単純接触効果とは、認知心理学で良く知られている法則であり、人は、ある対象(人物・商品など)に繰り返し接触すると、好印象が高まるという効果です。また、法則を打ち出した研究者の名前をとって、別名「ザイアンスの法則」とも呼ばれます。

この単純接触効果が、良く取り上げられるのは「営業活動」や「恋愛」においてです。

最初は「警戒心」や「無関心」を抱いていた相手でも、会う機会を重ねることで、警戒心も薄れ、好印象につながっていくことです。(もちろん、「嫌い」心理が生じるとストーカーになりますが)

そして、この単純接触効果は、人対人だけではなく、文章(キャッチコピー)や画像、音楽、等についても当てはめることができます。特にテレビCMに関しては、それらを総合的に駆使した販売戦略が行われており、消費行動の喚起、ロイヤリティ向上につなげています。

例えば、個人的にいつの間にか惹かれてしまったCMに、映画俳優トミー・リー・ジョーンズを起用した「サントリーBOSS」シリーズがあります。

トミー・リー・ジョーンズを知らない人も、定期的に更新されていくCMシリーズを見ているうちに、商品への好感度が高まって、ついつい自動販売機やコンビニで選んでしまっている方もいるでしょう。(もちろん味も重要なファクターですが)

また、敢えて同じ時間帯に、同じ内容を流し続けることで、より印象を高めることができます。

例えば、平日の朝食時間帯に「いつも同じ時間に、同じCMやっているなぁ~」と、感じる人も多いはず。

そして、一般用医薬品についても同様に考えることができます。

とにかく、一般用医薬品は商品ライフサイクル(製品寿命)が非常に長く、消費者の支持を長期間続けさせる為に、単純接触効果の考えは重要です。

また、製品の性質上、どうしても奇をてらった内容はそぐわない(不適切)という側面があります。

その為、CMイメージキャラクターも、いわゆる「旬」な芸能人よりも、安定した好感度を持つ方が好まれ、長年同じキャッチコピーや、メロディが使用され続けます。

例えば、「効いたよね、早めのパブロン」、「食べる前に飲む」等のフレーズは、昔から耳にして何となく記憶に定着してしまっています。



他に、繰り返されるメロディも重要な役割を果たします。

サロンパスで有名な久光製薬CMの最後に流れる「ひ・さ・み・つ~♪」や、正露丸で有名な大幸薬品のCM内に流れるラッパの音などは、すぐに連想できる人も多いでしょう。(今年「音の商標登録」がされたとして一時話題になりました。)


CMの接触頻度と、これらの効果が総合的に働き合い、消費者に対する印象を高めることになります。
そして、いざ医薬品を購入するためドラックストア等を訪れた際、店内のPOPや、普段から持つこれらの印象度が、探索行動に影響を及ぼすことになります。


このように「単純接触効果(ザイアンスの法則)」は、認知心理学の一つであり、人は、ある対象(人物・商品など)に繰り返し接触すると、好印象が高まるという効果です。

一般用医薬品の購買行動を考える際にも、知っておいて損はないでしょう。