漢方薬問題の新しい傾向?(平成30年)

2018年より、漢方薬に関する問題の傾向が変化しているようです。
これまでは、問題作成の手引きの内容をもとに、その漢方薬にしかない特徴的なキーワードを知っておくと正誤の判断が容易に行えるケースが殆どでした。参考記事:漢方薬の正誤問題 解法テクニック

しかしながら、平成30年8月19日(日)に行われた近畿エリアの問題では、敢えて特徴的なキーワードを抜いた形での出題が見られました。

第3章 問43 婦人薬に関する正誤組み合わせ問題

c 桂枝茯苓丸は、比較的体力があり、ときにのぼせて足冷えなどを訴えるものの月経不順、月経痛、更年期障害などに適すとされる。

d 当帰芍薬散は、体力虚弱で冷え症で貧血の傾向傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛や肩こり、耳鳴りなどを訴えるものの月経不順、月経痛、更年期障害などに適すとされる。

桂枝茯苓丸当帰芍薬散ともに婦人薬では割と出題されている漢方薬です。
特徴的なキーワードとして、桂枝茯苓丸では、「比較的体力があり」向け以外に「打ち身(打撲)」があります。他の漢方薬には出てこないキーワードなので、正誤判断に役立ちますが、敢えてこのキーワードが抜かれています。

また、当帰芍薬散に関しては、「冷え性・貧血」のほか、「産前産後・・・」という特徴的なキーワードがありますが、これも抜かれています。その他は、どちらも婦人科系でよく登場する症状(月経不順、月経痛、更年期障害)が並んでおり、正誤判断が難しくなっています。

今後このようなケースの問題が今後増えるかはわかりませんが、試験対策としては取り敢えず、「特徴キーワードがない⇒誤り」とは安易に判断しないで、他の文章の正誤も踏まえながら選択候補を減らしていくことで対応すると良いでしょう。

このような問題が出題されても、焦らず冷静に最もふさわしそうな選択肢を絞って、正答率を高めるように対応してください。(決して満点を取る必要はない試験です!)


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