問81(血の道症)、問87(マーキュロクロム)は注意

問81 月経及び婦人薬の適用対象となる体質・症状に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 月経周期は、種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており、乳腺で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する。

イ 加齢とともに卵巣からの女性ホルモンの分泌が減少していき、やがて月経が停止して、妊娠可能な期間が終了することを更年期という。

ウ 血の道症とは、臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態のことをいう。

エ 血の道症は、流産、人工妊娠中絶、避妊手術などを原因とする異常生理によって起こる場合もある。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

「血の道症」は、婦人向け一般用医薬品で使用される独特の用語。
今まで出題頻度は高くありませんでしたが、大まかな意味は押さえておきたい。

ア 誤り。×乳腺卵巣→○視床下部や下垂体 (2016/8/19訂正)
手引きの記載は「月経周期は、個人差があり、約21日~40日と幅がある。種々のホルモンの複雑な相互作用によって調節されており、視床下部や下垂体で産生されるホルモンと、卵巣で産生される女性ホルモンが月経周期に関与する。」
イ 誤り。×更年期→○閉経
ウ 正しい。出題の手引きにおける血の道症の定義は「臓器・組織の形態的異常がなく、抑鬱や寝つきが悪くなる、神経質、集中力の低下等の精神神経症状が現れる病態」と書かれており、いわゆる更年期障害も、血の道症の一種と捉えれば良い。
エ 正しい。手引きの記載どおり

正答・・・5

問82 女性の月経や更年期障害に伴う諸症状の緩和に用いられる漢方処方製剤に関する以下の記述について、正しいものを下から一つ選びなさい。

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、 耳鳴り、動悸などを訴えるものの月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り、低血圧に適すとされるが、胃腸の弱い人では、胃部不 快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。

1 加味逍遙散 
2 桂枝茯苓丸 
3 温清飲 
4 桃核承気湯 
5 当帰芍薬散

婦人病向けの漢方薬に関する問題。
決してマイナーな漢方薬ではないので、すべてある程度の知識は押さえておきたい。

正解は、特に女性向け漢方薬の中でも代表例である当帰芍薬散

余裕があれば、関連記事も参照を。加味逍遙散 、桂枝茯苓丸 、温清飲 桃核承気湯 

正答・・・5

問83 内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)に配合されている主な成分とその副作用の関係について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

成分 副作用
ア メキタジン         - ショック(アナフィラキシー)
イ ベラドンナ総アルカロイド  - 偽アルドステロン症
ウ プソイドエフェドリン塩酸塩 - 不眠、神経過敏
エ グリチルリチン酸二カリウム - 散瞳、口渇

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)

内服アレルギー用薬に関する問題。
どれも市販薬に使用されており、全て押さえておきたい成分。

ア 正しい。メキタジンは第二世代の抗ヒスタミン薬。それ程用いられている成分ではない。手引きには「メキタジンについては、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を生じることがある。」の記述がある。
イ 誤り。ベラドンナ総アルカロイドは抗コリン成分。
ウ 正しい。プソイドエフェドリン塩酸塩はアドレナリン作動性成分。鼻炎用内服薬に用いられている。第5章でも良く出題されている成分。
エ 誤り。グリチルリチン酸二カリウムの副作用と言えば偽アルドステロン症。頻出なのですぐに気付きたい。

正答・・・2

問84 以下の内服アレルギー用薬(鼻炎用内服薬を含む。)として用いられる漢方処方製剤のうち、マオウを含むものを一つ選びなさい。

1 茵蔯蒿湯 
2 十味敗毒湯 
3 消風散 
4 当帰飲子
5 葛根湯加川芎辛夷

内服アレルギー用薬として用いられる漢方薬に関する問題。

葛根湯麻黄(マオウ)を含んでいることを知っていれば容易にわかるはず。葛根湯加川芎辛夷は、特に鼻づまりの症状があるときに用いられる。

正答・・・5

問85 鼻炎及び鼻炎用点鼻薬に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア アレルギー性鼻炎は、鼻腔内に付着したウイルスや細菌が原因となって生じる鼻粘膜の炎症で、 かぜの随伴症状として現れることが多い。

