H28 愛知県(東海・北陸地区共通)第4章 薬事関連法規・制度(PM 問21-30)

問21(薬事関連法規)は難しい。

問21 次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 日本薬局方とは、厚生労働大臣が医薬品及び医療機器の性状及び品質の適正を図るため、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、保健医療上重要な医薬品及び医療機器について、必要な 規格・基準及び標準的試験法等を定めたものである。

b 検査薬や殺虫剤、器具用消毒薬のように、人の身体に直接使用されないものは、医薬品には該当しない。

c 医薬品は、厚生労働大臣により「製造業」の許可を受けた者又は「製造販売業」の許可を受けた者でなければ製造をしてはならない。

d 必要な承認を受けずに製造販売された医薬品の販売等は禁止されているが、これに違反して販売等を行った者について、懲役又は罰金が科されることはない。

    a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 誤
4 正 誤 誤 誤
5 誤 誤 誤 誤

薬事関連法規に関する問題。
これは難易度は高い。細かな知識が問われていて判断が難しい。

a 誤り。この場合の日本薬局方は「医療機器」は対象外。
(問題作成の手引きH27.4 P204に基づいた解答です。但し、広い意味では日本薬局方の中に医療機器も含まれます。(手引きP264や厚生労働省HPより))
b 誤り。 検査薬や殺虫剤、器具用消毒薬のように人の身体に直接使用されなくても医薬品に該当するものがある。

c 誤り。「製造業」と「製造販売業」の許可は別である。手引きの記載は以下のとおり
「医薬品は、厚生労働大臣により「製造業」の許可を受けた者でなければ製造をしてはならないとされており(法第13条第1項)、厚生労働大臣により「製造販売業」の許可を受けた者で なければ製造販売をしてはならないとされている。」

また、製造販売業の注釈は以下のとおり
「(製造(他に委託して製造する場合を含み、他から委託を受けて製造する場合を含まない)又は輸入した医薬品を、薬局開 設者、医薬品の販売業者等に対して販売等を行う。 」

d 誤り。懲役又は罰金が科されることがある。
 
正答・・・5

問22 医薬品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品又は要指導医薬品には、注射等の侵襲性の高い使用方法のものがある。

b 一般用医薬品及び要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものである。

c 要指導医薬品は、定められた期間を経過し、薬事・食品衛生審議会において、一般用医薬品として取り扱うことが適切であると認められたものについては、一般用医薬品に分類される。

d 効能効果の表現に関して、一般用医薬品及び要指導医薬品では、診断疾患名(例えば、胃炎、 胃・十二指腸潰瘍等)で示されている。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)

要指導医薬品、一般用医薬品に関する問題。

a 誤り。注射等の侵襲性の高い使用方法のものはない。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。お約束の誤り文。一般用医薬品及び要指導医薬品では、一般の生活者が判断できる症状(例えば、胃痛、胸やけ、むかつき、もたれ等)で示されている。

正答・・・2

問23 毒薬又は劇薬に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 毒薬及び劇薬は、単に毒性、劇性が強いものだけでなく、薬効が期待される摂取量(薬用量)と中毒のおそれがある摂取量(中毒量)が接近しており安全域が狭いため、その取扱いに注意を要するもの等が指定される。

b 一般用医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものがある。

c 毒薬については、それを収める直接の容器又は被包に、白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。

d 毒薬又は劇薬については、店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者以外の医薬品の販売業者は、開封して、販売等してはならない。

    a b c d
1 正 正 誤 誤
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 誤 正
5 正 誤 誤 誤

毒薬又は劇薬に関する問題。
dはあまり問われてこなかった内容。

a 正しい。
b 誤り。一般用医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものはない。「要指導医薬品で毒薬又は劇薬に該当するものは一部に限られている。」と手引きに記載があるが、具体的には勃起機能改善薬の「ガラナポーン」が劇薬に該当するぐらい?
c 誤り。毒薬の場合は、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字が記載される。
↓ある医療医薬品の毒薬例


劇薬については、容器等に白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載される。
↓ある医療医薬品の劇薬例



 d 誤り。「店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者」及び「営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者」も開封して販売することができる。

正答・・・5

問24 医薬品に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬品医療機器等法第50条の規定に基づく法定表示事項及び同法第52条の規定に基づく添付文書等への記載については、邦文でされていなければならない。

b 第3類医薬品に分類されている医薬品について、第1類医薬品又は第2類医薬品に分類が変更されることはない。

c 第1類医薬品のうち、「特別の注意を要するものとして厚生労働大臣が指定するもの」を「指定第1類医薬品」としている。

d 医薬品の容器等が小売りのために包装されている場合において、医薬品医療機器等法の規定に基づく容器等への記載が、外部の容器又は被包を透かして容易に見ることができないときには、外部の容器又は被包にも同様の事項が記載されていなければならない。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)

医薬品の添付文書や区分に関する問題。

a 正しい。添付文書は邦文で書かれていなければならない。
b 誤り。安全性に関する新たな知見や副作用の発生状況等を踏まえ、適宜見直しが行われることになっている。
c 誤り。これは指定第二類医薬品に関するもの。指定第一類医薬品はない。
d 正しい。

