問31(鎮咳去痰薬)・問37(駆虫薬)・問34(健胃薬)・問39(貧血薬)はしっかり学習を。

問 31
鎮咳去痰薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a トリメトキノール塩酸塩は、交感神経系を刺激して気管支を拡張させる作用を示し、呼吸を楽にして咳や喘息の症状を鎮めることを目的として用いられる。

b 鎮咳成分であるノスカピンは、延髄の咳嗽中枢に作用する。

c グアイフェネシンは、気道の炎症を和らげる抗炎症成分である。

d カンゾウは、大量に摂取すると、偽アルドステロン症を起こすおそれがあるため、注意が必要である。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正

鎮咳去痰薬に関する問題。

1 正しい。 トリメトキノールはアドレナリン作動成分で正しい。但し、医療用・OTC共にマイナー。
2 正しい。 ノスカピンは延髄の咳嗽中枢に作用し、かつ、非麻薬性鎮咳成分であることも抑え、リン酸コデインと対比させて憶えたい。現在医療用では使用されていない?ようだが、OTCでは総合感冒薬として結構存在する。
3  誤り。グアイフェネシンは気道粘膜からの分泌を促進する作用(去痰薬)。抗炎症薬ではない。
4 正しい。「カンゾウ(グリチルリチン酸)長期連用による偽アルドステロン症」は頻出
頻出の、カンゾウ・ノスカピン以外もわからないと正答できないので難問の部類でしょう。
 
正答・・・2

問 32
含嗽薬に配合される成分の相互作用又は副作用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a クロルヘキシジングルコン酸塩が配合された含嗽薬については、口腔内に傷やひどいただれのある人では、強い刺激を生じるおそれがあるため、使用を避ける必要がある。

b ヨウ素系殺菌消毒成分が配合された含嗽薬は、口腔粘膜の荒れ、しみる、灼熱感、悪心(吐きけ)、不快感の副作用が現れることがある。

c リゾチーム塩酸塩が配合された含嗽薬は、鶏卵アレルギーの既往歴がある人が使用しても問
題ない。

d ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると殺菌作用が増強される。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)

含嗽薬に配合される成分に関する問題。
a 正しい。 なお、クロルヘキシジングルコン酸塩は、含嗽薬ではなく消毒液として良く知られる(ヒビテン液、ヘキザック水等)。市販品としては「ビビスコール」ブランドが有名。公共施設内の手指消毒用として見かけることもある。

公共施設に設置されていたヒビスコールSH


b 正しい。
c 誤り。リゾチーム塩酸塩‐鶏卵アレルギーは頻出 但し、リゾチームを含有する含漱薬の存在は不明。
d 誤り。「ヨウ素は、レモン汁やお茶などに含まれるビタミンC等の成分と反応すると脱色を生じて殺菌作用が失われる」(手引きより)

正答・・・1

問 33
胃腸に作用する薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 制酸薬は、胃液の分泌低下に伴う腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする。

b 制酸作用成分と健胃作用成分は、同時に配合されることもある。

c 細菌性の下痢や食中毒のときには、収斂成分を主体とする止瀉薬を使用すべきである。

d 刺激性瀉下成分を主体とする瀉下薬は、大量に使用することは避けることとされている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

胃腸薬に関する問題。大まかな知識があれば正答できる。

a 誤り。  制酸薬は、胃液の分泌亢進による胃酸過多や、それに伴う胸やけ、腹部の不快感、吐きけ等の症状を緩和することを目的とする。
b 正しい。総合胃腸薬の存在を知っていれば明らか。
c 誤り。 収斂成分を主体とする止瀉薬については、細菌性の下痢や食中毒のときに使用して腸の運動を鎮めると、かえって状態を悪化させるおそれがある。
d 正しい。常識的に考えれば良い。

正答・・・3

問 34
健胃薬に配合される生薬成分に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a オウレン末は、苦味による健胃作用を期待して用いられるほか、止瀉薬としても用いられる。

b ケイヒは、クスノキ科のシンナモムム・カッシアの樹皮又は周皮の一部を除いたものを基原とする生薬で、香りによる健胃作用を期待して用いられる。

c センブリは、リンドウ科のセンブリの開花期の全草を基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられる。

d リュウタンは、クマ科のヒグマその他近縁動物の胆汁を乾燥したものを基原とする生薬で、苦味による健胃作用を期待して用いられるほか、消化補助成分として配合される場合もある。

