判断に迷う問題が多く並んでいる。特に問80(内服痔疾用薬)

問71
胃の薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a メチルメチオニンスルホニウムクロライドは、消化管内容物中に発生した気泡の分離を目的として配合されている。

b ソファルコンは、アルミニウムを含む成分であるため、透析を受けている人では使用を避ける必要がある。

c メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは、胃酸の中和作用のほか、胃粘膜にゼラチン状の皮膜を形成して保護する作用もあるとされる。

d 制酸薬は、胃内容物の刺激によって促進される胃液分泌から胃粘膜を保護することを目的として、食後に服用することとなっているものが多い。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

胃薬に関する問題。a,dはすぐに判断できるように。b,cは細かい知識が問われ難しい。

a 誤り。これは消泡成分ジメチルポリシロキサン(別名ジメチコン)に関する内容。メチルメチオニンスルホニウムクロライドは胃粘膜保護・修復成分で、「キャベジン」の成分として知られる。

b 誤り。アルミニウムを含む成分は透析患者では使用を避ける。胃炎膜保護・修復成分ではアルジオキサスクラルファートを押さえておく。ソファルコンも胃粘膜保護・修復成分だがマイナー成分。医療用では「ソロン」として知られ、OTCでは「アバロンS」(大正)に配合されている。
c 正しい。メタケイ酸アルミン酸マグネシウムは制酸成分。今回細かい知識が問われいているが、手引きに書かれている内容である。なお、総合胃腸薬には結構配合されている成分。〇〇アルミン酸〇〇という名称からわかる通り、構造式にアルミニウムを含んでおり、これも透析患者では使用を避ける。(アルミニウム脳症、アルミニウム骨症の恐れ)
d 誤り。×「食後」→〇「食前又は食間」
 
正答・・・3

問72
腸の薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a タンニン酸アルブミンに含まれるタンニンは、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分であるため、牛乳にアレルギーがある人では使用を避ける必要がある。

b ヒマシ油は、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられており、比較的瀉下作用が穏やかなため、主に乳幼児の便秘に用いられる。

c トリメブチンマレイン酸塩は、まれに重篤な副作用として肝機能障害を生じることがあるので、肝臓病の診断を受けた人では、使用する前に治療を行っている医師や処方薬の調剤を行った薬剤師に相談がなされるべきである。

d タンニン酸ベルベリンは、タンニン酸(収斂作用)とベルベリン(抗菌作用)の化合物であり、消化管内ではタンニン酸とベルベリンに分かれて、それぞれ止瀉に働くことを期待して用いられる。

  a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 正 正

腸の薬に関する問題。
タンニン酸アルブミン(止瀉薬)、タンニン酸ベルべリン(腸内殺菌成分)の深い知識が求められている。
 戸惑った受験生も多かったはず。

a 誤り。タンニン→アルブミンなら正しい内容である。なお、カゼインは添加物成分としても登場する。
b 誤り。乳幼児の便秘に用いられるのはマルツエキスヒマシ油は小腸刺激性の瀉下成分であることは正しい。
c 正しい。トリメブチンマレイン酸塩は消化管の運動を調整する作用がある成分。
d 正しい。

正答・・・5


 問73
胃腸鎮痛鎮痙薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すほか、胃液分泌を抑える作用もある。

b オキセサゼインは、妊娠中や小児における安全性が確立されていないため、妊婦又は妊娠していると思われる女性、15歳未満の小児では、使用を避けることとされている。

c ブチルスコポラミン臭化物は、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)が生じることが知られている。

d 下痢に伴う腹痛については、胃腸鎮痛鎮痙薬を使用することが適当である。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、c) 5(c、d)

胃腸鎮痛鎮痙薬に関する問題。

a 誤り。パパベリン塩酸塩は消化管の平滑筋に直接働き胃腸の痙攣を鎮める作用はあるが、抗コリン成分とは異なり胃酸分泌を抑える作用はない
b 正しい。オキセサゼインは局所麻酔作用のほか、胃液分泌を抑える作用もあるとされている。OTCでは「サクロンQ」ぐらい。妊婦又は妊娠していると思われる女性、15歳未満の小児では使用を避けることになっている。

 c 正しい。ブチルスコポラミン臭化物は胃腸鎮痛鎮痙薬に配合される抗コリン成分の代表格。「ブスコパン」の商品名で知られる。
d 誤り。基本的に下痢への対処が優先される。
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正答・・・4


