乗り物酔い防止薬に良く配合されている。

スコポラミン臭化水素酸塩は、アトロピンと同様にナス科の植物の種子から抽出されるアルカロイドの一種です。

代表的な乗り物酔い防止薬に配合されている成分ですが、中枢性の抗コリン作用を持ち、乗物酔いの症状の原因となる感覚の乱れを軽減させることで、吐き気やめまいなどを抑える働きがあるとされています。

乗り物酔い防止薬には、クロルフェニラミンマレイン酸ジフェンヒドラミン塩酸塩といった抗ヒスタミン薬と一緒に使われていることが多いです。

例えば、「トラベルミン内服液」は代表的な乗り物酔い防止薬の一つですが

ジフェンヒドラミン塩酸塩
スコポラミン臭化水素酸塩
無水カフェイン

が配合されています。





なお、乗物酔い防止薬は抗ヒスタミン薬、抗コリン薬両方含んでいるものが多く、個人差はあるものの、多くの方が服用後眠くなったり、口の渇きを感じます。(たまに長距離フェリーの船酔い対策では、逆に眠っていられるので良いという方もいます。但し、1日あたりの用量は守ってもらいましょう。)

出題の手引きの内容は以下の通り。
「スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗コリン成分で、消化管からよく吸収され、他の抗コリン成分と比べて脳内に移行しやすいとされるが、肝臓で速やかに代謝されてしまうため、抗ヒスタミン成分等と比べて作用の持続時間は短い。スコポラミンを含む成分としてロートコンの軟エキスが配合されている場合もある。」

他に、第5章で抗コリン薬としての副作用(眠気、目のかすみ、異常なまぶしさ、排尿困難)や、緑内障では使用をさけること等が出題されます。
(追記)
スコポラミンは第二次世界大戦や冷戦時代に、いわゆる「自白剤」として使用されていた歴史があります。
尋問の際にスコポラミンを投与されて意識が朦朧とする中、自分の意志に反して質問に答えてしまうという働きを狙ったものでした。

映画の中では、クリント・イーストウッドも出演していた「荒鷲(あらわし)の要塞」(1968年公開)の中で、ナチスドイツの捕虜となったアメリカ人将校が、自白を迫られるシーンで、「喋らなければスコポラミンも使うぞ」的な会話の中で登場します。他に漫画では、手塚治虫の「アドルフに告ぐ」の中でも登場するようです。

なお、自白剤として使用する場合どの程度投与されるかは不明ですが、乗り物酔い防止薬に含まれる程度では、当然そんなことはおきませんので心配する必要はありません。