H29 愛知県(東海・北陸地区共通)第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識(問11-20)

解説作成中

問11
医薬品の品質に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 医薬品の品質管理基準としてGood Vigilance Practice(GVP)が制定されている。

b その品質が承認等された基準に適合しない医薬品、その全部又は一部が変質・変敗した物質から成っている医薬品の販売は医薬品医療機器等法により禁止されている。

c 医薬品は、高い水準で均一な品質が保証されており、配合されている成分(有効成分及び添加物成分)は、高温や多湿、光(紫外線)等によって品質の劣化(変質・変敗)を起こしにくいものが多い。

d 液剤などでは、いったん開封されると記載されている「使用期限」まで品質が保証されない場合がある。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正

医薬品の品質に関する問題。

a 誤り。Good Vigilance Practice(GVP)は製造販売後安全管理基準である。
b 正しい。
c 誤り。
d 正しい。

正答・・・4

問12
プラセボ効果(偽薬効果)に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 薬理作用によりプラセボ効果が生じることもある。

b 一般用医薬品の購入者等がプラセボ効果により、適切な医薬品の選択、医療機関の受診機会を失うことのないよう、正確な情報が適切に伝えられることが重要である。

c プラセボ効果は、客観的に測定可能な変化として現れることはない。

d プラセボ効果は、条件付けによる生体反応が関与して生じる場合がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

プラセボ効果(偽薬効果)に関する問題。

a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。最初戸惑うかもしれない文章だが、度々問われている内容である。プラセボ効果は、主観的な変化だけでなく、客観的に測定可能な変化として現れる場合もある。(例えば、コレステロール値が下がる等)
d 正しい。
 
正答・・・3

問13
一般用医薬品に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品で対処可能な範囲は、医薬品を使用する人によって変わることはない。

b 健康状態の自己検査に用いられることがある。

c 健康の維持・増進に用いられることがある。

d 症状の原因となっている疾病の根本的な治療がなされないまま、手軽に入手できる一般用医薬品を使用して症状を一時的に緩和するだけの対処を漫然と続けていると、適切な治療の機会を失うことにつながりやすい。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

一般用医薬品に関する問題。

a 誤り。例えば、乳幼児や妊婦等では、通常の成人の場合に比べ、その範囲は限られてくる。
b 正しい。例えば、尿糖・尿タンパク検査薬などは自己検査の為に用いられる。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・5

問14
一般的に「健康食品」と呼ばれる健康増進や維持の助けとなる食品(以下「健康食品」とする。)に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 健康食品の安全性や効果を担保する科学的データは、医薬品と同等でなければならない。

2 「機能性表示食品」は、疾病に罹患した者の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨を表示するものである。

3 「栄養機能食品」は、例えばキシリトールを含む食品に対して、「虫歯の原因になりにくい食品です」などの「栄養機能の表示」が許可されている。

4 保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品及び機能性表示食品)を除く健康食品の医薬品医療機器等法や食品衛生法における取扱いは、一般食品と変わるところはない。

「健康食品」に関する問題。

1 誤り。
2 誤り。機能性表示食品は「疾病に罹患していない者」の健康の維持及び増進に役立つ旨又は適する旨を表示するものである
3 誤り。キシリトールは栄養機能食品ではなく、特定保健用食品である。、ビタミン、ミネラルの一部は「栄養機能食品」として「栄養機能の表示」ができる。(例:「鉄は、赤血球を作るのに必要な栄養素です」)
4 正しい。

正答・・・4

問15
医薬品販売時の登録販売者の対応等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 一般用医薬品の場合、必ずしも情報提供を受けた当人が医薬品を使用するとは限らないことを踏まえ、販売時のコミュニケーションを考える必要がある。

b 購入者が、自分自身や家族の健康に対する責任感を持ち、適切な医薬品を選択して、適正に使用するよう、働きかけていくことが重要である。

c 生活者のセルフメディケーションに対して、登録販売者は、第2類医薬品及び第3類医薬品の販売、情報提供等を担う観点から、支援していくという姿勢で臨むことが基本となる。

d 情報提供を受ける購入者が医薬品を使用する本人で、かつ、現に症状等がある場合には、言葉によるコミュニケーションから得られる情報のほか、その人の状態や様子全般から得られる情報も、状況把握につながる重要な手がかりとなる。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正

医薬品販売時の登録販売者の対応に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・5

問16
サリドマイドに関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 過去には、催眠鎮静成分として承認され、その鎮静作用を目的として、胃腸薬にも配合されていた。

