H28 山形県(北海道・東北)第4章 薬事関係法規・制度(PM 問21-30)

標準レベル以上の難度。8割以上は正答したい。

問 21 医薬品医療機器等法第2条第1項に規定される医薬品の定義に関する以下の記述のうち、正しいものはどれか。なお、設問の中の「機械器具等」 とは、機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム及びこれを記録した媒体をいう。

1 人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物で、 厚生労働省の承認を受けずに「やせ薬」を標榜したものは、医薬品に該当する。

2 人の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物は、 機械器具等、医薬部外品、化粧品も医薬品に該当する。

3 医薬品は、全て日本薬局方に収められている。

4 動物の疾病の治療に使用されることが目的とされている物であって、機械器具等、医薬部外品及び再生医療等製品でないものは医薬品に該当する。

当初は4が正答として作問されたようだが、1も正しいとされた。
正直解説も作成しづらい。日本薬局方については、後日加筆します。
 
解答根拠となる医薬品医療機器等法法第2条第1項における「医薬品」の定義は以下のようになっている。
(出題の手引きより)

一 日本薬局方に収められている物

二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具、歯科材料、医療用品及び衛生用品(以下「機械器具等」という。)でないもの(医薬部外品を除く。)

三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であって、機械器具等でないもの(医薬部外品及び化粧品を除く。)」

社会通念上、普段我々が医薬品と認識してるものは(二)に該当する。非承認の「やせ薬」は(三)に該当するようです。
  
1 正しい。医薬品の定義の(三)に分類される。
2 誤り。機械器具等、医薬部外品、化粧品は医薬品に該当しない。
3 誤り。日本薬局方に収められていない医薬品もある。
4 正しい。
  
正答・・・1、4(どちらでも正答)

問 22 一般用医薬品及び要指導医薬品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品及び要指導医薬品の効能効果の表現は、一般の生活者が判断できる症状(例えば、胃痛等)で示される。

b 配置販売業者は、一般用医薬品及び要指導医薬品を販売することができる。

c 一般用医薬品又は要指導医薬品では、注射等の侵襲性の高い使用方法は用いられていない。

d 一般用医薬品及び要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、 適正使用することによって効果を期待するものである。

    a b c d
1 正 誤 正 正
2 誤 正 正 正
3 誤 誤 誤 誤
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 誤

一般用医薬品及び要指導医薬品に関する問題。これは易しい。

a 正しい。良く問われている内容。医療用医薬品の効能効果の表現は通常、診断疾患名(胃炎、胃・十二指腸潰瘍等)で記されるが、一般用医薬品及び要指導医薬品では、一般の生活者が判断できる症状(胃痛、胸やけ、むかつき、もたれ等)で書かれている。
b 誤り。配置販売業者要指導医薬品は販売できない(一般用医薬品のみ)。なお、実際行っている所は殆どないが、一般用医薬品である第一類も配置薬として販売可能である。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・1

問 23 次の記述は、毒薬と劇薬に関するものである。正しいものの組み合わせはどれか。

a 要指導医薬品に分類される医薬品は、全て毒薬又は劇薬に該当する。

b 劇薬については、それを収める直接の容器又は被包に、白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければ ならない。

c 毒薬又は劇薬を、18歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付してはならない。

d 毒薬を貯蔵、陳列する場所には、かぎを施さなければならない。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

毒薬・劇薬に関する問題。この分野は毎年必ず出題されると思って学習を。

a 誤り。手引きには「要指導医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものは一部に限られている。」と書かれている。実際には勃起改善薬の「ガラナポーン」(劇薬扱い)ぐらいしかない。一般用医薬品に関しては毒薬又は劇薬に該当するものはない。
b 正しい。
(↓ある医療用医薬品・劇薬例)

なお、毒薬は、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字が記載されている。
(↓ある医療用医薬品・毒薬例)


c 誤り。×18歳未満→〇14歳未満。毒薬又は劇薬14歳未満の者その他安全な取扱いに不安のある者に交付することは禁止されている。必ず数値を憶えておくこと。
d 正しい。毒薬の貯蔵、陳列する場合、「かぎ」が必要だが、劇薬に関しては必ずしも必要ではない。
  
