問38(循環器用薬)問39(鎮痛目的の漢方)は広い知識が求められる。


問31 ヒマシ油に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 小腸でリパーゼの働きによって生じるヒマシ油の分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。

b 激しい腹痛又は悪心・嘔吐の症状がある人への使用は避ける。

c 主に誤食・誤飲等による中毒の場合など、腸管内の物質をすみやかに体外に排除させなければならない場合に用いられる。

d 防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒にも用いられる。

    a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 正 正 誤 誤
5 正 正 正 誤

なぜか頻出のヒマシ油に関する問題。問われている内容も良く出題されている点である。

a 正しい。
b 正しい。知らなくても、これは判断できるでしょう。
c 正しい。
d 誤り。一般用医薬品販売の場で、現在このような場面はまずないが、試験では頻出内容である。
「ヒマシ油は、誤食・誤飲等による中毒の場合にも用いられるが、防虫剤や殺鼠剤を誤って飲み込んだ場合のような脂溶性の物質による中毒には使用を避ける必要があるナフタレンやリン等がヒマシ油に溶け出して、中毒症状を増悪させるおそれがある)」

正答・・・5

問32 駆虫薬に関する以下の記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫である。

b 複数の駆虫薬を併用することにより駆虫効果が高まる。

c カイニン酸は、回虫に痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

d サントニンは、 蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

駆虫薬に関する問題。現在、販売機会はほぼ無い分野で学習し甲斐のない分野だが、この問題は選択肢も甘く内容的には易しめ。

a 正しい。この知識は必ず押さえておきたい。
b 誤り。
c 正しい。
d 誤り。サントニンは回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すのはパモ酸ピルビニウム

正答・・・2

問33 強心薬に配合される生薬とその由来との関係について、正しいものの組み合わせはどれか。

 生薬成分 由来
a ゴオウ    シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの胆嚢中に 生じた結石を基原とする生薬
b ロクジョウ  ウシ科のウシの雄のまだ角化していない、若しくは、わずか に角化した幼角を基原とする生薬
c ジャコウ   シカ科のジャコウジカの雄の麝香腺分泌物を基原とする生薬
d センソ    ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

救心や六神丸といった強心薬に配合される生薬に関する問題。内容的には易しい。各生薬の漢字名も理解しておきたい。
 
a 誤り。ゴオウ(牛黄)は、ウシ科のウシの胆嚢中に生じた結石を基原とする生薬。救心・六神丸にも使用されている。
b 誤り。ロクジョウ(鹿茸)は、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、もしくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬。
c 正しい。ジャコウ(麝香)も救心・六神丸に使用されている。
d 正しい。センソ(蟾酥)も救心・六神丸に使用されている。
 
正答・・・4

問34 苓桂朮甘湯に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

体力中等度以下で、めまい、ふらつきがあり、ときにのぼせや動悸があるものの立ちくらみ、めまい、頭痛、耳鳴り、動悸、息切れ等に適すとされている。
( a )作用が期待される生薬は含まれず、主に( b )作用により、水毒(漢方の考え方で、体の水分が停滞したり偏在して、その循環が悪いことを意味する。) の排出を促すことを主眼とする。
構成生薬は( c )を含む。

  a  b  c
1 鎮静 利尿 センナ
2 強心 利尿 ダイオウ
3 強心 利尿 カンゾウ
4 利尿 強心 ダイオウ
5 利尿 強心 カンゾウ

手引きでは強心薬の分野で登場するが、苓桂朮甘湯は、主にめまいや耳鳴りの症状に用いられることで知られている。

正答・・・3
(アマゾンサイト↓)


問35 コレステロールに関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質である。

b 水に溶けやすい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。

c 血液中のリポタンパク質のうち、低密度リポタンパク質(LDL)が少なく、高密度リポタンパク質(HDL)が多くなると、心臓病や肥満、動脈硬化症等の生活習慣病につながる危険性が高くなる。

d 高密度リポタンパク質(HDL)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へ運ぶリポタンパク質である。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 誤 誤

コレステロールに関する問題。

a 正しい。
b 誤り。コレステロールは水に溶けにくい!
c 誤り。低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質で、いわゆる「悪玉」。一方、高密度リポタンパク質(HDL)は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポタンパク質で、いわゆる「善玉」。
d 誤り。LDLに関する説明である。
 
正答・・・5

問 36 高コレステロール改善薬の配合成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a リノール酸は、コレステロールと結合して、代謝されやすいコレステロールエステルを形成するとされ、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。

b パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を低下させる作用があるとされる。

c ビタミンEは、コレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として用いられる。

d リボフラビンの摂取によって尿が黄色になることがあるが、これは副作用による異常であることから、直ちに使用を中止する。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 誤 誤
5 誤 正 正 正