問74
浣腸薬及びその配合成分に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a グリセリンが配合された浣腸薬が、肛門や直腸の粘膜に損傷があり出血しているときに使用されると、グリセリンが傷口から血管内に入って、赤血球の破壊(溶血)を引き起こすことがある。

b 坐剤で使用される炭酸水素ナトリウムは、直腸内で徐々に分解して炭酸ガスの微細な気泡を発生することで直腸を刺激する作用を期待して用いられる。

c 坐剤で使用されるビサコジルは、浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す効果を期待して用いられる。

d 浣腸薬は一般に、流産・早産を誘発する危険性はないため、妊婦又は妊娠していると思われる女性に積極的に使用する。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

浣腸薬に関する問題。
これは基本的知識ばかりなので落とさないように。

a 正しい。グリセリンは、いわゆる浣腸に使用される成分。「イチジク浣腸」もグリセリンが使用されている。
b 正しい。炭酸水素ナトリウムを配合した製品としては「レシカルボン坐剤」が良く知られている。
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c 誤り。ビサコジルは大腸刺激性瀉下成分に分類される。特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すとされる。浸透圧の差によって腸管壁から水分を取り込んで直腸粘膜を刺激し、排便を促す成分としては酸化マグネシウムが有名。なお、有名な便秘用内服薬の「コーラック」はビサコジルが主成分だが、坐剤タイプの「コーラック坐薬タイプ」は炭酸水素ナトリウムが配合されているので注意。

d 誤り。これはすぐに誤りと判断できたでしょう。浣腸薬は流産・早産を誘発するおそれがある。
 
正答・・・1

問75
駆虫薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a サントニンは、そのほとんどが肝臓で代謝されずに腎臓で排泄されるため、腎臓病の診断を受けた人では、腎障害を悪化させるおそれがある。

b 駆虫薬は、一度に多く服用しても駆虫効果が高まることはなく、かえって副作用が現れやすくなるため、定められた1日の服用回数や服用期間を守って適正に使用されることが重要である。

c カイニン酸は、回虫に痙攣を起こさせる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられ、カイニン酸を含む生薬成分として、マクリ(フジマツモ科のマクリの全藻を基原とする生薬)が配合されている。

d パモ酸ピルビニウムは、回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤

現在殆ど販売機会のない駆虫薬に関する問題。
この分野の問題は難問になりやすいが、b,d(パモ酸ピルビニウム)が判断できれば正答できる。
サントニンカイニン酸に関しては直前期であれば深追いしない。
 
a 誤り。消化管で吸収されたサントニンは主に肝臓で代謝されるため、肝臓病の診断を受けた人では、肝障害を悪化させるおそれがある。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。記述の内容はサントニンに関するもの。パモ酸ピルビニウムは現在でもOTCとして販売されている駆虫薬(商品名:パモキサン)で、蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。
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正答・・・3


問76
強心薬の配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a センソは、ヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬で、微量で強い強心作用を示し、一般用医薬品では、1日用量が5mg以下となるよう用法・用量が定められている。

b ゴオウは、ウシ科のサイカレイヨウ等の角を基原とする生薬で、強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされる。

c ジャコウは、シカ科のジャコウジカの雌の麝香腺分泌物を基原とする生薬で、強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下、興奮を鎮める等の作用があるとされる。

d ロクジョウは、シカ科のマンシュウアカジカ又はマンシュウジカの雄のまだ角化していない、若しくは、わずかに角化した幼角を基原とする生薬で、強心作用のほか、強壮、血行促進等の作用があるとされる。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 誤
3 正 誤 誤 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤

強心薬の生薬成分に関する問題。具体的な製品として「救心」や「六神丸」に配合されている成分である。
  
a 正しい。センソ(蟾酥)はヒキガエル科のシナヒキガエル等の毒腺の分泌物を集めたものを基原とする生薬。微量で強い強心作用を示し、一般用医薬品での「1日用量5mg 以下」については数字も押さえておく。
b 誤り。ゴオウ(牛黄)はウシ科のウシの胆嚢や胆管中に生じた結石を基原とする生薬で高貴薬として知られる。強心作用のほか、末梢血管の拡張による血圧降下作用、興奮を静める等の作用があるとされる。
c 誤り。ジャコウ(麝香)に関して、かなり細かい知識が求められている。シカ科のジャコウジカのの麝香腺分泌物を基原とする生薬である。強心作用のほか、呼吸中枢を刺激して呼吸機能を高めたり、意識をはっきりさせる等の作用があるとされている。
d 正しい。ロクジョウ(鹿茸)に関する内容である。
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正答・・・3


 問77
コレステロールに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a コレステロールは細胞の構成成分で、胆汁酸や副腎皮質ホルモン等の生理活性物質の産生に重要な物質である。

b 低密度リポタンパク質(LDL)は、末梢組織のコレステロールを取り込んで肝臓へと運ぶリポタンパク質である。

c 血漿中のリポタンパク質のバランスの乱れは、生活習慣病を生じる以前の段階から動悸等の自覚症状を伴うことが多い。

d コレステロールは水に溶けにくい物質で、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 誤 正 誤
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 正

