パパベリン塩酸塩は、平滑筋に直接作用して平滑筋の異常緊張およびけいれんを抑制する働きがあり、特に胃腸へのけいれんを抑える働きにより、鎮痙薬として用いられる成分です。

もともとは、アヘンから抽出されたアルカロイドの1種です。

現在、医薬品としての使用は殆どなく、一般用医薬品でも使用されている製品があるかは不明です。
(もちろん保険適応外ですが、医療用の注射薬を、ED治療目的に使用しているケースがあるようです。)

一方で、薬理学の実験用の成分として良く知られています。

詳しくは述べませんが、ラットの腸を用い、抗コリン成分であるアトロピンと、直接平滑筋に働くパパベリンの、(腸を収縮させる)アセチルコリンに対する阻害作用がどのように違うかを調べる実験に利用されます。

アトロピンはアセチルコリン受容体に働く「競合的阻害」ですが、パパベリンはアセチルコリン受容体には直接働かず、「非競合阻害」であることを学ぶために行わる実験です。(著者も学生時代に行った記憶があり)

なお、パパベリンの作用機序としては、cAMPの分解酵素であるホスホジエステラーゼの活性を阻害して、細胞内cAMP量を増大するこで、平滑筋の収縮を抑制すると言われています。

登録販売者試験では、まずまず出題されています。「抗コリン成分とは異なる」「胃液分泌を抑える作用はない」「眼圧を上昇させる作用(緑内障への注意)」等が問われています。

手引きの記載(一部抜粋)は以下の通りです。
「消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すとされる。抗コリン成分と異なり、胃液分泌を抑える作用は見出されない。抗コリン成分と異なり自律神経系を介した作用ではないが、眼圧を上昇させる作用を示すことが知られている。」