H27 新潟県・群馬県・栃木県・長野県・山梨県 第5章 医薬品の適正使用と安全対策(問111-120)

問113・問118(相談),問120(副作用)は難問。
他は頻出・易しい内容なので正答したい。

【問111】 医薬品副作用被害救済制度に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 救済給付業務に必要な費用のうち、給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられる。

b 給付の種類としては、医療費、障害年金、遺族年金、葬祭料等がある。

c 医薬品を適正に使用して生じた健康被害であれば、特に医療機関での治療を要さずに寛解したような軽度のものについても給付対象となる。

d 個人輸入した医薬品の使用による健康被害についても、医薬品副作用被害救済制度の対象となる。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

医薬品副作用被害救済制度に関する問題。
間違いの選択肢が明らかなので消去法で容易に判断できる。
 
a 正しい。給付費については、製造販売業者から年度ごとに納付される拠出金が充てられる。また、事務費については、その2分の1相当額は国庫補助により賄われていることも押さえておく。良く出題されている。
b 正しい。給付の種類としては、医療費、医療手当、障害年金、障害児養育年金、遺族年金、遺族一時金及び葬祭料がある。
c 誤り。救済給付の対象となる健康被害の程度としては、入院治療をしたり、副作用で重い後遺障害が残るケース等。軽度のものは対象外。
d 誤り。医薬品副作用被害救済制度の対象にならない例として、製品不良など、製薬企業に損害賠償責任がある場合や、無承認無許可医薬品(個人輸入品など)による健康被害等がある。

正答・・・1

【問112】 次のうち、適正に使用した場合に医薬品副作用被害救済制度の対象となる医薬品はどれか。

1 一般用検査薬
2 人体に直接使用する殺菌消毒剤
3 殺虫剤
4 日本薬局方ワセリン


医薬品副作用被害救済制度の対象に関する問題。

2と3で迷ったかもしれないが、冷静に考えて二択すれば明らかでしょう。
救済制度の対象とならない要指導医薬品又は一般用医薬品としては、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)が該当する。

正答・・・2

【問113】 次のうち、一般用医薬品の添付文書において、糖尿病の診断を受けた人は、服用する前に、専門家に相談するよう記載される成分はどれか。

1 ロートエキス
2 スコポラミン臭化水素酸塩水和物
3 フェニレフリン塩酸塩
4 硫酸ナトリウム
5 イブプロフェン

これは難しい。
フェニレフリンはアドレナリン作動性成分。鼻炎用内服薬の血管収縮成分として用いられ、特に「コルゲンコーワ」ブランド製品に用いられている。ブソイドエフェドリンメチルエフェドリンに比べると出題頻度は低い。

正答・・・3

【問114】 次のうち、一般用医薬品の添付文書において、「次の人は使用(服用)しないこと」 の項目欄に、「鶏卵によりアレルギー症状を起こしたことがある人」と記載される成分はどれか。

1 リドカイン塩酸塩
2 リゾチーム塩酸塩
3 ロペラミド塩酸塩
4 ジフェンヒドラミン塩酸塩
5 メチルエフェドリン塩酸塩

これは超頻出。絶対に落とさないように。
リゾチーム塩酸塩ー鶏卵アレルギーは必ず押さえておく。

正答・・・2

【問115】 次のうち、一般用医薬品の添付文書において、「次の人は使用(服用)しないこと」 の項目欄に、「15 歳未満の小児」と記載される成分はどれか。

1 無水カフェイン
2 ジヒドロコデインリン酸塩
3 アセトアミノフェン
4 アスピリン

これも超頻出で基本的な内容である。

アスピリン(アスピリンアルミニウムを含む。)及びサザピリンは、15歳未満の小児に対しては、いかなる場合も一般用医薬品として使用してはならない。」 なお、イブプロフェンについても同様である。

また、「エテンザミド及びサリチルアミドについては、水痘(水疱瘡)又はインフルエンザにかかっている15歳未満の小児に対しては使用を避ける必要がある。」との違いも押さえておく。

