H29 福岡県(九州・沖縄地区共通)) 第4章 薬事関連法規・制度 問101-110

問102(毒薬・劇薬)は難しい

問101 医薬品医療機器等法第1条の条文に関する以下の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。なお、同じ記号の( )内には同じ字句が入ります。

この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び( ア )の品質、有効性及び安全性の確保並びにこれらの使用による( イ )上の危害の発生及び拡大の防止のために 必要な( ウ )を行うとともに、指定薬物の( ウ )に関する措置を講ずるほか、 医療上特にその必要性が高い医薬品、医療機器及び( ア )の研究開発の促進のために必要な措置を講ずることにより、( イ )の向上を図ることを目的とする。

ア イ ウ
1 再生医療等製品 公衆衛生 監視
2 再生医療等製品 保健衛生 監視
3 再生医療等製品 保健衛生 規制
4 生物由来製品    公衆衛生 規制
5 生物由来製品    保健衛生 監視

4章第1問目で良く出題されている医薬品医療機器等法(旧薬事法)第1条の条文の穴埋め問題。これは憶えるしかない。

ア 再生医療等製品
イ 保健衛生
ウ 規制

なお、昨年同地区では「再生医療等製品」「保健衛生」「指定薬物」の穴埋めだった。 他に「研究開発の促進」も割と問われる事が多い。

正答・・・3

問102 毒薬又は劇薬に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 毒薬については、それを収める直接の容器又は被包に、黒地に白枠、白字をもって、当該医薬品の品名及び「毒」の文字が記載されていなければならない。

2 毒薬を一般の生活者に対して販売する際には、当該毒薬を譲り受ける者に医薬品医療機器等法第46条第1項に規定される文書を交付しなければならない。

3 業務上、毒薬又は劇薬を取り扱う者は、毒薬又は劇薬を他の物と区別して貯蔵、陳列しなければならない。

4 店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者は、劇薬を開封して販売することができる。

毎年のように出題される毒薬・劇薬に関する問題。
この分野はお約束の内容が多かったが、この問題は迷う。

1 正しい。毒薬に関する内容。「劇薬」もセットで憶えておくように。劇薬については、容器等に白地に赤枠、赤字をもって、当該医薬品の品名及び「劇」の文字が記載されていなければならない。 

↓ある医療医薬品の毒薬例


↓ある医療用医薬品の劇薬例


2 誤り。×「交付しなければならない」→〇「交付をうけなければならない」
手引きでは「毒薬又は劇薬を、一般の生活者に対して販売又は譲渡する際には、当該医薬品を譲り受ける者から、品名、数量、使用目的、譲渡年月日、譲受人の氏名、住所及び職業が記入され、署名又は記名押印された文書の交付を受けなければならない」と書かれている。

3 正しい。特に毒薬の貯蔵、陳列する場合「かぎ」が必要。なお、劇薬に関しては必ずしも必要ではない。

4 正しい。ここで迷ったかもしれない。管理者が「薬剤師」であれば、劇薬を開封して販売することができる。(店舗販売業では、実際には考えにくいケースだが・・)
なお、手引きでは「毒薬又は劇薬については、店舗管理者が薬剤師である店舗販売業者及び営業所管理者が薬剤師である卸売販売業者以外の医薬品の販売業者は、開封して、販売等してはならないとされている」→回りくどい文章だが、つまり薬剤師が管理者なら開封販売できるとの解釈になる。
  
正答・・・2

問103 以下のうち、医薬品医療機器等法第50条に基づく医薬品の直接の容器又は被包に記載されていなければならないものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 製造業者の氏名又は名称及び住所
イ 製造番号又は製造記号
ウ 用法用量
エ 日本薬局方に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字

1(ア、イ) 2(ア、ウ) 3(イ、エ) 4(ウ、エ)

