H27 東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県 第4章 薬事に関する法規と制度 (問41-50)

細かい点も問われ、全問正解は難しい。
問45(容器への記載義務)、問47(医薬部外品)は特に注意。
2017/09/02 問47-aの解説を訂正しました。

問41 次の記述は、医薬品医療機器等法第1条の抜粋である。( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。なお、2箇所の( a )、( b )内にはどちらも同じ字句が入る。

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び( a )の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による( b )上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、( c )の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特に その必要性が高い医薬品、医療機器及び( a )の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、( b )の向上を図ることを目的とする。

a b c
1 生物由来製品     国民生活     危険ドラッグ
2 再生医療等製品  保健衛生     指定薬物
3 生物由来製品     保健衛生     指定薬物
4 再生医療等製品  国民生活     指定薬物
5 生物由来製品     保健衛生     危険ドラッグ

よく出題される第1条に関する問題。
なお、かつての「薬事法」から「医薬品医療機器等法」に呼び方が変わっています。(H27年試験より)

「この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止のために必要な規制を行うとともに、指定薬物の規制に関する措置を講ずるほか、医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び再生医療等製品の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、保健衛生の向上を図ることを目的とする。」

正答・・・2

問42 要指導医薬品に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

1 医師等の管理・指導の下で患者が自己注射や自己採血を行う医薬品は、要指導医薬品として製造販売されている。

2 患者の容態にあわせて処方量を決めて交付するもののため、薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が必要である。

3 都道府県知事が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものである。

4 医師等の診療によらなければ一般に治癒が期待できない疾患(例えば、がん、心臓病等)に対する効能効果は認められていない。

5 店舗販売業者及び配置販売業者は、要指導医薬品の販売等が認められている。

要指導医薬品に関する問題。これは簡単。
第4章の問題では、厚生労働大臣or都道府県知事かは、良く問われるので注意。

1 誤り。常識的に判断できるでしょう。一般用医薬品又は要指導医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられない。
2 誤り。良く問われる内容。一般用医薬品及び要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用する。
3 誤り。都道府県知事ではなく、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定する。
4 正しい。
5 誤り。配置販売業は一般用医薬品以外の医薬品の販売は認められていない。

正答・・・4

問43 医薬品医療機器等法に基づく毒薬又は劇薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 劇薬を貯蔵、陳列する場所については、かぎを施さなければならない。

b 毒薬又は劇薬を、18歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。

c 毒薬については、それを収める直接の容器又は直接の被包に、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字を記載するよう努めることとなっている。

d 店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、毒薬又は劇薬を開封して、販売等してはならない。

a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

頻出の毒薬・劇薬に関する問題だが、難しめ。

a 誤り。毒薬は保管に鍵が必要だが、劇薬はしなくても良い。
b 誤り。18歳未満ではなく、毒薬・劇薬は14歳未満への交付が禁止されている。
c 誤り。「努めることとなっている。」がおかしい。努力目標ではない。良く読まないと間違いやすいので注意。
d 正しい。ピンとこない人も多いでしょうが、正しい内容です。

正答・・・5

問44 医薬品医療機器等法に基づく生物由来製品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 生物由来製品は、製品の使用による感染症の発生リスクに着目して指定されている。

b 生物由来製品として指定された医薬部外品、化粧品はない。

c 医療機器は、生物由来製品の指定の対象とならない。

d 生物由来製品の定義において、植物に由来するものは含まれない。

a b c d
1 正 誤 誤 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 誤
5 誤 正 正 正

生物由来製品に関する問題。これも殆どの受験生にとって、身近な内容ではないので難しい。
但し、出題の手引きに書かれている内容は限られているので、この問題レベルの内容を理解していれば、試験対策としては十分。

a 正しい。
b 正しい。さらに、現在のところ生物由来製品として指定された一般用医薬品又は要指導医薬品もない
c 誤り。これは知らないと難しい。医療機器として人工弁やカテーテルに動物由来成分が用いられている。
d 正しい。これも知らないと戸惑うかもしれない。植物は含まれない。

正答・・・2

問45 医薬品医療機器等法第50条に基づき、医薬品の直接の容器又は直接の被包に記載されていなければならない事項のうち、誤っているものはどれか。ただし、厚生労働省令で定める表示の特例に関する規定は考慮しなくてよい。

1 一般用医薬品にあっては、リスク区分を示す識別表示

2 要指導医薬品にあっては、要指導医薬品である旨を示す識別表示

3 適切な保存条件のもとで3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限

4 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字

5 医薬品の効能又は効果

容器・外箱等への法定表示事項に関する問題。難しい。

1 正しい。これはすぐに判断できるでしょう。
2 正しい。
3 正しい。使用期限に関する内容は頻出。逆に、3年を超えて安定な医薬品等では、実は使用期限の直接の被包への記載義務はないことに注意しよう。実際、昔の漢方薬には期限が記載されていない商品も存在した。しかし、現在そのような製品はまずないと思ってOK。在庫管理上も不都合が生じるだけでなく、消費者も敬遠する。