    a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

十分な生薬知識が求められる難問だが、どれも重要な生薬で実務にも役立つため、復習する価値はあります。

a 正しい。 オウバクやオウレンは、苦味による健胃作用を期待して用いられる。有名なOTC健胃薬「御嶽百草丸」はオウバクが主成分で、根強い人気を持つ。
また、オウバク末(オウバクを粉末にしたもの)、オウレン末は、止瀉薬としても用いられる。
b 正しい。「ケイヒ(桂皮)」は、八つ橋や、カプチーノで使われるシナモンと同等と考えよい。
甘辛い独特な香りで健胃作用(桂枝加芍薬湯等)も期待されるが、漢方薬としては、「発汗作用」や「体を温める作用」により感冒薬(麻黄湯桂枝湯葛根湯等)に多用されている。
c 正しい。センブリは、その苦味が健胃作用を示すと言われている。名前の由来は「千回ぶり返して苦い」らしい。OTCでは「御嶽百草丸」にも含まれている。発毛作用も期待され「センブリエキス」が含まれている育毛剤も多数存在するが、効果は不明。
d 誤り。リュウタンではなく、「ユウタン(熊胆)」に関する説明である。元々は熊の胆嚢を乾燥させたものから得られていたが、その主成分はウルソデオキシコール酸である。現在は化学合成も可能(医療用でも広く使用されている)
なお、、リュウタン(リンドウ科のトウリンドウ等の根及び根茎を基原とする生薬)は、苦味による健胃作用を期待して用いられる生薬。

正答・・・4

問 35
腸の薬に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a タンニン酸アルブミンは、まれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)を生じることがある。

b ロペラミド塩酸塩は、中枢神経系を抑制する作用もあり、副作用としてめまいや眠気が現れることがあるため、乗物又は機械類の運転操作を避ける必要がある。

c ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)は、大腸のうち特に結腸や直腸の粘膜を刺激して、排便を促すと考えられている。

d ヒマシ油は、弱い瀉下作用を示すため、妊婦又は妊娠していると思われる女性に使用しても問題ない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

a 正しい。 タンニン酸アルブミンは止瀉薬として頻出。医療用では、昔から現在でも使われている(タンナルビン)。アナフィラキシーの知識の他に、牛乳に含まれるタンパク質(カゼイン)から精製された成分である為、実地では牛乳アレルギーがある人では使用を避ける点も重要

b 正しい。ロペラミド塩酸塩も止瀉薬として頻出。食あたり等、感染性胃腸炎が疑われるときはは使用をさける。また、15歳未満の小児には適用がないので注意。代表OTC商品は「トメダイン」等。

c 誤り。「ジオクチルソジウムスルホサクシネート(DSS)は、腸内容物に水分が浸透しやすくする作用があり、糞便中の水分量を増して柔らかくすることによる瀉下作用を期待して用いられる。」(手引きより) 含有市販薬に「コーラックⅡ」がある。
d 誤り。 ヒマシ油は頻出だが、常識的に考えて×
ヒマシ油は、ヒマシ(トウダイグサ科のトウゴマの種子)を圧搾して得られた油を用いた生薬で、小腸でリパーゼの働きによって生じる分解物が、小腸を刺激することで瀉下作用をもたらすと考えられている。妊婦又は妊娠していると思われる女性、3歳未満の乳幼児では使用を避けることとされている。

正答・・・1

問 36
胃腸鎮痛鎮痙薬に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 オキセサゼインは、鎮痛鎮痙作用はあるが、胃液分泌を抑える作用はない。

2 エンゴサクは、鎮痛鎮痙作用を期待して配合されることはない。

3 パパベリン塩酸塩は、消化管の平滑筋に直接働いて胃腸の痙攣を鎮める作用を示すが、胃液分泌を抑える作用は見出されない。

4 ロートエキスは、吸収された成分の一部が母乳中に移行することはない。

胃腸鎮痙鎮痛薬に関する問題。

1 誤り。 オキセサゼインは消化管への局所麻酔効果あり、胃液分泌を抑える作用もあるとされ、胃腸鎮痛鎮痙薬と制酸薬の両方の目的で使用される。市販薬では「サクロンQ」が知られている。
2 誤り。胃腸鎮痛鎮痙薬として用いられる生薬にエンゴサク(延胡索)やシャクヤク(芍薬)がある。エンゴサクを含有する代表例は安中散。大正漢方胃腸薬にも含まれる。
3 正しい。パパベリン塩酸塩に関して、特に「胃液分泌を抑える作用は見出されない」という表現は良く問われている。
4 誤り。胃腸鎮痛鎮痙薬のロートエキスは頻出。抗コリン作用を持つアルカロイド。医療用での使用機会は少なくなっているが、OTC医薬品では良く使われている。母乳中に移行して乳児の脈が速くなる(頻脈)恐れについても良く問われている。