容器・外箱等への法定表示載事項に関する問題。
アは特に良く問われるポイントなので正確に憶えておきたい。

ア 誤り。×製造業者の氏名又は名称及び住所→〇製造販売業者等の氏名又は名称及び住所 
この部分は良く出題されているので必ず押さえておくように。
イ 正しい。
ウ 誤り。これは記載義務はない。
エ 正しい。
 
正答・・・3

問104 医薬品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 日本薬局方に収載されている医薬品の中には、一般用医薬品として販売されている、又は一般用医薬品の中に配合されているものもある。

イ 一般用医薬品は、「薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの」である。

ウ 要指導医薬品は、「医師若しくは歯科医師によって使用され、又はこれらの者の処方箋若しくは指示によって使用されることを目的として供給される医薬品」である。

エ 検体の採取において、身体への直接のリスクを伴うもの(例えば、血液を検体とするもの)は、一般用医薬品又は要指導医薬品としては認められていない。
 
  ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 誤
5 誤 誤 誤 正

医薬品に関する問題。

ア 正しい。
イ 正しい。「需要者の選択」は、しっかり押さえておく。
ウ 誤り。これは医療用医薬品に関する内容。それに対し、一般用医薬品及び要指導医薬品は、あらかじめ定められた用量に基づき、適正使用することによって効果を期待するものである。
エ 正しい。
 
正答・・・2

問105 医薬部外品に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 医薬品から医薬部外品へ移行した製品群には、整腸薬やコンタクトレンズ装着薬がある。

2 医薬部外品を業として製造販売する場合には、製造販売業の許可が必要であり、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとにあらかじめ届出を行う必要がある。

3 医薬部外品の直接の容器又は被包には、「医薬部外品」の文字の表示が義務付けられている。

4 その効能効果があらかじめ定められた範囲内であって、成分や用法等に照らして人体に対する作用が緩和であることを要件として、医薬品的な効能効果を表示・標榜することが認められている。

医薬部外品に関する問題。

1 正しい。
2 誤り。「医薬部外品を製造販売する場合」は、「製造販売業の許可が必要で、厚生労働大臣が基準を定めて指定するものを除き、品目ごとに承認を得る必要がある」。なお、販売については、医薬品のような販売業の許可は必要ない。
また、化粧品も同様に販売業の許可は必要ないが、「化粧品を業として製造販売する場合」は「製造販売業の許可を受けた者が、あらかじめ品目ごとの届出を行う必要がある」「厚生労働大臣が指定する成分を含有する化粧品である場合は、品目ごとの承認を得る必要がある」点も合わせて押さえておきたい。
3 正しい。
4 正しい。例えば、医薬部外品扱いの整腸剤である新ビオフェルミンSの効能は「整腸(便通を整える)、軟便、便秘、腹部膨満感」と書かれている。
 
正答・・・2

問106 化粧品に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを目的とするものである。

イ 化粧品を業として製造販売する場合には、製造販売業の許可が必要であり、販売については販売業の許可が必要である。

ウ 医薬品の成分の配合が認められる場合もある。

エ 医薬品的な効能効果の表示・標榜がなされた場合には、医薬品医療機器等法第66条第1項により禁止される虚偽又は誇大な広告に該当する。 
 
  ア イ ウ エ
1 正 正 正 正
2 正 誤 誤 誤
3 誤 正 正 誤
4 誤 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

化粧品に関する問題。
化粧品の定義は以下のようになっています。

「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なもの」

「人の疾病の診断、治療若しくは予防に使用されること、又は人の身体の構造若しくは機能に影響を及ぼすことを目的とするものは化粧品に含まれない。」


「化粧品は、あくまで「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つ」の範囲内においてのみ効能効果を表示・標榜することが認められるものであり、医薬品的な効能効果を表示・標榜することは一切認められていない。」

ア 誤り。
イ 誤り。全問の解説のとおり。販売に関しては、「販売業の許可」は必要ない。
ウ 正しい。例えば、医薬品成分でもあるアラントインが化粧品にも使用されている。
エ 正しい。

