H30 愛知県(東海・北陸地区共通) 第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識(問11-20)

問17(一般用医薬品の定義)は迷う。

問 11 高齢者における医薬品の使用に関する記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。

a 医薬品の使用上の注意においては、おおよその目安として70歳以上を「高齢者」として いる。

b 複数の医薬品が長期間にわたって使用される場合には、副作用を生じるリスクが低い。

c 喉の筋肉が衰えて飲食物を飲み込む力が弱まっている(嚥下障害)場合があり、内服薬を使用する際に喉に詰まらせやすい。

d 手先の衰えのため医薬品を容器や包装から取り出すことが難しい場合がある。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)


高齢者における医薬品の使用に関する問題。
使用上の注意における高齢者の目安:65歳以上も頻出である。

a 誤り。×70歳⇒〇65歳
b 誤り。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・4


問 12 医薬品の使用に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 生活習慣病等の慢性疾患の種類や程度によっては、一般用医薬品の有効性や安全性に影響を与えることがある。

b 過去に医療機関で治療を受けていた(今は治療を受けていない)かどうかについては、一般用医薬品の使用にあたって考慮する必要はない。

c 母体が医薬品を使用した場合に、血液-胎盤関門によって、どの程度医薬品の成分の胎児への移行が防御されるかは、未解明のことも多い。

d 母乳を与える女性(授乳婦)が使用した医薬品の成分が、乳汁中に移行することはない。

  a b c d
1 正 誤 誤 正
2 誤 誤 正 誤
3 誤 正 誤 正
4 正 誤 正 誤
5 誤 正 誤 誤


医薬品の使用に関する問題。
まあ、常識的に判断すれば正答できでしょう。

a 正しい。
b 誤り。
c 正しい。
d 誤り。なお、ジフェンヒドラミン塩酸塩ジヒドロコデイン塩酸塩ロートエキス(乳児の頻脈)、センノシド(乳児の下痢)などは、3章・5章でも授乳回避について良く問われる。

正答・・・4


問 13 医薬品の使用に関する記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み合わせはどれか。なお、同じ記号の( )には、同じ字句が入る。

医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることを ( a )という。( a )は、医薬品を使用したこと自体による楽観的な結果への期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等 が関与して生じると考えられている。( a )によってもたらされる反応や変化は( b )、 それを目的として医薬品が( c )。

 a b c
1 プラセボ効果  不確実であり  使用されるべきではない
2 副作用  不確実であるが  使用されるべきである
3 相互作用  確実であり  使用されるべきである
4 副作用  確実であるが  使用されるべきではない
5 プラセボ効果  不確実であるが  使用されるべきである


ほぼ毎年出題されているプラセボ(偽薬効果)に関する問題。

医薬品を使用したとき、結果的又は偶発的に薬理作用によらない作用を生じることをプラセボ効果(偽薬効果)という。プラセボ効果は、医薬品を使用したことによる楽観的な結果期待(暗示効果)や、条件付けによる生体反応、時間経過による自然発生的な変化(自然緩解など)等が関与していると考えられている。

正答・・・1


問 14 医薬品の保管及び品質保持に関する記述について、正しいものはいくつあるか。

a 適切な保管・陳列がなされなければ、医薬品の効き目が低下したり、人体に好ましくない作用をもたらす物質を生じることがある。

b 医薬品は、適切な保管・陳列がなされたとしても、経時変化による品質の劣化は避けられない。

c 表示されている「使用期限」は、開封前、開封後を問わずに品質が保持される期限である。

d 医薬品は、高温、多湿、直射日光等の下に置かれることのないよう留意する必要がある。

1 1つ
2 2つ
3 3つ
4 4つ
5 正しいものはない


医薬品の保管及び品質保持に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。常識的にわかるだろうが、表示されている「使用期限」は、未開封状態で保管された場合に品質が保持される期限である。(出題されないが)例えば、子供向けのかぜ薬シロップの場合、開封後は冷蔵保存で2-3か月が期限の目安とされる。
d 正しい。

正答・・・3


問 15 一般用医薬品の販売に従事する専門家の対応に関する記述のうち、正しいものはどれか。

1 激しい腹痛(症状が重い)の訴えに対し、整腸剤で様子を見るよう伝えた。

2 体調の不調や軽度の症状等に一般用医薬品を使用して対処している場合に、一定期間若しくは一定回数使用しても症状の改善がみられなくても使用を継続するよう伝えた。

3 必ず医薬品の販売に結びつくよう情報提供した。

4 単に専門用語を分かりやすい平易な表現で説明するだけでなく、説明した内容が購入者等にどう理解され、行動に反映されているか、などの実情を把握しながら情報提供した。


一般用医薬品の販売に従事する専門家の対応に関する問題。
これも常識的に判断すれば良いでしょう。

1 誤り。
2 誤り。
3 誤り。
4 正しい。

正答・・・4


問 16 一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a 購入者が健康への高い関心を有する生活者として参加意識を持って、医薬品を使用する状況等について自らの意志で伝えてもらえるよう促していくことが重要である。

b 購入者等が医薬品を使用する状況は随時変化する可能性があるため、販売数量は一時期に使用する必要量とする等、販売時のコミュニケーションの機会が継続的に確保されるよう配慮することが重要である。

c 医薬品の販売に従事する専門家が、可能な限り、購入者側の個々の状況の把握に努めることが重要である。

d 購入者側に情報提供を受けようとする意識が乏しく、コミュニケーションが成立しがたい場合は、添付文書を読むよう伝えるのみで支障ない。

 a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 正 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正


