H29 愛知県(東海・北陸地区共通)第2章 人体の働きと医薬品 (PM問1-10)

頻出のポイントばかり

問1
人体の構造に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。

ヒトの体は、( a )が集まって構成されており、関連する働きを持つ( a )が集まって( b )を作り、複数の( b )が組み合わさって一定の形態を持ち、特定の働きをする( c )が形成される。

 a b c
1 器官 組織 細胞
2 組織 器官 細胞
3 細胞 組織 器官
4 細胞 器官 組織
5 器官 細胞 組織

人体の構造に関する問題。中学理科の知識で解けるでしょう。

a 細胞
b 組織
c 器官

正答・・・3

問2
唾液に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 デンプンをデキストリンや麦芽糖に分解する消化酵素(プチアリン。唾液アミラーゼともいう。)が含まれる。

2 味覚の形成にも重要な役割を持っている。

3 リゾチーム等の殺菌・抗菌物質を含んでおり、口腔粘膜の保護・洗浄、殺菌等の作用もある。

4 口腔内はpHがほぼ中性に保たれ、アルカリによる歯の齲蝕を防いでいる。

唾液に関する問題。
リゾチームに関しては、学習がある程度進んだ受験生は「抗菌物質」??と迷ったかもしれないが、手引きの記述どおり。

1 正しい。
2 正しい。
3 正しい。リゾチームは鼻汁や涙線にも含まれ点も抑えておきたい。第3・5章では抗炎症作用のある医薬品成分としても登場し、その知識があると判断に迷ったかもしれない。
4 誤り。×アルカリ→〇酸

正答・・・4

問3
咽頭及び食道に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 飲食物を飲み込む運動(嚥下)が起きるときには、喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に閉じることにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。

b 食道には、消化液の分泌腺がある。

c 嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる。

d 食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないように防いでいる。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正

咽頭及び食道に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。食道には消化液の分泌腺はない。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3

問4
膵臓に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 膵臓は、胃の後下部に位置する細長い臓器で、膵液を十二指腸へ分泌する。

b 膵液は酸性で、胃で弱アルカリ性となった内容物を中和する。

c 膵臓では、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給は担っていない。

d 膵臓は、消化腺であるとともに、血糖値を調節するホルモン(インスリン及びグルカゴン)等を血液中に分泌する内分泌腺でもある。

1(a、b) 2(b、c) 3(c、d) 4(a、d)

肝臓に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。膵液は弱アルカリ性で、 胃で酸性となった内容物を中和する。
c 誤り。膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。トリプシノーゲン、膵液アミラーゼ、リパーゼなどが分泌される。
d 正しい。

正答・・・4

問5
栄養分の代謝及び貯蔵に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。

小腸で吸収された( a )は、血液によって肝臓に運ばれて( b )として蓄えられる。( b )は、( a )が重合してできた高分子多糖で、血糖値が下がったときなど、必要に応じて( a )に分解されて血液中に放出される。皮下組織等に蓄えられた( c )も、一度肝臓に運ばれてからエネルギー源として利用可能な形に代謝される。

  a b c
1 ブドウ糖 脂質 グリコーゲン
2 グリコーゲン ブドウ糖 脂質
3 グリコーゲン ブドウ糖 ビタミンA
4 ブドウ糖 グリコーゲン 脂質
5 ブドウ糖 グリコーゲン ビタミンA

栄養分の貯蔵及び代謝に関する問題。

a ブドウ糖
b グリコーゲン
c 脂質

正答・・・4

問6
大腸に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、小腸と同様に内壁粘膜に絨毛がある。

b 大腸では消化はほとんど行われない。

c 大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維(難消化性多糖類)を発酵分解する。

d 通常、糞便の成分の大半は食物の残滓で、そのほか、はがれ落ちた腸壁上皮細胞の残骸(15~20%)や腸内細菌の死骸(10~15%)が含まれ、水分は約5%に過ぎない。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正

