H28 愛知県(東海・北陸地区共通)第5章 医薬品の適正使用・安全対策(PM 問41-50)

問43、問45(添付文書)は注意。

問41 医薬品の適正使用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 治療のために処方された医薬品の使用を自己判断で控えることは適当でない。

b 小児は好奇心が強く、すぐ手を出して口の中に入れることがあるため、小児が医薬品と認識できない容器へ移し替えて保管することが望ましい。

c 局所に適用する医薬品は、患部の状態によっては症状を悪化させたり、誤った部位に使用すると有害事象を生じたりするおそれがある。

d 可燃性ガスを噴射剤としているエアゾール製品等、危険物に該当する製品における消防法に基づく注意事項については、添付文書において「使用上の注意」として記載されている。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)

医薬品の適正使用に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。容器を移し替えると、中身が良くわからず誤用の原因となったり。また、移し替えた容器の湿気や汚れで、適切な品質が保持できなくなるおそれがある。なお、保管方法については、シロップ剤以外は冷蔵庫での保管も不適であることも押さえておこう。
c 正しい。
d 誤り。×「使用上の注意」→〇「保管及び取り扱い上の注意」
 

正答・・・1

問42 一般用医薬品の副作用及びその添付文書における記載に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 重篤な副作用については、入院相当以上の健康被害につながるおそれがあるものであり、その初期段階において速やかに医師の診療を受ける必要がある。

b 一般的な副作用については、そのまま使用を継続しても、状態の悪化を招いたり、回復が遅れたりするおそれはない。

c 一般的な副作用として記載されている症状であっても、発疹や発赤などのように、重篤な副作用の初期症状である可能性があるものも含まれている。

d まず、まれに発生する重篤な副作用について発現部位別に症状が記載され、そのあとに続けて、一般的な副作用について副作用名ごとに症状が記載されている。

    a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正

 一般用医薬品の副作用及びその添付文書における記載に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。明らかに安全性の面でおかしい。
c 正しい。
d 誤り。
①まず一般的な副作用について発現部位別に症状が記載されます。(皮ふ・・かゆみなど)
②その後に、まれに発現する重篤な副作用について、副作用名ごとに症状が記載されます。(アナフィラキシー・・胸苦しさなど)
 

正答・・・3

問43 一般用医薬品の添付文書における記載事項に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 「効能又は効果」には、一般の生活者が自ら判断できる症状、用途等が示されている。なお、「適応症」として記載されている場合もある。

b 「製造販売業者の名称及び所在地」には、製造業者の名称及び所在地を記載してもよい。

c 「成分及び分量」には、年齢区分、1回用量、1日の使用回数等について一般の生活者に分かりやすく、表形式で示されるなど工夫して記載されている。

d 「病気の予防・症状の改善につながる事項」として、その医薬品の適用となる症状等に関連して、医薬品の使用のみに頼ることなく、日常生活上、どのようなことに心がけるべきかなど、 症状の予防・改善につながる事項について一般の生活者に分かりやすく記載されていることが ある。

    a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

一般用医薬品の添付文書における記載事項に関する問題。
これは判断に迷ったでしょう。
 b、cは、あまり問われていないポイント。ただしa、dの判断がつけば正答には導ける。
  
a 正しい。
b 誤り。「製造業者」ではなく、「製造販売業者」の名称及び所在地を記載するということ?
なお、販売を他社に委託している場合には、請負販社等の名称及び所在地も併せて記載されることがある。
c 誤り。×「成分及び分量」→〇「用法及び用量」 
d 正しい。いわゆる「養生訓」に関する内容。
 
正答・・・2

問44 一般用医薬品の製品表示に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 医薬品によっては添付文書の形でなく、医薬品医療機器等法第52条の規定に基づく「用法、用量その他使用及び取扱い上必要な注意」等の記載を、外箱等に行っている場合がある。

2 開封しなくても剤形が分かるように、剤形の色や形を外箱に表示しなければならない。

3 使用期限の表示については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において、法的な表示義務はない。

4 1回服用量中0.1mLを超えるアルコールを含有する内服液剤(滋養強壮を目的とするもの)については、例えば「アルコール含有○○mL以下」のように、アルコールを含有する旨及びその分量が記載されている。

一般用医薬品の製品表示に関する問題。
使用期限の法的表示義務に関しては頻出。

1 正しい。
2 誤り。経験的にもわかるでしょう。剤形は表示する必要はない。なお、外箱には添付文書の内容のうち、 「効能・効果、用法・用量、添加物成分等」「使用上の注意」「保管方法」等が記載されることになっている。
3 正しい。初学者は意外に感じたでしょう。使用期限については、適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において法的な表示義務はない。確かに一昔前の漢方薬など、実際に使用期限の書かれていない製品が存在していた。
さらに手引きには「(表示義務はなくても)流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている。」とも書かれている。
 流通管理はもちろんのこと、今の時代に使用期限の書いていないような商品は消費者が敬遠するので、実際には使用期限の記載のない製品は殆どないのが現状である。
4 正しい。「1回服用量中0.1mLを超えるアルコール」の数値も憶えておく。なお、「薬用養命酒」の場合、1回服用量は20mLだが、アルコール含有量は14%と書かれている。
(↓アマゾンサイト)
 