正答・・・4

問25 店舗販売業者の遵守事項等に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬品の直接の容器又は直接の被包に表示された使用の期限を超過した医薬品を、正当な理由なく、販売してはならない。

b 販売しようとする医薬品について広告するときは、医薬品の購入の履歴の情報に基づき、自動的に特定の医薬品の購入を勧誘する方法により医薬品を広告することができる。

c 濫用等のおそれのあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品を販売するときは、当該医薬品を購入しようとする者及び当該医薬品を使用しようとする者の他の薬局開設者、店舗販売業者又は配置販売業者からの当該医薬品及び当該医薬品以外の濫用等のおそれのある医薬品の購入等の状況までは確認しなくてもよい。

d 医薬品を競売に付してはならない。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)

店舗販売業者の遵守事項等に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。例えば特定販売(ネット販売)でも、リコメンド機能のような誘導広告ができないことになっている。
c 誤り。確認することが求められる。
d 正しい。医薬品の競売はしてはいけない。常識的にわかるでしょう。
 
正答・・・4

問26 医薬品医療機器等法の目的等に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 指定薬物の規制に関する措置について規定されている。

2 国民の役割として、医薬品等の有効性及び安全性に関する知識と理解を深めるよう努めなければならないと規定されている。

3 医師、歯科医師、薬剤師、獣医師その他の医薬関係者は、医薬品等の有効性及び安全性その他これらの適正な使用に関する知識と理解を深めるよう努めなければならないと規定されているため、登録販売者は、日々最新の情報の入手、自らの研鑽に努める必要がある。

4 医薬品等の製造販売を業として行う者は、医薬品等の使用による保健衛生上の危害の発生及び拡大の防止に努めなければならないと規定されているが、医薬品等の販売を業として行う者についてはこの限りでない。

医薬品医療機器等法の目的等に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。
3 正しい。
4 誤り。

正答・・・4

問27 医薬部外品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬部外品の販売については、医薬品のような販売業の許可は必要なく、一般小売店において販売することができる。

b 医薬部外品には、あせも、ただれ等の防止のために使用されるものがある。

c 医薬部外品の直接の容器又は直接の被包には、「医薬部外品」の文字の表示は必要ない。

d 医薬部外品は、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であっても、医薬品的な効能効果を表示・標榜 ぼう することは一切認められていない。

    a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

医薬部外品に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「医薬部外品」の文字の表示が義務付けられている。
d 誤り。医薬部外品は、限られた範囲内で、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められている。なお、化粧品は医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない。
 
正答・・・3

問28 薬局に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 薬局では、医薬品の調剤と併せて、店舗により医薬品の販売を行うことが認められている。

b 薬局開設者は、その薬局の管理者の意見を尊重しなければならない。

c 医薬品の販売業の許可を受けたものであれば、薬局の名称を付すことができる。

d 薬局において薬剤師を管理者とすることができない場合には、その薬局において医薬品の販売又は授与に関する業務に従事する登録販売者を管理者にすることができる。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

薬局に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。「薬局」の許可を受けなければ、「薬局」の名称を使用することはできない。販売業では使えない。(但し、病院又は診療所の調剤所は、例外規定として認められている)
d 誤り。「薬局」の管理者は、薬剤師でなければならない。
 
正答・・・1

問29 医薬品の販売に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 医薬品の販売業の許可は、6年ごとに、その更新を受けなければ、許可の期間の経過によって、その効力を失う。

2 医薬品の販売業の許可は、店舗販売業の許可、配置販売業の許可又は卸売販売業の許可の3種類に分けられており、このうち、一般の生活者に対して医薬品を販売等することができるのは、店舗販売業及び配置販売業の許可を受けた者だけである。

3 医薬品の販売業では、医薬品をあらかじめ小分けし、販売することができる。

4 薬局開設者又は店舗販売業者は店舗による販売又は授与以外の方法により、医薬品を販売し、授与し、又はその販売若しくは授与の目的で医薬品を貯蔵し、若しくは陳列してはならない。

医薬品の販売に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。医薬品の販売業の許可は、店舗販売業・配置販売業・卸売販売業の3つであり、6年ごとの許可制であることも押さえておく。なお、卸売販売業は一般の生活者に直接販売することができない。
3 誤り。店舗販売業・卸売販売業で、求めに応じては分割販売は可能だが、「あらかじめ小分け」して販売することはできない。
4 正しい
 
正答・・・3

問30 店舗販売業に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 薬剤師が従事していれば調剤を行うことができる。

b 店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市 又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長。)の許可を受けたときを除き、その 店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。

c 一般用医薬品のうち、第1類医薬品については、薬剤師又は登録販売者に販売又は授与させなければならない。

d 第2類医薬品又は第3類医薬品を販売し、授与する店舗において店舗管理者となる登録販売者は、薬局、店舗販売業又は配置販売業において、過去5年間のうち、薬剤師若しくは登録販売者の管理及び指導の下に登録販売者として業務に従事した期間が連続して2年あることが必要である。

    a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤

店舗販売業に関する問題。

a 誤り。薬剤師がいても、「薬局」でなければ調剤できない。
b 正しい。
c 誤り。第1類医薬品は、薬剤師が販売・授与する必要がある。
d 誤り。いやらしいひっかけ問題。「2年」とだけ憶えていると判断を誤る。×「連続して2年」→〇「通算して2年」が正しい。
 
正答・・・5
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