大腸に関する問題。

a 誤り。前半部分の各名称は正しいが、大腸には内壁粘膜に絨毛がない点で小腸と区別される。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。「食物の残滓」と「水分」が逆になっている。糞便の大部分は水分で、食物の残滓は約5%程度しか含まれない。
 
正答・・・1

問7
呼吸器系に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 呼吸器系は、呼吸を行うための器官系で、鼻腔、咽頭、喉頭、気管、気管支、肺からなり、鼻腔から気管支までの呼気及び吸気の通り道を気道といい、そのうち、咽頭・喉頭までの部分を上気道という。

b 呼吸器は常時外気と接触する器官であり、様々な異物、病原物質の侵入経路となるため、幾つもの防御機構が備わっている。

c 鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布し、鼻汁を分泌する。鼻汁は、鼻から吸った空気に湿り気を与えたり、粘膜を保護するため、必要な場合に分泌され、常には分泌されない。

d 肺には肺を動かす筋組織があるため、自力で膨らんだり縮んだりすることによって、拡張・収縮して呼吸運動が行われている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)

呼吸器系に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。粘膜を保護するため、常に少しずつ分泌されている。なお、鼻汁中にはリゾチームも分泌されている。
d 誤り。肺自体には肺を動かす筋組織がなく、自力で膨らんだり縮んだりせず、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮している。
 
正答・・・1

問8
循環器系に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

1 拍動とは、心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出する心臓の動きである。

2 心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。

3 動脈は弾力性があり、圧力がかかっても耐えられるようになっている。この動脈は、多くが体の皮膚表面近くを通っている。

4 四肢を通る静脈では血流が重力の影響を受けやすいため、一定の間隔をおいて内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達して血液の逆流を防いでいる。

循環器系に関する問題。

1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。動脈の多くは体の深部を通っている。一方で、頚部、手首、肘の内側等では皮膚表面近くを通るため、脈ををふれることができる。血圧の測定も、通常、上腕部にある動脈(上腕2頭筋と3頭筋の間あたり)で測定される。
4 正しい。
 
正答・・・3

問9
血漿成分に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入る。

( a )は、血液の浸透圧を保持する(血漿成分が血管から組織中に漏れ出るのを防ぐ)働きがあるほか、ホルモンや医薬品の成分等と複合体を形成して、それらが血液によって運ばれるときに代謝や排泄を受けにくくする。

( b )は、その多くが、免疫反応において、体内に侵入した細菌やウイルス等の異物を特異的に認識する抗体としての役割を担うため、そういったものは免疫( b )とも呼ばれる。

( c )は、血漿中のタンパク質と結合してリポタンパク質を形成し、血漿中に分散している。

a b c
1 アルブミン グロブリン 脂質
2 グロブリン アルブミン 脂質
3 アルブミン グロブリン 糖質
4 アミラーゼ グリコーゲン 脂質
5 グロブリン アルブミン 糖質

血漿成分に関する問題

a アルブミン
b グロブリン
c 脂質

正答・・・1

問10
泌尿器系に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 腎臓は、横隔膜の下、背骨の左右両側に位置する一対の空豆状の臓器で、内側中央部のくびれた部分に尿管、動脈、静脈、リンパ管等がつながっている。

b 副腎は、左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と間質の2層構造からなる。

c 膀胱の出口にある膀胱括約筋が緩むと、同時に膀胱壁の排尿筋が収縮し、尿が尿道へと押し出される。

d 男性では、膀胱の真下に尿道を取り囲むように前立腺があり、加齢とともに前立腺が縮小し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。

  a b c d
1 誤 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 誤 正 正

泌尿器系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。副腎は左右の腎臓の上部にそれぞれ附属し、皮質と髄質の2層構造からなる。なお、「副腎皮質」では、アルドステロン等の副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。「副腎髄質」ではアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される点も合わせて憶えておきたい。
c 正しい。
d 誤り。加齢とともに前立腺は肥大し、尿道を圧迫して排尿困難を生じることがある。

正答・・・3
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