問65(桂枝加竜骨牡蛎湯)、問67・68(鎮咳薬)は広い知識が求められる。

問61
かぜ(感冒)及びかぜ薬(総合感冒薬)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a かぜは、単一の疾患ではなく、医学的にはかぜ症候群といい、主にウイルスが鼻や喉などに感染して起こる上気道の急性炎症の総称である。

b かぜとよく似た症状が現れる疾患は多数あり、急激な発熱を伴う場合や、症状が4日以上続くとき、又は症状が重篤なときは、かぜではない可能性が高い。

c かぜ薬は、ウイルスの増殖を抑えたり、ウイルスを体内から除去することにより、咳や発熱といった諸症状の緩和を図るものである。

d 発熱、咳、鼻水など症状がはっきりしているかぜであったとしても、別の症状の発現予防のため、かぜ薬を選択することが基本である。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 誤 正 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 正 誤 誤

感冒および感冒薬に関する基礎的知識に関する問題。
これはサービス問題です。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。いわゆる市販のかぜ薬は、あくまでかぜの諸症状を緩和するためであり、ウイルスや細菌自体の増殖を抑える働きはない。
d 誤り。

正答・・・5


問62
次のかぜ薬(総合感冒薬)の配合成分とその分類のうち、正しいものの組合せはどれか。

    配合成分・分類
a トラネキサム酸 ――――――――― 抗炎症成分
b グアヤコールスルホン酸カリウム ― 殺菌成分
c チペピジンヒベンズ酸塩 ――――― アドレナリン作動成分
d メキタジン ――――――――――― 抗ヒスタミン成分

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

総合感冒薬の配合成分に関する問題。
頻出のトラネキサム酸とメキタジンの知識で容易に判断できるように。

a 正しい。トラネキサム酸は代表的な抗炎症成分。主に喉の腫れや炎症を緩和する目的で配合される。

b 誤り。グアヤコールスルホン酸カリウムは去痰成分。割と試験でも出題されている。
c 誤り。チペピジンヒベンズ酸塩は非麻薬性の鎮咳成分。医療用としての知名度は高いが、あまり市販薬では使われていない。
d 正しい。メキタジンは第二世代の抗ヒスタミン成分。

正答・・・2 

問63
解熱鎮痛薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a エテンザミドは、他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強く、予期せぬ作用の増幅が懸念されることから、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合してはならないとされている。

b イブプロフェンは、アスピリン等に比べて胃腸への悪影響が少なく、抗炎症作用も示すことから、頭痛、咽頭痛、月経痛、腰痛等に使用されることが多いが、一般用医薬品では小児向けの製品はない。

c 15歳未満の小児に対し、インフルエンザ流行期等に使用する解熱鎮痛成分としては、アセトアミノフェンの選択を提案する等の対応を図る。

d イソプロピルアンチピリンは、現在、一般用医薬品で唯一のピリン系解熱鎮痛成分である。
 
    a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 誤 誤
5 誤 正 誤 正

解熱鎮痛薬の配合成分に関する問題。
これも頻出知識で容易に正答できる。

a 誤り。エテンザミドは、痛みの発生を抑える働きが作用の中心となっている他の解熱鎮痛成分に比べ、痛みが神経を伝わっていくのを抑える働きが強いため、作用の仕組みの違いによる相乗効果を期待して、他の解熱鎮痛成分と組み合わせて配合されることが多い
b 正しい。イブプロフェンは特に総合感冒薬に用いられている代表的な非ステロイド抗炎症成分。CMで聞いたことがある方も多いでしょう。記載のとおり「一般用医薬品では小児向けの製品はない」。
c 正しい。これは実務でも大事な知識。小児でも使用できるファミリーユース向け総合感冒薬の解熱鎮痛成分としてはアセトアミノフェンが用いられている。
d 正しい。イソプロピルアンチピリンはOTC唯一のピリン系! (非ピリン系ではない)
 