正答・・・3

問 24 医薬品の容器・外箱等への記載事項に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 指定第二類医薬品は、その直接の容器又は被包に、枠の中に「2」の数字が記載されていなければならない。

b 「製造販売業者等の氏名又は名称及び住所」が記載されていなければならない。

c 医薬品の法定表示事項は、邦文又は英文で記載されていなければならない。

d 記載禁止事項として虚偽又は誤解を招くおそれのある事項が定められている。

    a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 誤 誤 正
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 正 正

医薬品の容器・外箱等への法定表示事項に関する問題。
知識不足だとbが迷うが、他がわかれば正答に導ける。
 
a 正しい。指定第二類医薬品では、枠の中に「2」の数字が記載されている。

b 正しい。
c 誤り。当然、法定表示事項は邦文で記載されていなければならない。
d 正しい。

正答・・・3

問 25 次の記述は、医薬部外品に関するものである。正しい組み合わせはどれか。

a あせも、ただれ等の防止の目的のために使用される物がある。

b 直接の容器又は直接の被包に「医薬部外品」の文字を表示することが望ましい。

c 衛生害虫類(ねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物)の防除の目的のため使用される物もある。

d 一般消費者に販売する場合には、医薬部外品販売業の許可が必要である。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

医薬部外品に関する問題。この分野は出題範囲が多岐にわたり結構厄介で、知識不足だと迷う。

医薬部外品とは、以下のような目的で使用される製品です。

①人の疾病の診断・治療・予防(作用の穏やかな胃腸薬・整腸剤、鼻づまり改善薬など)
②吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
③あせも、ただれ等の防止
④脱毛の防止、育毛又は除毛
⑤ねずみ、はえ、蚊、のみ等の防除


a 正しい。
b 誤り。「望ましい」という表現に注意。「医薬部外品」の表示が「義務付けられている」
c 正しい。
d 誤り。医薬部外品を製造販売する場合には、製造販売業の許可が必要だが、一般消費者への販売等については、医薬品のような販売業の許可は必要ない
  
正答・・・2

問 26 医薬部外品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 業として製造販売する場合は、医薬品とは異なり、製造販売業の許可は不要である。

b 脱毛の防止、育毛又は除毛を目的とするものがある。

c 鼻づまり、くしゃみ等のかぜに伴う諸症状の緩和を効能効果の範囲とするものがある。

d いびきの一時的な抑制・軽減を効能効果の範囲とするものがある。

    a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 正 正 正

これも医薬部外品に関する問題。
この問題ではc、dで迷う。

a 誤り。前問の解説通り。製造販売業の許可は必要。
b 正しい。
c 正しい。これは知らないと迷ったでしょう。、医薬部外品は、その効能効果が予めあらかじめ定められた範囲内あって、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが一部認められている。(例:いびき防止、健胃、整腸、鼻づまり改善など)
  
例えば、ヴィックスヴェポラップは「鼻づまり、くしゃみ等」の効能効果が書かれている。

d 一応正しい。しかし、現在「医薬部外品」扱いの「いびき防止薬」製品の有無は不明。以前エスエス製薬より「アンスノール」という製品が販売されていたが、すでに販売中止。現在、類似品が販売されているが「一般医療機器」扱いになっている。
  
正答・・・5

問 27 食品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 食品とは、医薬品、医薬部外品及び再生医療等製品以外のすべての飲食物をいう。

b 特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品を総称して「保健機能食品」といい、食生活を通じた健康の保持増進を目的として摂取されるものである。

c 機能性表示食品とは、事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、安全性及び機能性の根拠に関する情報などが、販売前に消費者庁長官へ届け出られたものである。

d 錠剤、丸剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤の形状については、食品である旨が明示されている場合に限り、当該形状のみをもって医薬品への該当性の判断がなされることはない。

    a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 誤 正 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 誤 正

