H29 新潟県(北関東・甲信越) 第2章 人体の働きと医薬品 (問51-60)

特別難しい問題はない。

【問51】 交感神経系が効果器に及ぼす反応に関する組合せのうち、誤っているものはどれか。

  効果器 反応
1 膀胱 - 排尿抑制
2 目 - 瞳孔散大
3 腸 - 運動亢進
4 心臓 - 心拍数増加

自律神経系(交感神経系と副交感神経系)に関する問題。
このタイプの問題は、交感神経系は「体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢」、副交感神経は「体が食事や休憩等の安息状態」のイメージを持っていれば、それ程難しくない。
 
1 正しい。
2 正しい。
3 誤り。腸-運動低下
4 正しい。


正答・・・3

【問52】 薬が働く仕組みに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 局所作用を目的とする医薬品の場合、全身性の副作用が生じることはない。

b 体内に吸収された有効成分が全身を巡って薬効をもたらすことを全身作用という。

c 医薬品が体内で引き起こす薬効と副作用を理解するには、薬物動態に関する知識が不可欠である。

d 有効成分が循環血液中に移行して全身作用を示すことを目的とした経皮吸収製剤が存在する。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 誤

薬が働き仕組みに関する問題。これは簡単でしょう。

a 誤り。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。例えば、一般用医薬品ではニコチン置換療法のパッチ剤がある。

正答・・・3

【問53】 薬の体内での働きに関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組合せはどれか。

循環血液中に移行した有効成分は、血流によって全身の組織・器官へ運ばれて作用するが、多くの場合、標的となる細胞に存在する( a )、酵素、( b )などの( c )と結合し、その機能を変化させることで薬効や( d )を現す。

  a b c d
1 受容体 トランスポーター アミノ酸 相互作用
2 受容体 トランスポーター タンパク質 副作用
3 受容体 複合体 アミノ酸 相互作用
4 細胞核 複合体 タンパク質 副作用
5 細胞核 トランスポーター タンパク質 相互作用

薬の体内での働きに関する問題。

a 受容体
b トランスポーター
c タンパク質
d 副作用
 
正答・・・2

【問54】 医薬品の剤型に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 錠剤のように固形状に固めず、粉末状にしたものを顆粒剤という。

b 錠剤には、腸内での溶解を目的として錠剤表面をコーティングしているものがある。

c 口腔内崩壊錠は、口の中の唾液で速やかに溶ける工夫がなされているので、水なしで服用することができる。

d スプレー剤は、手指等では塗りにくい部位や広範囲に適用する場合に適している。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 誤 正 誤

医薬品の剤型(剤形)に関する問題。
aは迷うかもしれない。

a 誤り。錠剤のように固形状に固めず、粉末状にしたものを散剤、小さな粒状にしたものを顆粒剤という。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3

【問55】 薬の体内での働きに関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 医薬品の有効成分の代謝・排泄の速度が吸収・分布の速度を上回ると、医薬品の有効成分の血中濃度は上昇する。

b 医薬品の有効成分の血中濃度が、ある最大有効濃度を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。

c 一度に大量の医薬品を摂取して血中濃度を高くしても、ある濃度以上になるとより強い薬効は得られなくなる。

d 全身作用を目的とする医薬品の多くは、使用後の一定期間、その有効成分の血中濃度が、無効域と中毒域の間の範囲に維持されるよう、使用量及び使用間隔が定められている。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 誤 正 正 正
3 正 正 正 誤
4 正 誤 誤 正

薬の体内での働きに関する問題。

a 誤り。
b 誤り。ある最小有効濃度(閾値)を超えたときに生体の反応としての薬効が現れる。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・1

【問56】 皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 皮膚粘膜眼症候群はスティーブンス・ジョンソン症候群とも呼ばれる。

b 中毒性表皮壊死融解症の症例の多くが、皮膚粘膜眼症候群の進展型とみられる。

c 中毒性表皮壊死融解症は、一旦発症すると多臓器障害の合併症等により致命的な転帰をたどることがある。

d 両眼に現れる急性結膜炎は、中毒性表皮壊死融解症の前兆である可能性がある。

  a b c d
1 正 正 正 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 正 誤 誤 正

皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・1

【問57】 偽アルドステロン症に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加することにより生じる。

b 主な症状としては、筋肉痛、喉の渇き、倦怠感、血圧上昇等がみられる。

c 体内にカリウムが貯留し、体からナトリウムが失われたことに伴う症状である。

d 複数の医薬品や、医薬品と食品との間の相互作用によって起きることがある。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正

偽アルドステロン症に関する問題。
体内に塩分(ナトリウム)と水が貯留し、体からカリウムが失われることによって生じる病態である。副腎皮質からのアルドステロン分泌が増加していないにもかかわらずこのような状態となることから、偽アルドステロン症と呼ばれている
 
a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。
d 正しい。カンゾウ(甘草)由来成分であるグリチルリチン酸を大量に摂取すると偽アルドステロン症になる恐れがある。カンゾウ(甘草)は、医薬品の成分の他に、甘味料として食品にも含まれる場合がある。
 
正答・・・5

【問58】 消化器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 消化性潰瘍は、消化管出血に伴って糞便が黒くなる。

b イレウス様症状は、普段から下痢傾向がある人において発症のリスクが高い。

c 浣腸剤や坐剤の使用によって現れる一過性の症状に、肛門部の熱感等の刺激、排便直後の立ちくらみなどがある。

d イレウス様症状が悪化すると、腸内容物の逆流による嘔吐が原因で脱水症状を呈することがある。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 誤 誤 正

消化器系に現れる医薬品の副作用に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。×下痢傾向→〇便秘傾向
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・4

【問59】 呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 間質性肺炎は、かぜや気管支炎の症状との区別が容易である。

b 喘息は、一般的に原因となる医薬品の使用から1~2週間程度で起きることが多い。

c 間質性肺炎を発症すると、息切れ、空咳 、発熱等の症状を呈する。

d 医薬品で喘息発作を起こしたことがある人は、同種の医薬品の使用を避ける必要がある。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤

呼吸器系に現れる医薬品の副作用に関する問題。

a 誤り。
b 誤り。原因となる医薬品の使用後、短時間(1時間以内)のうちに鼻水・鼻づまりが現れ、続いて咳 、喘鳴及び呼吸困難を生じるとされる。なお、薬疹は医薬品の使用後1~2週間で起きることが多いとされている。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3

【問60】 医薬品の副作用に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 薬疹は、医薬品ごとに生じる発疹の型が決まっている。

b 光線過敏症は、貼付剤を剥がした後でも発症することがある。

c 接触皮膚炎は、医薬品の触れた部分だけでなく全身に広がって重篤化する可能性がある。

d 光線過敏症の症状が現れた場合は、患部は洗浄せずそのままの状態で、清潔な白い生地等で覆い医師の診療を受ける必要がある。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 誤

医薬品の副作用に関する問題。
光線過敏症については湿布に用いられる成分であるケトプロフェンに関しても学習を。

a 誤り。
b 正しい。
c 誤り。これは光線過敏症に関する内容。接触皮膚炎は医薬品が触れた皮膚の部分のみ。光線過敏症は触れた部分だけではなく、全身へ広がって重症化する場合がある。
d 誤り。皮膚に医薬品が残らないよう十分に患部を洗浄する。後半部分は適切な内容である。

正答・・・2
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