正答・・・4

【問116】 次のうち、添付文書の使用上の注意において、服用後、乗物または機械類の運転操作をしないことの旨が記載されている一般用医薬品として正しいものの組み合わせはどれか。

a テオフィリンを含む鎮咳去痰薬
b ジフェンヒドラミン塩酸塩を含むかぜ薬
c アルジオキサを含む胃腸薬
d スコポラミン臭化水素酸塩水和物を含む乗物酔い防止薬

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


これも頻出医薬品成分からの出題。絶対に落とさないように。
眠気が出やすい抗ヒスタミン薬のジフェンヒドラミン塩酸塩と、抗コリン薬のスコポラミン臭化水素酸塩水和物を選べばよい。

正答・・・4

【問117】 次の記述のうち、スクラルファートを含有する胃腸薬の添付文書の使用上の注意に、 長期連用しないことの旨が記載される理由として、正しいものはどれか。

1 アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を生じるおそれがあるため。

2 鬱血性心不全、心室頻拍の副作用が現れることがあるため。

3 副腎皮質の機能低下を生じるおそれがあるため。

4 偽アルドステロン症を生じるおそれがあるため。

5 喘息発作を誘発するおそれがあるため。

これも頻出内容である。スクラルファートアルミニウムを含む成分である。
長期間服用した場合に、アルミニウム脳症及びアルミニウム骨症を発症したとの報告がある。

正答・・・1

【問118】 次のうち、一般用医薬品の添付文書において、緑内障の診断を受けた者は、服用する前に、専門家に相談するよう記載される成分の正しい組み合わせはどれか。

a ケイ酸アルミン酸マグネシウム
b ペントキシベリンクエン酸塩
c ジフェニドール塩酸塩
d テシットデシチン

1(a、c) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

これはマイナーな成分も登場し、かなりの難問である。あまりにマイナーなので直前期で余裕が無ければ深追いしない。

解法としては緑内障なので、抗コリン薬or第一世代抗ヒスタミン薬を探していく。

ペントキシベリンクエン酸塩 は、手引きでは第5章の「使用上の注意」にしか記載がないようです。抗コリン成分で緑内障の人は相談するように記載されている。但し、現在市販品に用いられているか不明。医療用では鎮咳薬として「トクレススパンスールカプセル」という製品がある。

もう一つはジフェニドール塩酸塩。抗めまい薬として知られるが、「抗ヒスタミン成分や抗コリン成分と同様な頭痛、排尿困難、眠気、散瞳による異常な眩しさ、口渇のほか、浮動感や不安定感が現れることがある」とされており、緑内障や排尿困難のある方は相談する。

正答・・・3

【問119】 一般用医薬品の添付文書の使用上の注意において、特定の症状がある人が服用しようとする場合に、専門家に相談するよう注意が求められている成分との組み合わせについて、正しいものはどれか。

 特定の症状  成分
1 胃酸過多 - グリセリン
2 けいれん - ケトプロフェン
3 出血傾向 - ポビドンヨード
4 排尿困難 - クロルフェニラミンマレイン酸塩
5 むくみ  - タンニン酸アルブミン

問118とは異なり、こちらは基本的な知識、頻出成分。必ず解けるように。

排尿困難ときたら抗コリン薬、抗ヒスタミン薬への注意が求められる。
クロルフェニラミンマレイン酸塩は市販薬で頻用される第一世代抗ヒスタミン薬。

正答・・・4

【問120】 次のうち、一般用医薬品の添付文書の使用上の注意において、吸収増大による精神神経系障害が生じるおそれがあることから、服用前後は飲酒しないことの旨が記載される成分はどれか。

1 テオフィリン
2 ヒマシ油
3 次硝酸ビスマス
4 合成ヒドロタルサイト
5 ピレンゼピン塩酸塩

これは超難問。知らなくてもしょうがないでしょう。

次硝酸ビスマスは止瀉薬に用いられる収斂保護成分。手引きには以下の記載がある。

「次没食子酸ビスマス、次硝酸ビスマス等のビスマスを含む成分については、海外において長期連用した場合に精神神経症状(不安、記憶力減退、注意力低下、頭痛等)が現れたとの報告があり、1週間以上継続して使用しないこととされている。アルコールと一緒に摂取されると、循環血液中への移行が高まって精神神経症状を生じるおそれがあり、服用時は飲酒を避ける必要がある

なお、市販品ではアクロミンカプセルA(小林薬工)に含まれる程度で、実際止瀉薬として殆ど用いられていない。

正答・・・3


 

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