登録販売者試験について、ネットを使えば容易に十分な情報を入手できますので、ここでは気になりそうな点に絞って解説しています。
受験資格について(平成27年度から撤廃)
平成26年度までは、ドラックストア等での、一般用医薬品を扱う店舗等での実務経験の証明が必要でした。
しかし、平成27年度から受験資格が撤廃され、年齢・学歴・勤務経験に関わらず、だれでも受験できます。
実務経験だけでなく、年齢制限もないので、中学生・高校生でも受験できます。
試験日・試験場所について
試験は各都道府県で毎年1回は行われています。開始当初は、各県において年2回行われていましたが、平成27年度以降は、年1回で実施されています。
但し、各都道府県毎と言っても、エリア毎で同じ試験問題を使用し、同日実施されるという特徴があります。
平成30年度現在、同一問題で同日実施されるエリアは以下の通りです。(試験日は8月末~12月)
・北海道・東北
・東京都
・南関東(平成27年度は東京と同日・共通試験で実施されました)
・北関東・甲信越
・東海・北陸
・近畿
・奈良県
・大阪府
・中国
・四国
・九州・沖縄
なお、今までは平日に試験を行う地域が多くありましたが、受験資格要件が撤廃された平成27年度から、平日ではなく日曜日にも行う傾向があるようです。
なお、この試験を受験する際に、知っておきたい点として、以下の点があります。
①自分の都合の良い地区で受験できる。
②異なる受験日の地区に重複して申し込める。
①については、仕事の都合で近くで受験できなければ、他エリアで行われる試験も受験可能です。
また、自県の試験問題が難化しており、例年合格率が安定している他エリアで受験したい、ということも可能です。もちろん取得資格に、何ら違いはありません。
②については、「ドラックストア勤務で、どうしても合格しなければまずい!」といった場合に、保険で、同年度に複数地区に申し込むことができます。但し受験手数料が、各県15,000円程度かかりますし、保険があると集中力が上がらなくなるデメリットがあります。
また、近年の九州・沖縄地区の試験は12月に実施されていますが、他地域での受験・自己採点で不合格の場合は、(まだ申し込むが間に合う)九州での試験に申込み、再挑戦する方もいるようです。
試験内容・合格基準・合格率
試験は4択or5択のマークシート方式で行われます。計120問を240分の制限時間で解答します。
合格基準は総出題数(120問)に対して、7割以上の正答率、且つ各試験項目毎に3.5割(一部4割)以上正答であることです。
また、各地域・年度でバラつきがありますが、合格率はおおよそ50%です。
(合格率は西日本が比較的低く、特に九州・沖縄は20%前後の場合があります。)
正答率7割と言うと結構大変そうな印象をうけるかもしれませんが、後述するように試験内容が明示されていること、大部分の問題が頻出内容で占められることから、効率よく学習すれば1か月程度でも合格できます。合格に必要な学習時間はこちら
試験項目 | 出題数 | 配分時間 |
医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 | 40分 |
人体の働きと医薬品 | 20問 | 40分 |
主な医薬品とその作用 | 40問 | 80分 |
薬事関連法規・制度 | 20問 | 40分 |
医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 | 40分 |
試験時間は午前、午後に分けて、2時間づつで行われることが一般的です。しかし、試験スケジュールは各県によってバラバラで、第1章から第5章に順番に行なわれる訳ではありません。
時間配分は1問あたりの2分になりますが、(今のところ)計算問題や、記述問題は出題されませんので、相当時間は余ります。
各県で若干退室ルールは異なるでしょうが、午前の部で解答を十分確認でき次第、途中退席して次の出題範囲の確認に取り組み、直前の短期記憶を十分活かすべきです。
試験の出題範囲について
この試験は、全部で120問もあり、試験範囲のボリュームとしては、決して少なくありません。
しかし、出題される範囲・内容は、厚生労働省から公開されている「試験問題作成に関する手引き」から出題されます。
厚生労働省の「試験問題作成に関する手引き」サイトはこちら(PDFをダウンロードできます。)
様々な資格試験が存在する中で、これ程明確に試験範囲が明示されている試験は珍しいかもしれません。
しかも、手引きに記載されている文章が、ほぼそのまま出てきます。
極端に言うと、出題の手引きの内容をすべて暗記していれば100%合格できます。但し約350ページに渡る資料ですので、過去問解説書や参考書を使った学習や、講師を利用した方が効果的でしょう。