2 サリドマイドによる薬害事件は、日本でのみ被害が発生し、出荷停止、販売停止及び回収措置等の対応の遅さが問題視された。

3 妊娠している女性が摂取した場合、血液-胎盤関門を通過して胎児に移行する。

4 胎児はその成長の過程で、サリドマイドにより血管新生が妨げられると細胞分裂が正常に行われず、器官が十分に成長しないことから、先天異常が発生する。

1章後半のうち4問は例年通り薬害に関する問題が続く。まずはサリドマイド訴訟に関する問題。
幅広い知識が求められているが、問われるポイントは決まっているので十分対策を。
 
1 正しい。今回問われていないが、サリドマイドは一般用医薬品としても販売されていたことも頻出。併せて押さえておきたい。
2 誤り。最初に催奇形性の報告があったのは西ドイツである。
3 正しい。
4 正しい。

正答・・・2

問17
スモン訴訟に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 整腸剤として販売されていたキノホルム製剤を使用したことにより、亜急性脊髄視神経症(英名Subacute Myelo-Optico-Neuropathy の頭文字をとってスモンと呼ばれる。)に罹患したことに対する損害賠償訴訟である。

b スモン訴訟の被告である国は、スモン患者の早期救済のためには、和解による解決が望ましいとの基本方針に立っているが、全面和解には至っていない。

c キノホルム製剤は、1958年頃から消化器症状を伴う特異な神経症状が報告されるようになり、日本では、1959年9月に販売が停止された。

d キノホルム製剤には、一般用医薬品として販売されていた製品もある。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)

スモン訴訟に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。1979年9月に全面和解が成立した。
c 誤り。我が国では、1970年8月になって、スモンの原因はキノホルムであるとの説が発表され、1970年9月に販売が停止された。
d 正しい。

正答・・・4

問18
HIV訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 血友病患者が、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)が混入した原料血漿から製造された血液凝固因子製剤の投与を受けたことにより、HIVに感染したことに対する損害賠償訴訟である。

b HIV訴訟を契機として、医薬品の副作用による健康被害の迅速な救済を図るため、医薬品副作用被害救済制度が創設された。

c HIV訴訟を契機として、医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構(当時)との連携による承認審査体制の充実、緊急に必要とされる医薬品を迅速に供給するための「緊急輸入」制度の創設等を内容とする改正薬事法が1996年に成立し、翌年4月に施行された。

d 1996年3月に大阪地裁、東京地裁での和解が成立した後、厚生省(当時)は、医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう「誓いの碑」を建立した。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正

HIV訴訟に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。サリドマイド訴訟スモン訴訟を契機として、1979年、医薬品副作用被害救済制度が創設された。
c 正しい。
d 正しい。
 
正答・・・3

問19
クロイツフェルト・ヤコブ病(以下「CJD」とする。)に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a CJD訴訟とは、脳外科手術等に用いられていたウシ乾燥硬膜を介してCJDに罹患したことに対する損害賠償訴訟である。

b CJD訴訟を一因として、2002年に行われた薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、独立行政法人医薬品医療機器総合機構による生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。

c CJDは、ウイルスの感染が原因とされる。

d CJD訴訟は、国、原因となった製品の輸入販売業者及び製造業者を被告として提訴された。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 正 正 誤 正

クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)に関する問題。

a 誤り。×ウシ乾燥硬膜→〇ヒト乾燥硬膜
b 正しい。独立行政法人医薬品医療機器総合機構により、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。なお問18にあるように、医薬品副作用被害救済制度は、サリドマイド訴訟スモン訴訟を契機として、1979年に創設された。区別して憶えておこう。
c 誤り。CJDは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種であるプリオンが原因とされる。
d 正しい。

正答・・・3

問20
医薬品の副作用等に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a いわゆる薬害は、医薬品を十分注意して使用すれば起こらない。

b 新規に開発される医薬品のリスク評価は、医薬品の安全性に関する非臨床試験の基準であるGood Clinical Practice(GCP)に準拠して行われる。

c 医薬品は、人体にとって本来異物であり、治療上の効能・効果とともに何らかの有害な作用(副作用)等が生じることが避けがたいものである。

d 医薬品の副作用として、科学的に解明されていない未知のものが生じる場合もある。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正

医薬品の副作用に関する問題。

a 誤り。
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・1
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