正答・・・3

問64
鎮痛の目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 芍薬甘草湯は、体力に関わらず、筋肉の急激な痙攣を伴う痛みのあるもののこむらがえり、筋肉の痙攣、腹痛、腰痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

b 呉茱萸湯は、体力虚弱で、汗が出、手足が冷えてこわばり、ときに尿量が少ないものの関節痛、神経痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

c 疎経活血湯は、体力中等度以下で、手足の冷えを感じ、下肢の冷えが強く、下肢又は下腹部が痛くなりやすいものの冷え症、腰痛、下腹部痛、頭痛、しもやけ、下痢、月経痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含まない。

d 薏苡仁湯は、体力中等度なものの関節や筋肉のはれや痛みがあるものの関節痛、筋肉痛、神経痛に適すとされ、構成生薬としてカンゾウとマオウを含む。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

鎮痛効果が期待され用いられる漢方製剤に関する問題。
出題頻度高めのa芍薬甘草湯とb呉茱萸湯の知識だけで正答に導きける。c,dは、かなり学習していないと判断は難しい。
 
a 正しい。芍薬甘草湯は「こむら返り」「筋肉のけいれん」の漢方薬として超有名。
b 誤り。呉茱萸湯の重要なキーワードは「頭痛」。半夏厚朴湯茵蔯蒿湯とともに、カンゾウを含まない漢方薬として良く問われる。
c 誤り。これは「冷え・しもやけの漢方」として有名な当帰四逆加呉茱萸生姜湯の内容。疎経活血湯のキーワードは「しびれがあるものの関節痛、神経痛、腰痛」
d 正しい。薏苡仁湯に関する内容。但し、現在一般用医薬品として存在しているかは不明。
 
正答・・・2

問65
眠気を促す薬とその配合成分等に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、睡眠改善薬として一時的な睡眠障害の緩和に用いられるだけではなく、慢性的に不眠症状がある人や、医療機関において不眠症の診断を受けている人も対象としている。

b 小児及び若年者では、ジフェンヒドラミン塩酸塩により眠気とは反対の神経過敏や中枢興奮などが現れることがある。

c ブロモバレリル尿素を含有する催眠鎮静薬は、胎児に障害を引き起こす可能性がないため、妊婦の睡眠障害の緩和に適している。

d 桂枝加竜骨牡蛎湯は、体力中等度以下で疲れやすく、興奮しやすいものの神経質、不眠症、小児夜なき、夜尿症、眼精疲労、神経症に適すとされる。

  a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 正 正 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 誤

眠気を促す薬に関する問題。
桂枝加竜骨牡蛎湯の知識が判断の分かれ目。

a 誤り。「慢性的に」とあれば、通常OTCの対象外。容易に判断できるように。なお、市販の睡眠改善薬に使用される抗ヒスタミン薬はジフェンヒドラミン塩酸塩であり、「ドリエル」が代表品である。
b 正しい。ジフェンヒドラミン塩酸塩に関して、この内容は良く出題されている。
c 誤り。ブロモバレリル尿素は、妊婦又は妊娠していると思われる女性は使用を避ける。
d 正しい。かなり学習していないと判断が難しい。
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正答・・・1

問66
鎮暈薬(乗物酔い防止薬)及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 乗物酔い防止薬には、主として吐きけを抑えることを目的とした成分も配合されているため、つわりに伴う吐きけへの対処として使用することも推奨されている。

b 乗物酔いの発現には不安や緊張などの心理的な要因による影響も大きく、それらを和らげることを目的として、アリルイソプロピルアセチル尿素のような鎮静成分が配合されている場合がある。

c 胃粘膜への麻酔作用によって嘔吐刺激を和らげ、乗物酔いに伴う吐きけを抑えることを目的として、アミノ安息香酸エチルのような局所麻酔成分が配合されている場合がある。

d スコポラミン臭化水素酸塩は、乗物酔い防止に古くから用いられている抗ヒスタミン成分である。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 正 誤

