容器・外箱等への法定表示事項

容器・外箱等への法定表示事項については、登録販売者試験では頻出ですが、出題されるポイントは割と絞られるものの、業界内にいないと結構わかりづらい内容が多々あります。

試験問題の作成に関する手引き(令和6年4月改訂版)の記載は以下の通り(一部改変)
(法令改正で常に変化しますので、手引きの内容は常に最新のものをご確認ください。)

(a) 製造販売業者等(1)の氏名又は名称及び住所
(b) 名称(日局に収載されている医薬品では日局において定められた名称、また、その他の医薬品で一般的名称があるもの(2)ではその一般的名称)
(c) 製造番号又は製造記号
(d) 重量、容量又は個数等の内容量
(e) 日局に収載されている医薬品については「日本薬局方」の文字等
(f) 要指導医薬品である旨を示す識別表示
(g) 一般用医薬品のリスク区分を示す識別表示
(h) 日局に収載されている医薬品以外の医薬品における有効成分の名称及びその分量
(i) 誤って人体に散布、噴霧等された場合に健康被害を生じるおそれがあるものとして厚生労働大臣が指定する医薬品(殺虫剤等)における「注意-人体に使用しないこと」の文字
(j) 適切な保存条件の下で3年を超えて性状及び品質が安定でない医薬品等、厚生労働大臣の指定する医薬品における使用の期限
(k) 配置販売品目以外の一般用医薬品にあっては、「店舗専用」の文字
(l) 指定第二類医薬品にあっては、枠の中に「2」の数字

(1)法第19条の2の規定に基づく承認を受けた医薬品については外国製造医薬品等特例承認取得者等の氏名等も記載される。
(2)製剤化されていない単味の生薬などが該当する。

おそらく一番??なのが、(K)の「店舗専用」でしょう。

「店舗専用」の表記は、配置薬販売に不適(経年変化がおきやすい。使用方法が難しい等)な製品に対するものと考えれば良いでしょう。しかし、普段目にする一般用医薬品を見ても、まず書いてません。(実際そのような表示の商品があるか不明)あまり深く考えず、試験対策として憶えてしまうのが得策です。

次にわかりづらいのが(j)の「使用の期限」について

第5章の「適切な保存条件の下で製造後3年を超えて性状及び品質が安定であることが確認されている医薬品において(使用の期限の)法的な表示義務はないが、流通管理等の便宜上、外箱等に記載されるのが通常となっている」を知らないと、最初は??かもしれません。

つまり、製造後3年を超えて品質が安定及び諸条件をクリアしていれば使用期限を記載しなくても良いということになりますが、現在使用期限の記載のない製品はまずありませんので、最初は非常にわかりづらいですね。
なお、一昔前は、漢方薬など期限記載のないものが実際に販売されていた時期がありました。また、医療用麻薬についても、わりと最近まで使用期限が記載されていませんでした。

また、直接の容器・外箱への「医薬品の効能又は効果」は法的表示事項ではないことも押さえておきましょう。(平成27年度 東京都・南関東・問45で出題された。)

また、良くあるひっかけ問題が(a)〇製造販売業者⇒×製造業者 のパターンです。これは何故か超頻出です。

単純に憶えてしまっても良いですが、記憶を定着させるためには医薬品における「製造業者」「製造販売業者」「販売業者」の違いを多少知っていると良いでしょう。簡単に表現すると以下のような感じです。

製造業者」・・医薬品を製造する業者 
製造販売業者」・・医薬品の製造元を管理し製品管理の全責任を負う業者
販売業者(販売元)」・・(製造販売業者から委託で)医薬品を販売する販売業者

なので、一般消費者の方の企業知名度としては、製造業者<製造販売<販売業者 と言うことが多いです。
特に医薬品の製造業者は、主に地方都市にあって製造に特化し、複数の製造販売元から委託(OEM)を受けて製造しているケースが多いですが、直接消費者向けに販売はできません
販売業者(販売元)はTVCMでも見かけるブランド名となることが多いです。なお、必要に応じて販売業者の氏名又は名称及び住所も併せて記載することになっています。(添付文書も同様)

また、製造販売元が直接消費者向けに販売(市場に出荷)することも可能なので、その場合は販売業者(販売元)は記載されません。

↓ある一般用医薬品の外箱表示


なお、自社で一貫して、医薬品を製造・販売する場合は、「医薬品製造業許可」「医薬品製造販売業許可」どちらも取得が必要です。

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