イ アドレナリン作動成分が配合された点鼻薬は、過度に使用されると、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。

ウ クロモグリク酸ナトリウムが配合された点鼻薬の使用は、医療機関において減感作療法等のアレルギーの治療を受けている人では、その治療の妨げとなるおそれがある。

エ 一般用医薬品の鼻炎用点鼻薬の対応範囲は、急性又はアレルギー性の鼻炎及び蓄膿症などの慢性の副鼻腔炎である。

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

鼻炎及び鼻炎用点鼻薬に関する問題。

ア 誤り。
イ 正しい。ナファゾリン塩酸塩の記事を参照ください。
ウ 正しい。
エ 誤り。「慢性」とでてきたら間違い。

正答・・・3

問86 点眼薬に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入ります。

一般用医薬品の点眼薬は、その主たる配合成分から、( ア )、一般点眼薬、抗菌性点眼薬、 アレルギー用点眼薬に大別される。

( ア )は、涙液成分を補うことを目的とするもので、目の疲れや乾き、コンタクトレンズ 装着時の不快感等に用いられる。一般点眼薬は、目の疲れや痒 かゆ み、結膜充血等の症状を抑える成分が 配合されているものである。アレルギー用点眼薬は、花粉、ハウスダスト等のアレルゲンによる目のアレルギー症状(流涙、目の痒み、結膜充血等)の緩和を目的とし、( イ )や抗アレルギー 成分が配合されているものである。抗菌性点眼薬は、抗菌成分が配合され、結膜炎(はやり目)やものもらい(麦粒腫)、( ウ )等に用いられるものである。

ア イ ウ
1 人工涙液         ステロイド性抗炎症成分  眼瞼炎(まぶたのただれ)
2 コンタクトレンズ装着液  ステロイド性抗炎症成分  緑内障
3 人工涙液         抗ヒスタミン成分     眼瞼炎(まぶたのただれ)
4 コンタクトレンズ装着液  ステロイド性抗炎症成分  眼瞼炎(まぶたのただれ)
5 人工涙液         抗ヒスタミン成分     緑内障

これは簡単。
一般用医薬品なので「緑内障」とくれば真っ先に除外される。

ア 「人工涙液」はソフトサンティアが代表例。コンタクトレンズ装着液は医薬品扱いではない。
イ 抗ヒスタミン成分。 一般用医薬品の点眼薬の成分としてステロイド性抗炎症成分は用いられていない。
ウ 眼瞼炎(まぶたのただれ)

正答・・・3

問87 皮膚に用いられる殺菌消毒成分に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア アクリノールは、黄色の色素で、一般細菌類の一部(連鎖球菌、黄色ブドウ球菌などの化膿菌) に対する殺菌消毒作用を示すが、真菌、結核菌、ウイルスに対しては効果がない。

イ オキシドールの作用は、過酸化水素の分解に伴って発生する活性酸素による酸化、及び発生する酸素による泡立ちによる物理的な洗浄効果であるため、作用の持続性は乏しく、また、組織への浸透性も低い。

ウ ポビドンヨードは、ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルス に対して殺菌消毒作用を示す。

エ マーキュロクロムは、有機クロムの一種であるが、皮膚浸透性が低く、通常の使用においてクロム中毒を生じることはない。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

皮膚に用いられる殺菌消毒成分に関する問題。

現在、きず口への殺菌成分は用いられなくなってきている。
マーキュロクロムはいわゆる「赤チン」。平成生まれの方は馴染みがないでしょうが、今でも高齢者が希望買いされる場合がある。

