H27 山形県(北海道・東北)第4章 薬事に関する法規と制度(問91-100)

問99(広告)、問100(緊急命令)は、やや難しい。
特定販売(ネット通販)から2問出題されている。

問 91 配置販売業に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。

b 配置販売業の許可は、申請者が居住する都道府県から許可を受ければ、全国で配置販売を行うことができる。

c 配置販売業者又はその配置員は、配置販売業者の氏名及び住所、配置販売に従事する者の氏名及び住所並びに区域及びその期間を、配置販売に従事している区域の都道府県知事に対し、配置販売を始めた日から30日以内に届け出なければならな い。

d 配置販売業者は、一般用医薬品のうち経年変化が起こりにくいこと等の基準(配置販売品目基準(平成21年厚生労働省告示第26号))に適合するもの以外の医薬品を販売等してはならない。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(c、d)

配置販売業(置き薬)に関する問題。特に都心部の若い受験生には馴染みがない分野だが、問われる内容は限られている。この問題でも頻出ポイントが問われている。

a 正しい。「住所地の都道府県知事が発行する身分証明書」は頻出。
b 誤り。「配置販売業の許可は、一般用医薬品を、配置により販売又は授与する業務について、配置しようとする区域をその区域に含む都道府県ごとに、その都道府県知事が与えることとされている」
c 誤り。×配置販売を始めた日から30日以内に届け出→〇あらかじめ届け出
d 正しい。

正答・・・2

問 92 薬局開設者又は店舗販売業者が、その薬局又は店舗において医薬品の販売に従事する薬剤師に要指導医薬品を販売させる方法として、誤っているものはどれか。

1 適正な使用のために必要と認められる数量に限り、販売させること。

2 要指導医薬品を購入し、又は譲り受けようとする者が、当該要指導医薬品を使用しようとする者であることを確認させること。

3 要指導医薬品を販売した薬剤師の氏名、当該薬局又は店舗の名称及び当該薬局又は店舗の電話番号その他連絡先を、当該要指導医薬品を購入しようとする者のうち、 当該情報の提供を希望する者のみに対して伝えさせること。

4 要指導医薬品を購入しようとする者から相談があった場合には、情報の提供又は指導を行った後に、当該要指導医薬品を販売させること。


要指導医薬品に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。希望者のみではない。全員に伝える。
4 正しい。

正答・・・3

問 93 次の表は、薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者が、一般用医薬品を販売又は授与する場合に行う、リスク区分に応じた情報提供について、簡略的に記載したものである。( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはど れか。なお、設問中「規定なし」とは「医薬品医療機器等法上の規定は特になし」 を指すこととする。
H27山形 問93
   a   b    c
1 努力義務 義務   努力義務
2 努力義務 義務   義務
3 努力義務 努力義務 努力義務
4 規定なし 努力義務 義務
5 規定なし 義務   規定なし


医薬品のリスク区分に関する問題。
これはサービス問題と考えて良いでしょう。
必ず解けるように。

正答・・・2

問94 医薬品の陳列に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 店舗販売業者は、要指導医薬品及び一般用医薬品を混在させて陳列してよい。

b 薬局開設者は、かぎをかけた陳列設備に陳列する場合又は第一類医薬品を購入しようとする者等が直接手の触れられない陳列設備に陳列する場合を除き、第一類医薬品を陳列する陳列設備から7メートル以内の範囲に、医薬品を購入しようとする者が進入することができないよう必要な措置を採らなければならない。

c 薬局開設者は、要指導医薬品又は一般用医薬品を販売し、又は授与しない時間は、 要指導医薬品又は一般用医薬品を通常陳列し、又は交付する場所を閉鎖しなければならない。

d 配置販売業者は、一般用医薬品を陳列する場合は、第一類医薬品、第二類医薬品、 第三類医薬品の区分ごとに陳列しなければならない。

    a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 誤 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 正 正 正 正
5 正 正 誤 誤

リスク区分に応じた医薬品の陳列方法に関する問題。

a 誤り。
b 誤り。第一類医薬品は、購入者が直接手の触れられない陳列設備、かぎをかけた陳列設備に陳列する必要がある。
(試験には必要ない知識だが、直接手の触れられる陳列棚に空き箱を陳列することもできる。ドラックストアでも良く見かける)
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・2

問95 特定販売に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 全ての薬局製造販売医薬品は、特定販売の方法により販売することができない。

b 特定販売を行うときは、特定販売を行っている当該店舗に貯蔵又は陳列している医薬品を販売しなければならない。

c 特定販売を行うことについてインターネットを利用して広告をするときは、都道府県知事及び厚生労働大臣が容易に閲覧することができるホームページで行わなければならない。

d 特定販売の方法により一般用医薬品を購入しようとする者から、対面又は電話により相談応需の希望があった場合であっても、薬局開設者は、薬剤師又は登録販売者に対面又は電話による情報提供を行わせる必要はない。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 誤 正
5 正 誤 正 誤

新分野の特定販売(いわゆるネット販売)に関する問題。

a 誤り。特定販売することができる。薬局製造販売医薬品は個々の薬局オリジナル製造の医薬品で、漢方の煎じ薬だ代表例。具体例や、特定販売可能になって経緯についてはリンク記事参照を。
b 正しい。いわゆるドロップシッピングはできない。
c 正しい。
d 誤り。常識的におかしいとわかるでしょう。