正答・・・3

問 37
駆虫薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 駆虫薬は、腸管内に生息する虫体にのみ作用し、虫卵や腸管内以外に潜伏した幼虫(回虫の場合)には駆虫作用が及ばない。

b リン酸ピペラジンは、 蟯(ぎょう)虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示す。

c 複数の駆虫薬を併用しても駆虫効果が高まることはなく、副作用が現れやすくなり、また、組み合わせによってはかえって駆虫作用が減弱することもある。

d パモ酸ピルビニウムは、回虫の自発運動を抑える作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。

    a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤

一般用医薬品の駆虫薬が対象とする寄生虫は、回虫と蟯虫(ぎょう虫)である。
学習する意欲が湧きにくい分野だが、1題は出題されているので頻出知識は押さえたい。
時間が無ければ、成分としてはパモ酸ピルビニウムは優先的に憶えて。

a 正しい。
b 誤り。ピペラジンリン酸塩は、アセチルコリン伝達を妨げて、回虫及び蟯虫の運動筋を麻痺させる作用を示し、虫体を排便とともに排出させることを目的として用いられる。「マクニンP」という商品があったが現在も販売しているか不明。
c 正しい。
d 誤り。パモ酸ピルビニウムは現在でも販売されている蟯虫駆除薬「パモキサン錠」(佐藤製薬)の成分。 蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。(回虫は対象ではない)

正答・・・4

問 38
コレステロールに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

コレステロールは水に( a )物質であるため、血液中では血 漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。リポタンパク質は比重によっていくつかの種類に分類されるが、そのうち低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを( b )から( c )へと運ぶリポタンパク質である。

    a                  b          c
1 溶けやすい  末梢組織   腎臓
2 溶けやすい  肝臓     末梢組織
3 溶けにくい  末梢組織   肝臓
4 溶けにくい  肝臓     末梢組織
5 溶けにくい  末梢組織   腎臓

健康番組程度の知識で十分回答が可能
コステロールは水に溶けにくい物質であるため、血液中では血漿タンパク質と結合したリポタンパク質となって存在する。
低密度リポタンパク質(LDL)は、コレステロールを肝臓から末梢組織へと運ぶリポタンパク質で、いわゆる「悪玉」の方である。「善玉」はHDL。

正答・・・4

問 39
貧血用薬に配合される鉄以外の金属成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

( a )は、ヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。( b )は、赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分である。( c )は、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成成分である。

a       b      c
1 コバルト  マンガン   銅
2 コバルト  銅      マンガン
3 マンガン  コバルト   銅
4 銅     マンガン   コバルト
5 銅     コバルト   マンガン

貧血薬の問題だが、鉄以外の内容で難問である。

銅はヘモグロビンの産生過程で、鉄の代謝や輸送に重要な役割を持つ。補充した鉄分を利用してヘモグロビンが産生されるのを助ける目的で、硫酸銅が配合されている場合がある。
コバルトは赤血球ができる過程で必要不可欠なビタミンB12の構成成分であり、骨髄での造血機能を高める目的で、硫酸コバルトが配合されている場合がある。
マンガンは、糖質・脂質・タンパク質の代謝をする際に働く酵素の構成物質であり、エネルギー合成を促進する目的で、硫酸マンガンが配合されている場合がある。

正答・・・5

問 40
ユビデカレノン(コエンザイムQ10)に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける。

2 摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンDとともに働く。

3 副作用として、胃部不快感、食欲減退、吐きけ、下痢、発疹・痒みが現れることがある。

4 心臓の病気で医師の治療又は指示を受けている人では、使用する前にその適否につき、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談するべきである。

循環器用薬の分野でユビデカレノンは頻出である。
肝臓や心臓などの臓器に多く存在し、エネルギー代謝に関与する酵素の働きを助ける成分で、摂取された栄養素からエネルギーが産生される際にビタミンB群とともに働く。別名コエンザイムQ10 とも呼ばれる。
なお、ユビデカレノンについては、医薬品的な効能効果が標榜又は暗示されていなければ、食品(いわゆる健康食品)の素材として流通するこもが可能。
 
正答・・・2