カルプロニウム塩化物(毛髪用薬)・・カロヤンに使われています。

第三類扱いの毛髪用薬成分。「カロヤン」ブランドに使用されている。

カルプロニウム塩化物は、脱毛症に使用される成分であり外用薬として用いられます。

カルプロニウム塩化物は、使用部位においてアセチルコリンに類似した作用(コリン作用)を示し、頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられます。

また、アセチルコリンと異なり、アセチルコリンエステラーゼ(分解酵素)による分解を受けにくく、局所での作用が持続するとされています。

このカルプロニウム塩化物は、医療用成分としては1969年から販売されており、「フロジン液」(不老人が由来)の販売名で知られていました。しかし、現在は、よりエビデンスが高い市販薬「リアップ」や、処方薬「プロペシア」の登場もあり、最近は見かけることは少なくなりました。

OTC医薬品では、「カロヤン」ブランドで使用されています。多くの成分が含まれていますが、このカルプロニウム塩化物が、主役的な役割を果たしています。

カロヤンでは、他の市販薬同様に、同一ブランドで類似製品を多数販売するライン拡張が行われていますが、2015年に発売された新製品「カロヤン プログレ EX O」の適応は以下のとおりです。

●壮年性脱毛症、円形脱毛症、びまん性脱毛症、粃糠性脱毛症 
●発毛促進、育毛、脱毛(抜毛)の予防、薄毛
●ふけ、かゆみ
●病後・産後の脱毛

医薬品成分は、カルプロニウム塩化物(2%)の他、チクセツニンジンチンキ、カシュウチンキ、ピリドキシン塩酸塩、ヒノキチオール、パントテニールエチルエーテル、l-メントールが含まれます。

なお、医療用のフロジン液では、カルプロニウム塩化物は5%の濃度で含有しますが、OTCの最大量は2%になっています。

 


最後に、出題の手引きでは、副作用として「コリン作用による局所又は全身性の発汗、それに伴う寒気、震え、吐きけが現れることがある。」と記載があります。但し全身性の副作用は滅多にありません。


このように、カルプロニウム塩化物は頭皮の血管を拡張、毛根への血行を促すことによる発毛効果を期待して用いられます。
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