ア 正しい。”アクリノール=黄色”は良く出題されている。
イ 正しい。オキシドールはキズ口等に使用すると酸素が発生して泡立つ。
ウ 正しい。ポビドンヨードは、イソジンに使用されている成分。
エ 誤り。マーキュロクロムは有機水銀の一種(マーキュロクロムという名称は商品名由来。いわゆる「赤チン」。クロムを含んでいる訳ではない)
皮膚浸透性が低く、通常の使用において水銀中毒を生じることはないとされている。

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正答・・・1

問88 一般用医薬品として皮膚に用いられるステロイド性抗炎症成分に関する以下の記述のうち、正しいものを一つ選びなさい。

1 主なステロイド性抗炎症成分としては、デキサメタゾン、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、ピロキシカム等がある。

2 末梢組織の免疫機能を高める作用を示す。

3 水痘(水疱瘡)、みずむし、たむし又は化膿している患部について、症状を改善させる作用を示す。

4 広範囲に生じた皮膚症状や、慢性の湿疹・皮膚炎を対象とするものではない。

外用薬に用いられるステロイド性抗炎症成分に関する問題
これは簡単。

1 誤り。ピロキシカムステロイド性抗炎症成分。しかし、現在この成分を含有する市販薬の存在は不明。デキサメタゾンプレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルはステロイド性抗炎症成分。後者の成分は特に市販薬に用いられている。
2 誤り。ステロイド成分の好ましくない作用として末梢組織の免疫機能を低下させる作用があり、細菌、真菌、ウイルス等による皮膚感染(みずむし・たむし等や化膿症状)や持続的な刺激感の副作用が現れることがある。
3 誤り。
4 正しい。「慢性」とくれば、通常一般用医薬品の対象外である。

正答・・・4

問89 表在性真菌感染症とその治療に用いる医薬品に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア ぜにたむしは、輪状の小さな丸い病巣が胴や四肢に発生し、発赤と鱗屑(りんせつ) 、痒みを伴う。

イ 頭部白癬は小児に多く、清浄に保てば自然治癒することが多いので、炎症が著しい場合でも医師の診療を受ける必要はない。

ウ 一般的に、じゅくじゅくと湿潤している患部に使用する医薬品の剤型は、液剤が適すとされる。

エ イミダゾール系抗真菌成分の副作用として、かぶれ、腫れ、刺激感が現れることがある。

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

表在性真菌感染症とその治療に用いる水虫薬に関する問題。

ア 正しい。
イ 誤り。これは明らか。
ウ 誤り。手引きによると、じゅくじゅくと湿潤している患部には、軟膏又はクリームが適する。液剤は浸透性が高く患部に対する刺激が強いが、皮膚が厚く角質化している部分には適する。
エ 正しい。イミダゾール系抗真菌成分としては、

正答・・・2

問90 歯痛薬又は歯槽膿漏薬に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を鎮めるだけでなく、歯の齲蝕を修復することもある。

イ 歯槽膿漏薬には、患部局所に適用する外用薬のほか、内服で用いるものもある。

ウ 歯痛薬に配合されるカミツレは、アカネ科のクチナシの果実を基原とする生薬で、抗炎症作用を期待して用いられる。

エ 歯槽膿漏薬に配合されるセチルピリジニウム塩化物は、歯肉溝での細菌の繁殖を抑えることを目的としている。

    ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

歯痛薬・歯槽膿漏薬に関する問題。

ア 誤り。歯痛薬は、歯の齲蝕による歯痛を応急的に鎮めることを目的とする一般用医薬品であり、歯の齲蝕が修復されることはない。
イ 正しい。例えばリゾチーム塩酸塩等の抗炎症成分や、ビタミン剤が用いられる。製品としてはデンテクE(エーザイ)等。
ウ 誤り。カミツレはキク科のカミツレの頭花を基原とする生薬で、抗炎症、抗菌などの作用を期待して用いられる。
エ 正しい。セチルピリジニウム塩化物は殺菌消毒成分。市販薬では特にトローチに用いられている。

正答・・・4