して用いられる。

 a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 正 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 誤 誤
5 正 正 誤 正


毎年のように出題される、小児の疳への漢方薬(小児鎮静薬)に関する問題。選択枝も甘くないので、知識不足だと難しい。

a 誤り。
b 正しい。柴胡加竜骨牡蛎湯の他、桂枝加竜骨牡蛎湯、抑肝散抑肝散加陳皮半夏小建中湯がある。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3


問25 次の鎮咳去痰薬で用いられる漢方処方製剤のうち、構成生薬としてカンゾウを含んでいないものはどれか。

1 柴朴湯  2 神秘湯  3 五虎湯  4 半夏厚朴湯  5 麻杏甘石湯


手引に記載がある鎮咳去痰の漢方薬は、柴朴湯 、神秘湯五虎湯半夏厚朴湯麻杏甘石湯の他、麦門冬湯がある。
これらすべての構成生薬は憶える必要はなく、実は手引に「これらのうち半夏厚朴湯を除くいずれも、構成生薬としてカンゾウを含む」という記載があり、これを知っていればすぐにわかる。

他に同様な記述で、鎮痛目的の漢方処方について「呉茱萸湯以外はいずれも構成生薬としてカンゾウを含んでいる。」がある。

とにかく、闇雲に漢方薬の構成成分の暗記するのは、効率が悪いので注意を。

正答・・・4


問 26 口腔咽喉薬やうがい薬(含嗽薬)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 噴射式の液剤では、息を吸いながら噴射すると気管支や肺に入ってしまうおそれがあるため、軽く息を吐いたり、声を出しながら噴射することが望ましい。

b 含嗽薬は、濃度が濃いほど効果が得られやすい。

c 口腔咽喉薬には、鎮咳成分や気管支拡張成分、去痰成分は配合されていない。

d 含嗽薬の使用後、すぐに食事を摂ると、殺菌消毒効果が増強される。

 a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 誤 正 正


正答・・・1


問 27 口腔咽喉薬やうがい薬(含嗽薬)に用いられるヨウ素系殺菌消毒成分に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 口腔粘膜の荒れ、しみる、 灼熱感、悪心(吐きけ)、不快感の副作用が現れることがある。

b レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると殺菌作用が増強される。

c 口腔内に使用されても甲状腺におけるホルモン産生に影響を及ぼす可能性はない。

ポピドンヨードが配合された含嗽薬では、その使用によって銀を含有する歯科材料(義歯等)が変色することがある。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)


サービス問題

正答・・・2


問 28 胃の薬の配合成分等に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 過剰な胃液の分泌を抑える作用を期待して、副交感神経の伝達物質であるアセチルコリンの働きを抑えるロートエキスやピレンゼピン塩酸塩が配合されている場合がある。

b スクラルファートなどのアルミニウムを含む成分については、透析療法を受けている人では使用を避ける必要がある。

c セトラキサート塩酸塩は、体内で代謝されてトラネキサム酸を生じることから、 血栓のある人では、生じた血栓が分解されにくくなることが考えられる。

d 制酸成分を主体とする胃腸薬については、酸度の高い食品と一緒に使用すると胃酸に対する中和作用が高まることが考えられるため、炭酸飲料等での服用が適当である。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 誤 誤
5 正 誤 正 正


a 正しい。ロートエキスピレンゼピン塩酸塩は、抗コリン薬
b 正しい。スクラルファートのアルミニウム・透析に関する問題は頻出
c 正しい。セトラキサート塩酸塩の記事を参照してください。代謝されてトラネキサム酸を生じる内容は頻出です。
d 誤り。いくらなんでも受験生に失礼なレベル。

正答・・・3


問 29 胃に作用する成分とその主な作用との関係について、正しいものの組み合わせ はどれか。

   成分            主な作用
a センブリ          苦味による健胃作用
b 炭酸水素ナトリウム(重曹) 中和反応により胃酸の働きを弱める
c リパーゼ          胃粘液の分泌や荒れた胃粘膜の修復を促す作用
d スクラルファート      胆汁の分泌を促す作用

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


サービス問題。

a 正しい。センブリの記事を参照してください。健胃成分として百草丸にも含まれている。
b 正しい。
c 誤り。
d 誤り。スクラルファートは胃薬として使用されています。

正答・・・1


問30 止瀉成分に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a ロペラミド塩酸塩が配合された止瀉薬は、食あたりや水あたりによる下痢の症状 に用いられる。

b ビスマスを含む成分は、収斂作用のほか、腸内で発生した有毒物質を分解する作 用もあるとされる。

c タンニン酸アルブミンに含まれるアルブミンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。

d 木クレオソートは、腸管内の異常発酵等によって生じた有害な物質を吸着させることを目的として用いられる。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)


a 誤り。ロペラミド塩酸塩は食あたりや水あたりによる下痢については適用対象でない。食べすぎ・飲みすぎによる下痢、寝冷えによる下痢に用いる。
b 正しい。
c 正しい。タンニン酸アルブミンの牛乳アレルギーに関する内容は頻出
d 誤り。記載のような働きはない。木クレオソートは正露丸の成分で、殺菌作用のほか、局所麻酔作用もあるとされる。また、過剰な腸管の(蠕動)運動を正常化し、あわせて水分や電解質の分泌も抑える止瀉作用もある。

正答・・・3

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