食品に関する問題。
a,dの判断に迷うかもしれない。

a 正しい。「すべて」の表現から、初学者は「間違いでは?」と判断しがちだが、手引きの記載どおり。是非憶えておこう。
b 正しい。特定保健用食品(トクホ)栄養機能食品機能性表示食品を総称して「保健機能食品」という。試験前には必ず整理して憶えておくように。

c 正しい。
d 正しい。とってもわかりづらい文章だが、正しい内容である。
 
正答・・・1

問 28 食品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 健康増進法の規定に基づき「食品表示基準」が制定された。

b 外形上、食品として販売等されている製品であっても、その成分本質、効能効果の標榜内容等に照らして医薬品とみなされる場合には、承認を受けずに製造販売され、又は製造業の許可等を受けずに製造された医薬品として取締りの対象となる。

c 特定保健用食品には、厚生労働省の許可等のマークが付されている。

d 健康食品とよばれるものは、法令で定義されたものではない。

    a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 正 誤

食品に関する問題。
aは判断できなくてもしょうがない。良く出題されている内容b、c、dが判断できれば正答できる。
 
a 誤り。「食品」ではなく「特別用途食品」? 良くわからず。
b 正しい。
c 誤り。特定保健用食品(トクホ)のマークについて。×厚生労働省→〇消費者庁。

d 正しい。

正答・・・2

問 29 医薬品の販売又は授与に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 店舗販売業者は、薬剤師又は登録販売者に、第一類医薬品を販売又は授与させなければならない。

b 店舗販売業者は、薬剤師又は登録販売者に、第二類医薬品又は第三類医薬品を販売又は授与させなければならない。

c 店舗販売業者は、薬剤師が不在の場合には、店舗の管理者が必要と認めた場合に限って、登録販売者に要指導医薬品を販売又は授与させることができる。

d 配置販売業者は、薬剤師が配置販売に従事していない場合には、第一類医薬品を販売又は授与させることはできない。

    a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 正

医薬品の販売又は授与に関する問題。これは簡単に判断できるように。

a 誤り。第一類医薬品なので「薬剤師」が販売又は授与する。
b 正しい。
c 誤り。その店舗に薬剤師がいない場合、要指導医薬品及び第一類医薬品は販売又は授与は行えない。
d 正しい。

正答・・・3

問 30 店舗販売業の店舗管理者に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 第一類医薬品を販売又は授与する店舗において、薬剤師を店舗管理者とすることができない場合は、その店舗において医薬品の販売等に従事する登録販売者のうち、定められた実務経験を満たした者を店舗管理者とすることができる。

b 第二類医薬品又は第三類医薬品を販売又は授与する店舗においては、登録販売者を店舗管理者とすることができる。

c 店舗販売業においては、店舗管理者を補佐する薬剤師を必ず置かなければならない。

d 登録販売者が店舗管理者となるには、原則として、薬局、店舗販売業又は配置販売業において、過去5年間のうち、一般従事者として薬剤師又は登録販売者の管理指導の下、実務に従事した期間又は登録販売者として業務に従事した期間が通算して2年あることが必要である。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 正 正 誤 誤
5 誤 誤 誤 正

店舗販売業の店舗管理者に関する問題。実務経験がない受験生は、結構理解しずらいかも。
ドラックストア等に勤務している人は、是非職場でも確認してみましょう。

a 正しい。なお、「定められた実務経験」とは、最低限の知識として「要指導医薬品or第一類を販売し、薬剤師が管理している薬局・店舗で3年以上の実務経験」と理解しておきたい。(手引きにはもっと複雑に書かれている)
b 正しい。これは簡単でしょう。
c 誤り。店舗販売業で第一類、要指導医薬品を販売していない場合は、必ずしも補佐する薬剤師を必ず置く必要はない。但し、第一類、要指導医薬品を販売する店舗で、店舗管理者が登録販売者の場合は、必ず店舗管理者を補佐する薬剤師を置かなければならない。
d 正しい。「通算して2年」と憶えておく(「連続して2年」ではない!)。aの条件「3年」とも混同しないように。
 
正答・・・2

 
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