正答・・・1

問96 特定販売を行うことについて広告するときに表示しなければならない情報として、正しいものの組み合わせはどれか。

a 薬局又は店舗の主要な外観の写真

b 現在勤務している薬剤師または登録販売者の顔写真

c 一般用医薬品の陳列の状況を示す写真

d 特定販売を行う一般用医薬品の製造年月日

1(a、c) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d)

特定販売(ネット販売)における広告内容に関する問題。
ネット販売をする場合に、ホームページに掲載する内容に関するものと考えて差し支えない。

ホームページに掲載すべき内容として、以下のような内容が定められている。

① 薬局又は店舗の主要な外観の写真
② 一般用医薬品の陳列の状況を示す写真
③ 現在勤務している薬剤師又は登録販売者の別及びその氏名
④ 開店時間と特定販売を行う時間が異なる場合にあっては、その開店時間及び特定販売を行う時間
⑤ 特定販売を行う薬局製造販売医薬品又は一般用医薬品の使用期限


a 正しい。
b 誤り。職種と名前は必要だが、顔写真は必要ない。
c 正しい。
d 誤り。「使用期限」であれば正しい。

正答・・・1

問97 医薬品の販売方法等に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 配置販売業者は、その区域において医薬品の販売等に従事する薬剤師、登録販売者又は一般従事者であることが容易に判別できるようその区域に勤務する者に名札を付けさせることその他必要な措置を講じなければならない。

b 薬局開設者は、医薬品を広告する方法として、医薬品の購入の履歴、ホームページの利用の履歴等の情報に基づき、自動的に特定の医薬品の購入を勧誘することが認められている。

c 店舗販売業者は、医薬品を競売に付してはならない。

d 配置販売業者は、医薬品を先用後利によらず現金売りを行うことはできない。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 正 誤 正


医薬品の販売方法等に関する総合問題。

a 正しい。
b 誤り。いわゆるレコメンド機能は認められていない。また、購入者の意見を表示することも認められていない。
c 正しい。
d 正しい。配置薬販売に関する問題において「先用後利」という用語は覚えておきたい。

正答・・・4

問98 次の一般用医薬品のうち、濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品として、正しいものはどれか。

1 ブロムワレリル尿素を有効成分として含有する製剤

2 デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物を有効成分として含有する製剤

3 ジフェンヒドラミンを有効成分として含有する製剤

4 イブプロフェンを有効成分として含有する製剤

5 ノスカピンを有効成分として含有する製剤

これは、ほぼサービス問題で落とせない。

濫用のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品としては、以下のものがある。

ⅰ) エフェドリン
ⅱ)コデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ⅲ)ジヒドロコデイン(鎮咳去痰薬に限る。)
ⅳ)ブロムワレリル尿素
ⅴ)プソイドエフェドリン
ⅵ)メチルエフェドリン(鎮咳去痰薬のうち、内用液剤に限る。)

正答・・・1

問99 広告に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品の有効性又は安全性について、それが確実であることを保証するような表現がなされた広告は、明示的・暗示的を問わず、虚偽又は誇大な広告とみなされる。

b 漢方処方製剤の効能効果は、配合されている個々の生薬成分が相互に作用しているため、それらの構成生薬の作用を個別に挙げて説明することは不適当とされてい る。

c 医師に対しては、承認前の医薬品の効能又は効果について、広告を行うことができる。

d 医薬品医療機器等法に基づく虚偽又は誇大な広告に対する規制は、製薬企業等の広告の依頼主だけが対象であり、テレビ等の広告媒体の運営会社は規制の対象とならない。

    a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 誤

医薬品の広告に関する問題。
c、dが知らないと迷うが、a、bはすぐに正しい内容と気付きたい。

a 正しい。常識的に判断できたでしょう。
b 正しい。良く出題されている内容。
c 誤り。未承認の医薬品の名称、効能、効果などに関する広告は禁止されている。
d 誤り。この広告に関する規制は、広告等の依頼主だけでなく、その広告等に関与するすべての人が対象となる。

正答・・・2

問 100 医薬品医療機器等法の規定に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 都道府県知事、保健所を設置する市の市長及び特別区の区長は、薬事監視員に、 医薬品の販売業者から不良医薬品の疑いのある物品を、試験のため必要な最少分量に限り、収去させることができる。

b 都道府県知事は、区域管理者について、その者に薬事に関する法令又はこれに基 づく処分に違反する行為があったとき、又はその者が区域管理者として不適当であると認めるときは、その配置販売業者に対して、その変更を命ずることができる。

c 厚生労働大臣は、医薬品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対して、保健衛生上の危害の発生又は 拡大を防止するための応急措置を採るべきことを命ずることができる。

d 都道府県知事、保健所を設置する市の市長及び特別区の区長は、医薬品の販売業者が禁錮以上の刑に処せられたときは、医薬品販売業の許可を取り消さなければならない。

  a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 誤

行政処分に関する問題。やや難しい。
特に「緊急命令」については、出題頻度も低く難易度が高い。通常の業務停止命令等は「都道府県知事等」が行うが、「緊急命令」については「厚生労働大臣」が行う

a 正しい。「収去」に関しては時折出題されている。
b 正しい。
c 誤り。「緊急命令」に関する問題。まず命じるのは「厚生労働大臣」でOK。(2017/9/5訂正)
後半部分に誤りがある。×「都道府県知事に対して」→〇「薬局開設者又は医薬品の販売業者に対して」
d 誤り。これはかなり難問。医薬品の販売業者が禁錮以上の刑に処せられたときは、その許可を取り消し、または期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。

正答・・・5
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