近年、オーバードーズの問題でも取り沙汰されている成分
令和8年5月より指定濫用防止医薬品に指定された。
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は非麻薬性鎮咳成分で、延髄の咳嗽中枢に作用し咳反射を抑え、鎮咳作用を示す成分です。

医療用では、1950年代から発売されており「メジコン」の商品名で有名です。現在でも良く処方されており、麻薬性鎮咳剤(コデイン、ジヒドロコデインリン酸塩)より広く用いられているでしょう。
成人では、メジコン錠15㎎ 3錠~6錠/分3 (1日45㎎~90㎎を1日3回に分けて飲む)で処方されることが多いようです。
「一方、OTC医薬品では、鎮咳成分としては麻薬性鎮咳成分のジヒドロコデインリン酸塩の方が効果感も高い為か主流で、デキストロメトルファン臭化水素酸塩が配合された商品は、あまり多くありません。」
⇒2015年3月には、このように記載していましたが。しかし、その後は配合製品が少しずつ増えており、特に「コンタック」ブランドでよく配合されています。他に「宇津こどもせきどめ」等があります。
さらに、2021年8月より「メジコンせき止め錠pro」の製品名で、医療用と同じシオノギ製薬からOTCとして販売されています。

また、ジヒドロコデインリン酸塩が12歳未満での使用が原則禁止となりましたので、ファミリーユース向けの総合感冒薬において使用されるケースが増えるかもしれません。
一方で、このデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、濫用等の恐れのある医薬品には指定されていませんが、2023年頃から若者による幻覚を目的としたオーバードーズによる薬物乱用においても、度々が取り沙汰されており、販売サイドとしては若年者への販売では特に注意が必要です。
そして、令和8年5月の改正薬機法により、「濫用等の恐れのある医薬品」から名称が変更され、より販売ルールが厳格化された「指定濫用防止医薬品」に該当する成分として指定されることになりました。
登録販売者試験では、特に第4章で指定濫用防止医薬品である8成分のうちの一つとして出題されるケースが増えるかと思います。他にも非麻薬性鎮咳成分であることも是非押さえておきましょう。
(2026.7 補足)
なお、韓国ではこのデキストロメトルファンによる幻覚を目的とした濫用が、かなり以前より問題視され、2003年10月より、1日用量60mgを超えるものについては向精神性医薬品に指定され、単剤製剤についてはその後許可が取り消されています。そのため、日本製品も含め同成分を含有した海外製の市販薬の持ち込みが禁止されていています。ただし、国内において、1日用量が60㎎以下の風邪薬等の複合剤については向精神性医薬品の指定外となっています。
参考:韓国関税庁 公式HP: 마약성분 함유 의약품 주의사항(麻薬成分含有医薬品の注意事項)
ソウル経済(Seoul Economic Daily): 関税庁、麻薬類含有不法医薬品搬入注意報発令
韓国医薬情報センター:https://common.health.kr/shared/health덱스트로메토르판(dextromethorphan).pdf
↓1カプセルあたり、デキストロメトルファン8㎎含有する総合感冒薬。大人は1回2カプセル、1日3回服用。
他に、アセトアミノフェン、グアイフェネシン、プソイドエフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩を含有。