乗物酔い防止薬に関する問題。
これは頻出知識ばかりで簡単な問題。

a 誤り。これは常識的におかしいと気付いたでしょう。
b 正しい。アリルイソプロピルアセチル尿素は代表的な鎮静成分。頭痛薬と一緒に配合されることでも良く知られる。

c 正しい。アミノ安息香酸エチルは局所麻酔成分。局所麻酔作用で胃粘膜の知覚を麻痺させ、反射性嘔吐を予防します。「アネロンニスキャップ」等に配合されている。
今回問われていないが、6歳未満の小児には使用を避ける(メトヘモグロビン血症を起こすおそれがあるため)点も合わせて憶えておきたい。
d 誤り。スコポラミン臭化水素酸塩抗コリン成分(抗ヒスタミン成分ではない!)。乗り物酔い防止薬には頻用されている成分です。

正答・・・4

問67
鎮咳去痰薬の配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a メトキシフェナミン塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。

b ノスカピン塩酸塩は、気管支の平滑筋に直接作用して弛緩させ、気管支を拡張させることにより、咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。

c ジメモルファンリン酸塩は、延髄の咳嗽中枢に作用して咳を抑える。

d グアイフェネシンは、痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させることにより、痰の切れを良くする。

1(a、c) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

鎮咳去痰薬に関する問題。
広い知識が求められ、やや難。ノスカピン塩酸塩は頻出なのですぐに判断できるように。

a 正しい。メトキシフェナミン塩酸塩はアドレナリン作動性の気管支拡張成分。市販薬ではマイナーな成分ですが、当地区では昨年に引き続き登場しました。
b 誤り。ノスカピン塩酸塩は非麻薬性鎮咳成分。延髄の咳嗽中枢に作用し咳反射を抑え、鎮咳作用を示す。
c 正しい。ジメモルファンリン酸塩も非麻薬性鎮咳成分。延髄の咳嗽中枢に作用し咳反射を抑え、鎮咳作用を示す。あまり市販薬では使用されていないが、医療用では「アストミン」として知られる。
d 誤り。グアイフェネシンは去痰成分で気道粘膜からの分泌を促進するタイプ。痰の中の粘性タンパク質を溶解・低分子化して粘性を減少させるタイプの代表例は、メチルシステイン塩酸塩カルボシステインなど。
 
正答・・・1

問68
咳止めや痰を出しやすくする目的で用いられる漢方処方製剤に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 五虎湯は、体力中等度以上で、咳が強くでるものの咳、気管支喘息、気管支炎、小児喘息、感冒、痔の痛みに用いられ、構成生薬としてカンゾウとマオウを含む。

b 柴朴湯は、体力中等度で、気分がふさいで、咽喉、食道部に異物感があり、かぜをひきやすく、ときに動悸、めまい、嘔気などを伴うものの小児喘息、気管支喘息、気管支炎、咳、不安神経症に適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

c 半夏厚朴湯は、体力中等度あるいはそれ以上で、咳が出て、ときにのどが渇くものの咳、小児喘息、気管支喘息、気管支炎、感冒、痔の痛みに適すとされ、構成生薬としてカンゾウを含む。

d 神秘湯は、体力中等度あるいはそれ以上で、咳、喘鳴、息苦しさがあり、痰が少ないものの小児喘息、気管支喘息、気管支炎に用いられ、構成生薬としてカンゾウとマオウを含む。

  a b c d
1 誤 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 正 誤

咳や痰の症状を和らげる薬に関する問題。
あまり出題頻度の高くない柴朴湯の知識が判断の分かれ目。

a 正しい。五虎湯は「咳が強くでるものの咳」がキーワード。まず販売することはないが「痔の痛み」も特徴的。構成生薬としてはカンゾウ・マオウともに含んでいる。
五虎湯は、同様に強い咳に用いられる漢方:麻杏甘石湯(麻黄・杏仁・甘草・石膏)に、桑白皮を加えた構成になっている。

