特に点鼻薬成分で知られる。過度の使用による二次充血に注意

ナファゾリンは、血管平滑筋のα-アドレナリン受容体に作用して血管を収縮させる働きがあり、目の充血や、鼻づまり(鼻閉)の改善を目的に、点眼・点鼻液に用いられています。
ナファゾリン製剤は1940年代にドイツで開発され、日本では1953年から発売されています。医療用では「プリビナ液」が代表品であり、点鼻薬として使用される他、経鼻内視鏡検査(鼻からの胃カメラ)の前処置に用いられることもあります。
また、点鼻液としての使用では、過度に使用されるとリバウンド現象として、鼻粘膜の血管が反応しなくなり、鼻閉を起こす(二次充血)ことが知られています。これがさらに連用を促す恐れがあるため、長期連用には注意する必要があるとされています。

 一般用医薬品の添付文書にも「してはいけないこと」に、「長期連用はさけてください」と書かれており、販売者も周知しておく必要があるでしょう。
では「どれくらい使えば長期連用なのか?」

医療用では色々報告がありますが、OTC販売では、せいぜい7日程度が無難な返答と思われます。

また、通常の感冒なら使用期間は限られますが、花粉症シーズンでは購入者への注意喚起は必要かもしれません。
特にナファゾリン含有タイプは「ナザール」のように割と廉価なこともあり、連用される恐れがあります。しかも、シーズン時には、店頭でのジャンブル陳列(カゴに商品を山積する方法)による特売も行われていたりします。

なお、長期連用して二次充血が起きても、投与中止で7~10日程度で消失すると言われています。(プリビナ液インタビューフォームより)

余談ですが、ジェイソン・ステイサム主演の映画「アドレナリン」で、アドレナリン作動性成分(或いはエフェドリン系類似薬)の点鼻薬を使っていると思われるシーンがありました。

中国マフィアに打たれた合成毒の影響で、アドレナリンを出し続けていないと心臓が止まってしまうと言われた主人公が、侵入した病院でアドレナリン注射を探す場面があります。しかし、なかなかアドレナリン注射が手に入らず、代替品として、薬局の点鼻液を強奪し、点鼻しまくるという場面でした。

もちろん、アドレナリンの代替とはいきませんが、類似の性質を利用した演出でしょう。(残念ながら予告編にそのシーンはありませんが、カフェインを多く含んだレッドブルを飲みまくるシーンはあります。)

最後に、「問題作成の手引き」の点鼻薬の項目は以下の通り

「アドレナリン作動成分: 交感神経系を刺激して鼻粘膜を通っている血管を収縮させることにより、鼻粘膜の充血や 腫れを和らげることを目的として、ナファゾリン塩酸塩、フェニレフリン塩酸塩、テトラヒ ドロゾリン塩酸塩等のアドレナリン作動成分が用いられる。アドレナリン作動成分が配合さ れた点鼻薬は、過度に使用されると鼻粘膜の血管が反応しなくなり、逆に血管が拡張して二次充血を招き、鼻づまり(鼻閉)がひどくなりやすい。」