4 正しい。これも良く問われる内容だが非常にわかりにくい内容。「店舗専用」の表記は、配置薬販売に不適(経年変化がおきやすい。使用方法が難しい等)な製品に対するものと考えれば良い。しかし実際そのような商品があるか不明。普段目にする一般用医薬品を見ても、まず書いてません。あまり深く考えず、試験対策として深く考えず憶えてしまうのが得策です。
5 誤り。これも知らないとひっかかる。効能・効果は直接の容器又は直接の被包への記載義務はない

正答・・・5

問46 保健機能食品等の食品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 特別用途食品は、健康増進法の規定に基づき、「特別の用途に適する旨の表示」の許可を受けた食品であり、消費者庁の許可等のマークが付されている。

b 機能性表示食品は、販売前に安全性及び機能性に関する審査を受け、消費者庁長官の許可を取得することが必要である。

c 栄養機能食品は、栄養成分の機能表示に関して、消費者庁長官の許可は要さない。

a b c
1 正 正 誤
2 誤 正 正
3 正 誤 誤
4 誤 誤 誤
5 正 誤 正

保健機能食品等の食品に関する問題。

a 正しい。手引きの記載は以下のとおり
(a) 特別用途食品
「乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的・栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法第26条及び第29条の規定に基づき、「特別の用途に適する旨の表示」の許可を受けた食品であり、消費者庁の許可等のマークが付されている。」

b 誤り。機能性表示食品は、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたものである。審査を受けている訳ではない。

c 正しい。栄養機能食品の栄養成分の機能表示に関しては、消費者庁長官の許可は要さない。また、消費者庁長官の個別の審査を受けたものではない旨の表示も義務づけられている。具体的にはビタミンやミネラルの栄養成分に適応されている。(栄養機能食品の記載例

特別用途食品・保健機能食品分類と特定保健用食品の位置づけNEW

正答・・・5

問47 医薬部外品に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬部外品を製造販売する場合には、医薬部外品製造販売業の承認が必要であり、品目ごとに許可を得る必要がある。

b 医薬部外品を販売する場合には、医薬部外品販売業の届出が必要である。

c 医薬部外品には、ねずみ、蚊などの防除の目的のために使用される機械器具も含まれる。

d かつて医薬品であったが、医薬部外品へ移行された製品群がある。

a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 正 正 正

医薬部外品に関する問題。細かい内容が問われており難易度は高い。

a 誤り。医薬部外品を製造販売する場合には、製造販売業の許可が必要であり、品目ごとに承認を得る必要がある。(厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除く)
b 誤り。良く問われる内容。製造には届出が必要だが、販売に関しては届出や許可は必要ない。
c 誤り。機械器具は含まれない。
d 正しい。指定医薬部外品に関する内容。

正答・・・4

問48 化粧品の効能効果の範囲に関する次の事項のうち、正しいものの組合せはどれか。

a ひび、あかぎれの改善

b カミソリまけを防ぐ

c ムシ歯を防ぐ(使用時にブラッシングを行う歯みがき類)

d 毛髪につやを与える

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)

化粧品の効能・効果の種類は大変多く、丸暗記は得策ではない。
医薬品っぽい効果をまず候補から外し、作用の穏やかそうなものから選んでいく。

a 誤り。一番最初に候補からはずしたい。
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・5

問49 薬局及び医薬品の販売業の許可に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品医療機器等法第25条において医薬品の販売業の許可は、店舗販売業の許可、 配置販売業の許可又は卸売販売業の許可の3種類に分けられている。

b 薬局における一般の生活者に対する医薬品の販売行為は、薬局の業務に付随して行われる行為であるので、別途、店舗販売業の許可は必要としない。

c 医薬品の販売業の許可は、6年ごとに、薬局の許可は、5年ごとに、その更新を受けなければ、その期間の経過によってその効力を失う。

d 薬局、店舗販売業及び配置販売業では、特定の購入者の求めに応じて医薬品の包装を開封して分割販売することができる。

a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 正 正
4 正 正 誤 誤
5 誤 正 誤 誤

薬局及び医薬品の販売業の許可に関する問題

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。医薬品販売業、薬局ともに許可は、6年ごとに更新をうける。
d 誤り。頻出の内容。配置薬販売業では分割販売はできない

正答・・・4

問50 医薬品医療機器等法に基づく薬局に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 調剤を実施する薬局は、医療法においては医療提供施設に位置づけられている。

b 薬局で取り扱う一般用医薬品のうち第二類医薬品又は第三類医薬品の販売等であっても、登録販売者は購入者等への情報提供や相談対応を行うことができない。

c 医薬品を取り扱う場所であって、薬局として開設許可を受けていないものについては、 病院又は診療所の調剤所であっても、薬局の名称を付してはならない。

d 薬局開設者が薬剤師でないときは、その薬局で薬事に関する実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定して実地に管理させなければならない。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)

「薬局」に関する問題。これは落とせない問題。

a 正しい。
b 誤り。第二類、三類は、当然登録販売者が対応できる。
c 誤り。よく問われる内容。病院または診療所では、例外的に「薬局」の名称を使える
d 正しい。

正答・・・3

 

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