正答・・・2

問45 一般用医薬品の添付文書に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品を使用する人に、その製品の概要を分かりやすく説明することを目的として、製品の特徴が記載されている。

b 使用上の注意は、「効能及び効果」、「成分及び分量」及び「その他の注意」から構成され、適正使用のために重要と考えられる項目が前段に記載されている。

c 薬効名とは、その医薬品の薬効又は性質(例えば、主たる有効成分など)が簡潔な分かりやすい表現で示されたものである。

d 添付文書の内容が変更された場合には、必ず改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされている。

    a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤

一般用医薬品の添付文書に関する問題。
dは良くわからず。
 
a 正しい。
b 誤り。「使用上の注意」は、「してはいけないこと」「相談すること」「その他の注意」から構成される。また、適正使用のために重要と考えられる項目が前段に記載される。

c 正しい。
d 誤り。「必ず」が間違い?良くわかりませんでした。

出題の手引きの記載は以下のとおり
「(添付文書に関して)医薬品の有効性・安全性等に係る新たな知見、使用に係る情報に基づき、必要に応じて随時改訂がなされている。重要な内容が変更された場合には、改訂年月を記載するとともに改訂された箇所を明示することとされており、以前からその医薬品を使用している人が、添付文書の変更箇所に注意を払うことができるようになっている。」

なお、「必要に応じて随時改訂」は頻出。「定期的に改訂」とひっかけ問題のケースが多い。
  
正答・・・4

問46 緊急安全性情報及び安全性速報に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 安全性速報は、迅速な注意喚起が必要な状況にある場合に、都道府県からの命令に基づいて作成されるA4サイズの青色地の印刷物で、ブルーレターとも呼ばれる。

2 安全性速報は、製造販売業者から卸売販売業者を介した、医療機関や薬局等への間接的な配布により情報伝達されるものである。

3 緊急安全性情報は、医薬品、医療機器又は再生医療等製品について緊急かつ重大な注意喚起や使用制限に係る対策が必要な状況にある場合に、厚生労働省からの命令、指示、製造販売業 者の自主決定等に基づいて作成される。

4 緊急安全性情報は、医療用医薬品や医家向け医療機器についての情報伝達であり、一般用医薬品に関係する緊急安全性情報が発出されることはない。

緊急安全性情報及び安全性速報に関する問題。
緊急安全性情報(イエローレター)安全性速報(ブルーレター)はセットで学習を。

1 誤り。×都道府県からの命令→○厚生労働省
2 誤り。×間接的な配布→〇直接の配布
3 正しい。
4 誤り。これは頻出。一般用医薬品では、小柴胡湯による間質性肺炎(平成8年)に関する緊急安全性情報が出されたことがある。

正答・・・3

問47 (独)医薬品医療機器総合機構の医薬品医療機器情報提供ホームページに掲載されている情報のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品・要指導医薬品の添付文書情報
b 薬剤師名簿
c 登録販売者名簿
d 患者向医薬品ガイド・くすりのしおり

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)

医薬品医療機器総合機構(PMDA)の医薬品医療機器情報提供ホームページに関する問題。
個人情報の名簿は載っていない。

a 正しい。
b 誤り。
c 誤り。
d 正しい。

正答・・・4

問48 医薬品副作用被害救済制度に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい 組み合わせはどれか。

医薬品を適正に使用したにもかかわらず発生した副作用による被害者の迅速な救済を図るため、( a )に基づく公的制度であり、( b )の給付請求を受けて、その健康被害が医薬品の 副作用によるものかどうか、医薬品が適正に使用されたかどうかなど、医学的薬学的判断を要す る事項について( c )の諮問・答申を経て、厚生労働大臣が判定した結果に基づいて、各種 給付が行われる。

a b c
1 製薬企業の社会的責任 健康被害を受けた本人(又は家族) 薬事・食品衛生審議会
2 製薬企業の社会的責任 医師 薬事・食品衛生審議会
3 製薬企業の社会的責任 医師 厚生科学審議会
4 国の責任 健康被害を受けた本人(又は家族) 薬事・食品衛生審議会
5 国の責任 医師 厚生科学審議会

医薬品副作用被害救済制度に関する問題。

↓医薬品副作用救済制度リーフレット(医薬品医療機器総合機構 作成)より


正答・・・1

問49 次の要指導医薬品及び一般用医薬品のうち、医薬品副作用被害救済制度の対象とならないものの組み合わせはどれか。

a 殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)
b 鼻炎用薬
c 禁煙補助剤
d 一般用検査薬

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)

医薬品副作用被害救済制度に関する問題。
一般用医薬品、要指導医薬品で対象とならないものは、殺虫剤・殺鼠剤、殺菌消毒剤(人体に直接使用するものを除く)、一般用検査薬、一部の日局収載医薬品(精製水、ワセリン等)が該当する。
 
a 対象外
b 対象
c 対象
d 対象外

正答・・・4

問50 医薬品PLセンターに関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。

医薬品副作用被害救済制度の対象とならないケースのうち、製薬企業に損害賠償責任が( a )場合には、「医薬品PLセンター」への相談が推奨される。 消費者が、医薬品又は医薬部外品に関する苦情(健康被害以外の損害も含まれる)について製造販売元の企業と交渉するに当たって、( b )立場で申立ての相談を受け付け、交渉の仲介や調整・あっせんを行い、( c )迅速な解決に導くことを目的としている。

a b c
1 ない 消費者側の  裁判によらずに
2 ある 公平・中立な 裁判によらずに
3 ある 消費者側の  裁判により
4 ある 公平・中立な 裁判により
5 ない 消費者側の  裁判により

医薬品PLセンターに関する問題は、ほぼ毎年出題されている。
問われるポイントは多くないので落とさないように。

a ある
b 公平・中立な
c 裁判によらずに

正答・・・2
(Visited 1,440 times, 1 visits today)

Follow me!