コレステロールに関する基本的知識。これはほぼサービス問題。

a 正しい。
b 誤り。これは高密度リポタンパク質(HDL、いわゆる善玉)に関する内容。低密度リポタンパク質(LDL、いわゆる悪玉)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質である。
c 誤り。
d 正しい。

正答・・・5


問78
高コレステロール改善薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 大豆油不鹸化物(ソイステロール)は、肝臓におけるコレステロールの代謝を促す効果を期待して用いられる。

b パンテチンは、低密度リポタンパク質(LDL)等の異化排泄を促進し、リポタンパクリパーゼ活性を高めて、高密度リポタンパク質(HDL)産生を高める作用があるとされる。

c ビタミンB2は、コレステロールから過酸化脂質の生成を抑えるほか、末梢血管における血行を促進する作用があるとされ、血中コレステロール異常に伴う末梢血行障害(手足の冷え、痺れ)の緩和等を目的として用いられる。

d 高コレステロール改善薬は、ウエスト周囲径(腹囲)を減少させるなどの痩身効果を目的とする医薬品である。

  a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 誤 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 正 誤 誤

高コレステロール改善薬に関する問題。

a 誤り。大豆油不鹸化物(ソイステロール)は高コレステロール改善成分で、腸管におけるコレステロールの吸収を抑える働きがあるとされる。
b 正しい。
c 誤り。これはビタミンE(トコフェロール酢酸エステル)に関する内容。ビタミンB2はコレステロールの生合成抑制と排泄・異化促進作用、中性脂肪抑制作用、過酸化脂質分解作用があると言われている。
d 誤り。

正答・・・5


 問79
循環器用薬及びその配合成分に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a ヘプロニカートは、ニコチン酸を遊離し、そのニコチン酸の働きによって末梢の血液循環を改善する作用を示すとされる。

b ルチンは、ビタミン様物質の一種で、高血圧等における毛細血管の補強、強化の効果を期待して用いられる。

c 三黄瀉心湯は、体力中等度以下で、顔色が悪くて疲れやすく、胃腸障害のないものの高血圧に伴う随伴症状(のぼせ、肩こり、耳鳴り、頭重)に適すとされ、構成生薬としてダイオウは含まない。

d 七物降下湯は、体力中等度以上で、のぼせ気味で顔面紅潮し、精神不安、みぞおちのつかえ、便秘傾向などのあるものの高血圧の随伴症状(のぼせ、肩こり、耳なり、頭重、不眠、不安)、鼻血、痔出血、便秘、更年期障害、血の道症に適すとされる。

  a b c d
1 誤 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 正 正 正 誤
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 誤 誤

循環器用薬に関する問題。この分野ではユビデカレノン(コエンザイムQ10)が頻出だが、今回は出題されず難易度が高くなっている。
  
a 正しい。
b 正しい。ルチンは割りと出題されている。
c 誤り。これは七物降下湯に関する内容。七物降下湯はOTCでも数社から販売されている。
d 誤り。これは三黄瀉心湯に関する内容。三黄瀉心湯のOTCは大杉製薬の「サン・コーミョウ」がある。

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正答・・・5


 問80
内用痔疾用薬の配合成分に関する次の記述について、正しいものの組合せはどれか。

a セイヨウトチノミは、トチノキ科のセイヨウトチノキ(マロニエ)の種子を用いた生薬で、主に抗炎症作用を期待して用いられる。

b カイカは、シソ科のコガネバナの周皮を除いた根を基原とする生薬で、抗炎症作用を期待して用いられる。

c カルバゾクロムは、毛細血管を補強、強化して出血を抑える働きがあるとされ、止血効果を期待して配合されている場合がある。

d トコフェロール酢酸エステルは、血管を収縮する働きがあるとされ、止血効果を期待して用いられる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

内用痔疾用薬に関する問題。今まであまり出題されていない分野で戸惑った受験生も多かったはず。
かなりマイナーな知識まで問われいて難問である。

a 正しい。セイヨウトチノミ(セイヨウトチノキ種子)は、内服ボラギノールEPに配合されており、抗炎症作用があると言われている。
b 誤り。これはオウゴンに関する内容。カイカはマメ科のエンジュの蕾を基原とする生薬で、止血作用が期待される。
c 正しい。カルバゾクロムは止血成分。一般薬では殆ど見かけないが、医療用では「アドナ」の販売名で知られる。
d 誤り。トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE)は、肛門周囲の末梢血管の血行を促し鬱血を改善する効果を期待して用いられる。

正答・・・2