b 正しい。柴朴湯小柴胡湯半夏厚朴湯の合剤であることを知っているかがカギ。柴朴湯はかつて喘息向けの漢方薬として知られるが、キーワードとしては「小児喘息、気管支喘息、気管支炎」とともに、半夏厚朴湯にまつわる「食道部に異物感」「不安神経症」が一緒になっている。

c 誤り。これはすぐに正誤の判断ができるように。半夏厚朴湯の特徴的なキーワードである「のどのつかえ感、異物感」が無い。なお、記載内容は麻杏甘石湯に関する内容である。

d 正しい。神秘湯も咳の漢方として知られるが、カンゾウとマオウを含む。他に柴胡、蘇葉(シソの葉)といった特徴的な生薬が含まれている。
 
正答・・・2

問69
喉の痛み等を鎮めることを目的とし、咳や痰に対する効果を標榜しない漢方処方製剤に関する次の記述について、正しいものはどれか。

体力中等度以上で、熱感と口渇が強いものの喉の渇き、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。また、比較的長期間(1ヶ月位)服用されることがある。

1 駆風解毒散
2 響声破笛丸
3 桔梗湯
4 白虎加人参湯
5 六君子湯

 手引きにも、確かに「喉の痛み等を鎮めることを目的とし、咳や痰に対する効果を標榜しない漢方処方製剤」として
駆風解毒散、駆風解毒湯、 響声破笛丸、桔梗湯、白虎加人参湯が記載されている。しかし、桔梗湯以外は馴染みの少ない漢方薬で、かなり難易度は高い。
  
1 誤り。駆風解毒散・駆風解毒湯はのどの腫れや扁桃炎、扁桃周囲炎に用いられる漢方。散剤の他、トローチ剤や、うがいしながら飲めるドリンクタイプもある。
2 誤り。響声破笛丸(きょうせいはてきがん)は、しわがれ声やのどの不快感を和らげる効果が期待され、カラオケやスポーツ等で大きな声を出し過ぎて、声帯を酷使し過ぎてしまった時などに効果的とされている。
3 誤り。感冒での喉の痛みの漢方としては、とにかく桔梗湯が有名。他が良くわからず選んでしまった方も多いかもしれない。
4 正しい。白虎加人参湯は、 はっきり言って「喉の痛み」を和らげる目的で使うことは稀。中医学における「熱証」(体の中に余分な熱がこもった状態)に対する漢方薬として知られ、主に体のほてりや、赤ら顔・皮膚の痒みなどに用いられる漢方薬として知られる。
5 誤り。六君子湯は胃の漢方薬として知られる。胃下垂がキーワード。

正答・・・4
   

問70
次の表は、ある一般用医薬品の胃腸薬に含まれている有効成分の一覧である。

1日量 12錠中 成人(15才以上)
銅クロロフィリンカリウム 120mg
無水リン酸水素カルシウム 1020mg
沈降炭酸カルシウム 1020mg
水酸化マグネシウム 960mg
ロートエキス 30mg

この胃腸薬に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 腎臓病の診断を受けた人は、この胃腸薬を使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談をするべきである。

b この胃腸薬は、炭水化物、脂質、タンパク質等の分解に働く酵素を補う等により、胃や腸の内容物の消化を助けることを主な目的としている。

c この胃腸薬と、胃腸鎮痛鎮痙薬との併用は避ける必要がある。

d この胃腸薬は、授乳中の人は使用しないか、使用する場合は授乳を避ける必要がある。

  a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 誤 正 誤
3 正 正 誤 誤
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 正

胃腸薬に関する問題。
この中で頻出成分ロートエキスの基本的知識があれば容易に判断できる。

a 正しい。
b 誤り。リパーゼ、タカジアスターゼ等の消化酵素は含まれていない。
c 正しい。ロートエキスは代表的な胃腸鎮痛鎮痙薬の成分であり、当然重複の恐れがある。
d 正しい。ロートエキスについては、吸収された成分の一部が母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)おそれや、母乳が出にくくなる恐れがあるため。
 
正答・・・1