正答・・・4

問107 食品に関する以下の記述のうち、誤っているものを一つ選びなさい。

1 機能性表示食品は、安全性及び機能性の根拠に関する情報などの審査を受け、消費者庁長官の許可を受けたものである。

2 食品には、専ら安全性の確保のために必要な規制その他の措置が図られている。

3 外形上、食品として販売されている製品であっても、その成分本質、効能効果の標榜内容等に照らして医薬品とみなされることがある。

4 保健機能食品は、食生活を通じた健康の保持増進を目的として摂取されるものである。

食品に関する問題。

1 誤り。機能性表示食品は、消費者庁長官の許可を要さないが、その安全性及び機能性の根拠に関する情報などが販売される前に消費者庁長官へ届け出られたものである。 
2 正しい。
3 正しい。
4 正しい。保健機能食品(特定保健用食品(トクホ)栄養機能食品機能性表示食品)と特別用途食品の違いまで押さえておきたい。特別用途食品(例:OS-1)は、乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復用に用いられる。
 

正答・・・1

問108 以下の栄養成分のうち、栄養機能食品に「本品は、胎児の正常な発育に寄与する栄養素ですが、 多量摂取により胎児の発育が良くなるものではありません」という注意喚起表示が必要なものとして、正しいものを一つ選びなさい。

1 マグネシウム
2 亜鉛
3 パントテン酸
4 ビタミンA
5 葉酸

栄養機能食品に関する問題。
これは「胎児の正常な発育」のキーワードから、容易に「葉酸」と気付きたい。


正答・・・5

問109 店舗販売業に関する以下の記述の正誤について、正しい組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 店舗販売業の許可を受けた店舗では、薬剤師が従事していれば、調剤を行うことができる。

イ 店舗管理者は、保健衛生上支障を生ずるおそれがないよう、その店舗の業務につき、店舗販売業者に対して必要な意見を述べなければならない。

ウ 店舗管理者は、その店舗の所在地の都道府県知事(その店舗の所在地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては、市長又は区長)の許可を受けたときを除き、その店舗以外の場所で業として店舗の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。

エ 店舗販売業の許可は、3年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によってその効力を失う。 
 
  ア イ ウ エ
1 正 正 正 誤
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 誤 誤 誤 誤

医薬品販売業のうち、店舗販売業に関する問題。

ア 誤り。「調剤(処方箋の取り扱い)」は「薬局」としての許可を受けていなければできない。
イ 正しい。
ウ 正しい。原則、店舗管理者は他店舗の業務にはつけないことになっている。
エ 誤り。×3年→〇6年。医薬品の販売業の許可(店舗販売業、配置販売業、卸売販売業)は6年ごとの更新制である。

正答・・・3

問110 配置販売業に関する以下の記述のうち、正しいものの組み合わせを下から一つ選びなさい。

ア 配置販売業とは、購入者の居宅に医薬品をあらかじめ預けておき、購入者がこれを使用した後でなければ代金請求権を生じないといった販売形態である。

イ 配置販売業者は、医薬品を開封して分割販売することができる。

ウ 配置販売業者又はその配置員は、配置販売業者の氏名及び住所、配置販売に従事する者の氏名及び住所並びに区域及びその期間を、配置販売に従事している区域の都道府県知事に対し、配置販売を始めた日から30日以内に届け出なければならない。

エ 配置販売業者又はその配置員は、その住所地の都道府県知事が発行する身分証明書の交付を受け、かつ、これを携帯しなければ、医薬品の配置販売に従事してはならない。

1(ア、イ) 2(ア、エ) 3(イ、ウ) 4(ウ、エ)

医薬品販売業のうち、配置販売業(置き薬)に関する問題。

ア 正しい。この販売システムを「先用後利」という言葉で表現されることも押さえておこう。
イ 誤り。配置薬販売業で分割販売が認められていない点は、なぜか良く出題されている。
ウ 誤り。×配置販売を始めて日から30日以内に届け出→〇あらかじめ届け出
エ 正しい。

正答・・・2
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