一般用医薬品の販売時のコミュニケーションに関する問題。
これも常識的に判断すれば良いでしょう。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。

正答・・・4


問 17 医薬品医療機器等法第4条第5項第4号で規定される一般用医薬品の定義について、( ) の中に入れるべき字句はどれか。

医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、( )その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く。)をいう。

1 医師
2 薬剤師
3 登録販売者
4 製造業者
5 製造販売業者


医薬品医療機器等法で規定される一般用医薬品の定義に関する問題。
これは過去問でも殆ど問われたことがなく、知らないと迷う。

正答・・・2


問 18 HIV訴訟に関する記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。

a HIV訴訟の和解を踏まえ、製薬企業に対し、従来の副作用報告に加えて感染症報告が義務づけられた。

b HIV訴訟の和解を踏まえ、血液製剤の安全確保対策として、検査や献血時の問診の充実が図られた。

c HIV訴訟の和解を踏まえ、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染者に対する恒久対策として、エイズ治療研究開発センター及び拠点病院が整備された。

d 1996年3月に大阪地裁・東京地裁での和解が成立した後、医薬品の安全性・有効性の確保に最善の努力を重ねていくことを銘記した「誓いの碑」が建立された。

  a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 正
4 誤 正 正 正
5 正 正 正 正


例年薬害関連の出題は4問だったが、今年は3問でした。
まずはHIV訴訟に関する問題。
b、dはあまり過去問では見かけないポイントなので迷ったかもしれない。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・5


問 19 サリドマイドに関する記述について、正しいものの組み合わせはどれか。

a サリドマイド訴訟は、催眠鎮静剤等として販売されたサリドマイド製剤を妊娠している女性が使用したことにより、出生児に四肢欠損、視聴覚等の感覚器や心肺機能の障害等の先天異常が発生したことに対する損害賠償訴訟である。

b 1961年11月、西ドイツのレンツ博士がサリドマイド製剤の催奇形性について警告を発し、日本でも翌月から回収が行われた。

c 血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体のうち、一方の異性体(S体)のみが有する作用であり、もう一方の異性体(R体)にはないため、R体のサリドマイドを分離して製剤化すれば催奇形性を避けることができる。

d サリドマイドによる薬害事件により、WHO加盟国を中心に市販後の副作用情報の収集の重要性が改めて認識された。

1(a、c) 2(b、c) 3(b、d) 4(a、d)


サリドマイド訴訟に関する問題。

a 正しい。「睡眠鎮静剤」である点は憶えておくこと。
b 誤り。
日本では同年12月に西ドイツ企業から勧告が届いており、翌年もその企業から警告が発せられていたにもかかわらず、出荷停止は1962年5月まで行われず、販売停止及び回収措置は同年9月であるなど、対応の遅さが問題視された。
c 誤り。
まず、サリドマイドの副作用である血管新生を妨げる作用は、サリドマイドの光学異性体(R体、S体)のうち、S体のみが有する作用である点を知っておく必要がある。もう一方の異性体(R体)には血管新生を妨げる作用はなく、また、求められている鎮静作用はR体のみが有するとされている。

さらに「R体とS体は体内で相互に転換するため、R体のサリドマイドを分離して製剤化しても催奇形性は避けられない。」点も出題されるので、知識はセットで押さえておこう。

ちなみに、光学異性体とは、分子の化学的配列(炭素原子や水素原子等がどう並んでいるか)は同じだが、その分子構造が鏡像関係(鏡に映ったように左右対称の関係)にあり、互いに重ね合わせることができないものを言います。例としては、右手と左手の関係がわかりやすい。
なお、R体とS体が分離されていない混合体を「ラセミ体」と呼ぶことがある(手引きにも記載あり)。
d 正しい。

なお、医薬品副作用被害救済制度は、サリドマイド訴訟スモン訴訟を契機として、1979年に創設された。今回は出題されていないが、頻出なので押さえておくように。

正答・・・4


問 20 薬害に関する記述について、誤っているものはどれか。

1 クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、ウイルスで汚染されたヒト乾燥硬膜の原料が、化学的処理が行われないまま脳外科手術で移植に用いられたことにより発生した。

2 生物由来の医薬品等によるヒト免疫不全ウイルス(HIV)やCJDの感染被害が多発したことにかんがみ、生物由来の医薬品等による被害の救済制度が創設された。

3 一般用医薬品の販売等に従事する者は、薬害事件の歴史を十分に理解し、医薬品の副作用等による健康被害の拡大防止に関して、医薬品の情報提供、副作用報告等を通じて、その責務の一端を担っていることを肝に銘じておく必要がある。

4 スモンの症状として、初期には腹部の膨満感から激しい腹痛を伴う下痢を生じ、次第に下半身の痺れや脱力、歩行困難等が現れる。


薬害知識に関する総合問題である。ここで、スモン訴訟クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)訴訟に関する内容も加わっている。

1 誤り。「ウイルス」が×。CJDは、細菌でもウイルスでもないタンパク質の一種であるプリオンが原因とされている。
2 正しい。2002年の薬事法改正に伴い、生物由来製品の安全対策強化、生物由来製品による感染等被害救済制度の創設等がなされた。(1979年の医薬品副作用救済制度とはしっかり区別しておくこと)
3 正しい。
4 正しい。

正答・・・1

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