高コレステロール改善薬に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。パンテチンに関する出題。前半部分は正しい。HDLの産生を高める。
c 正しい。
d 誤り。リボフラビン(ビタミンB2)の摂取によって尿が黄色くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。
CIMG0430

正答・・・2

問 37 貧血用薬(鉄製剤)に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせは どれか。

a 服用すると便が黒くなることがあるが、これは使用の中止を要する副作用等の異常ではない。

b 鉄分の吸収は、満腹時より空腹時のほうが高いとされている。

c 服用の前後30分に緑茶やコーヒー等の飲食物を摂取すると、飲食物に含まれているタンニン酸によって、鉄の吸収が良くなる。

d 特段の基礎疾患等がなく鉄分の欠乏を生じる主な要因としては、食事の偏り(鉄 分の摂取不足)が考えられ、貧血用薬(鉄製剤)の使用による対処と併せて、食生活の改善が図られることが重要である。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 誤 誤 誤
5 正 正 誤 正

貧血用薬に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。鉄分の吸収は空腹時のほうが高いとされている。但し、消化器系への副作用を軽減するには食後に服用することが望ましい。
c 誤り。服用の前後30分にタンニン酸を含む飲食物(緑茶、紅茶、コーヒー、ワイン、柿等)を摂取すると、タンニン酸と反応して鉄の吸収が悪くなることがあるので、服用前後はそれらの摂取を控えることとされている。
d 正しい。

なお、一般用医薬品の鉄製剤としては、小林製薬のファイチや、日本臓器製薬のマスチゲンS錠がある。


 
正答・・・5

問 38 循環器用薬及び循環器用薬に配合される成分に関する以下の記述のうち、誤っているものはどれか。

1 ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。

2 七物降下湯は、胃腸が弱く下痢しやすい人では、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

3 ヘプロニカートは、ニコチン酸が遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の 血液循環を改善する作用がある。

4 コウカは、心筋の酸素利用効率を高めて収縮力を高めることによって血液循環の改善効果を示すとされる。

イマイチ一般薬としては馴染みのない循環器用薬に関する問題。
これはちょっと難しい。

1 正しい。ルチンは毛細血管の強化を期待して用いられる。目に良いと言われているルテインとは異なるものなので混同しないように。
2 正しい。
3 正しい。
4 誤り。コウカ(紅花)は末梢の血行を促して鬱血を除く作用があるとされる。
 
正答・・・4

問 39 鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する以下の記述のうち、正しいもの の組み合わせはどれか。

a 桂枝加朮附湯は、体力中等度で、慢性に経過する頭痛、めまい、肩こりなどが あるものの慢性頭痛、神経症、高血圧の傾向のあるものに適すとされる。

b 芍薬甘草湯は、体力中等度以下で、手足の冷えを感じ、下肢の冷えが強く、下肢又は下腹部が痛くなりやすいものの冷え症、腰痛、下腹部痛、頭痛、しもやけ、 下痢、月経痛に適すとされる。

c 薏苡仁湯(よくいにんとう)は、体力中等度なものの関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛、 筋肉痛、神経痛に適すとされる。

d 疎経活血湯は、体力中等度で痛みがあり、ときにしびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛、筋肉痛に適すとされる。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

鎮痛の目的で用いられる漢方薬に関する問題。

bの芍薬甘草湯は頻出であり、「こむらがえり」「筋肉の急激な痙攣」がキーワードであることは、必ず憶えておく。
他の漢方薬は、普段実務で扱ったことがないと、なかなかピンとこないが、最低限のキーワードは憶えておきたい。

a 誤り。これは「釣藤散」に関する記述であり、「慢性頭痛」「高血圧」がキーワードになる。
b 誤り。これは、当帰四逆加呉茱萸生姜湯に関する記述であり、「冷え症」がキーワード。
c 正しい。
d 正しい。疎経活血湯に関する内容。
 
正答・・・4

問 40 眠気を促す薬に関する以下の記述のうち、正しい組み合わせはどれか。

a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害(寝つきが悪い、眠りが浅い)の緩和に用いられる。

b 小児及び若年者では、抗ヒスタミン成分により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。

c ブロムワレリル尿素は、脳の興奮を抑え、痛覚を鈍くする作用がある。

d 酸棗仁湯は、体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの 不眠症、神経症に適すとされる。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 誤
3 正 正 誤 正
4 誤 誤 誤 誤
5 正 正 正 正

眠気を促す薬に関する問題。

a 正しい。ここでの出題はないが、抗ヒスタミン薬を用いた睡眠改善薬としては頻出のジフェンヒドラミンを押さえておく。
b 正しい。
c 正しい。ブロムワレリル尿素の他、アリルイソプロピルアセチル尿素も同様な効果が期待され、鎮痛薬に補助的に配合される場合がある。
d 正しい。

正答・・・5