デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(非麻薬性鎮咳剤)
近年、オーバードーズの問題でも取り沙汰されている成分
デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は非麻薬性鎮咳成分で、延髄の咳嗽中枢に作用し咳反射を抑え、鎮咳作用を示す成分です。
医療用では、1950年代から発売されており「メジコン」の商品名で有名です。現在でも良く処方されており、麻薬性鎮咳剤(コデイン、ジヒドロコデインリン酸塩)より広く用いられているでしょう。
成人では、メジコン錠15㎎ 6錠/分3 (1日90㎎を1日3回に分けて飲む)で処方されることが多いようです。
「一方、OTC医薬品では、鎮咳成分としては麻薬性鎮咳成分のジヒドロコデインリン酸塩の方が効果感も高い為か主流で、デキストロメトルファン臭化水素酸塩が配合された商品は、あまり多くありません。」
⇒2015年3月には、このように記載していましたが。しかし、その後は配合製品が少しずつ増えており、特に「コンタック」ブランドでよく配合されています。他に「宇津こどもせきどめ」等があります。
さらに、2021年8月より「メジコンせき止め錠pro」の製品名で、医療用とおなじシオノギ製薬からOTCとして販売されています。
また、ジヒドロコデインリン酸塩が12歳未満での使用が原則禁止となりましたので、ファミリーユース向けの総合感冒薬において使用されるケースが増えるかもしれません。
一方で、このデキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物は、濫用等の恐れのある医薬品には指定されていませんが、2023年頃から若者によるオーバードーズによる薬物乱用においても、名前が取り沙汰されており、販売サイドとしては販売時に注意が必要です。
登録販売者試験では、それなりに出題されていますが、手引きには詳しい特徴までは記載されていません。とりあえず非麻薬性鎮咳成分であることは押さえておきましょう。