白血球の出題ポイント(第2章)

好中球・リンパ球・単球まで区別できるように

血球に関しては、赤血球(RBC)・白血球(WBC)・血小板(PLT)が出題されます。

名称自体は中学レベルの知識ですので、聞いたことがないという方は殆どいないと思います。
特に赤血球・血小板については、特徴もわかりやすく、出題ポイントも限られているので対策はしやすいでしょう。
一方で、白血球に関しては、細かい分類が問われますので、しっかり学習する必要があります。

出題の手引きの記載は以下のとおり(一部改変)

白血球・・・体内に侵入した細菌やウイルス等の異物に対する防御を受け持つ細胞である。

→これは問題ないでしょう。中学理科レベルの知識です。更に、形態や機能の違いから細かい分類が問われます。白血球は全部で5種類(好中球・リンパ球・単球・好酸球・好塩基球)に分類されますが、出題されるのは以下の3種類のみです。

好中球・・・最も数が多く、白血球の約60%を占める。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、感染が起きた組織に遊走して集まり、細菌やウイルス等を食作用によって取り込んで分解する。
→実際の血液検査の基準範囲としては50%~60%程度で幅がある。

リンパ球・・・白血球の約1/3を占め、血液のほかリンパ液にも分布・循環している。リンパ節、脾臓等のリンパ組織で増殖し、細菌、ウイルス等の異物を認識したり(T細胞リンパ球)、それらに対する抗体(免疫グロブリン)を産生する(B細胞リンパ球)。
→実際の血液検査の基準範囲としては25%~45%程度で幅がある。

単球・・・白血球の約5%と少ないが最も大きく強い食作用を持つ。血管壁を通り抜けて組織の中に入り込むことができ、組織の中ではマクロファージ(貪食細胞)と呼ばれる。
→単球と(出題されないが)好酸球・好塩基球はそれぞれ数%である。

これらのほか、アレルギーに関与する白血球もある。
→試験範囲外ですが、例えば「好酸球」は花粉症等のアレルギー疾患でも上昇するこがあります。

これら種々の白血球が協働して、生体の免疫機能が発揮される。感染や炎症などが起きると全体の数が増加するとともに、種類ごとの割合も変化する。

手引きの内容をそのまま憶えてしまえば、とりあえず点にはなりますが、単純に覚えても面白いものではないので、身近な例を提示したいと思います。

風邪で病医院を受診する際に、高熱や酷い咳など、一般的な風邪よりも症状がひどい時に、血液検査を行った経験がある方も多いでしょう。数分程度で結果がでる簡易検査でも、血液像から以下のような結果を出すことができます。
近年は、医療機関において抗生物質の安易な処方を控えるようになってきていますが、CRPや白血球数などの血液検査値が処方判断材料の一つとして利用されています。


改めて、手引きに書かれているリンパ球や、単球の百分率と比べてみて下さい。

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