R5 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第2章 人体の働きと医薬品(問21-30)

胆汁酸塩(問22)角質層(問29)は対応しづらい

問21
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 歯冠の表面は象牙質で覆われ、象牙質の下にはエナメル質と呼ばれる硬い骨状の組織がある。

b 飲食物を飲み込む運動(嚥下)が起きるときには、喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に開くことにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。

c 胃は、食道から内容物が送られてくると、その刺激に反応して胃壁の平滑筋が弛緩し、容積が拡がる(胃適応性弛緩)。

d 胃粘液に含まれる成分は、小腸におけるビタミンB12の吸収に重要な役割を果たしている。

  a b c d
1 誤 誤 正 正
2 正 誤 誤 正
3 誤 正 誤 誤
4 正 正 正 誤
5 誤 正 正 正


消化器系に関する問題

a 誤 「エナメル質」と「象牙質」が逆になっている。歯冠の表面はエナメル質で覆われ、体で最も硬い部分となっている。エナメル質の下には象牙質と呼ばれる硬い骨状の組織があり、神経や血管が通る歯髄を取り囲んでいる。

b 誤 飲食物を飲み込む運動(嚥下)が起きるときには、喉頭の入り口にある弁(喉頭蓋)が反射的に閉じる(×開く)ことにより、飲食物が喉頭や気管に流入せずに食道へと送られる。
c 正
d 正 関連記事:ビタミンB12

正解・・・1


問22
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化する酵素の供給を担っている。

b 肝臓で産生された胆汁に含まれる胆汁酸塩(コール酸、デオキシコール酸等の塩類)は、タンパク質の消化を容易にし、また、水溶性ビタミンの吸収を助ける。

c 大腸は、盲腸、虫垂、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸からなる管状の臓器で、内壁粘膜に 絨毛がある。

d 肛門には動脈が細かい網目状に通っていて、肛門周囲の組織がうっ血すると痔の原因となる。

  a b c d
1 誤 正 誤 誤
2 正 誤 誤 誤
3 正 正 誤 正
4 正 誤 正 正
5 誤 正 正 誤


消化器系に関する問題
胆汁酸の知識は、あまり出題されていないので迷うかもしれない。

a 正 膵臓は、炭水化物、タンパク質、脂質のそれぞれを消化するすべての酵素の供給を担っている。(膵液にはタンパク質を分解するトリプシンの前駆物質であるトリプシノーゲン、デンプンを分解するアミラーゼ(膵液アミラーゼ)、脂質を分解するリパーゼなどが含まれている)
b 誤 胆汁酸塩は、脂質の消化を容易にし、また、脂溶性ビタミンの吸収を助ける。
c 誤 大腸には、小腸とは異なり、内壁粘膜に絨毛はない
d 誤 肛門には静脈(×動脈)が細かい網目状に通っている。

正解・・・2


問23
呼吸器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布し、鼻汁を分泌する。

b 喉頭は、発声器としての役割もあり、呼気で喉頭上部にある声帯を振動させて声が発せられる。

c 喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管支といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を気管という。

d 肺自体には肺を動かす筋組織がないため、自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤


呼吸器系に関する問題

a 正
b 正
c 誤 「気管」と「気管支」が逆になっている。
d 正

正解・・・2


問24
循環器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれており、心室で血液を集めて心房に送り、心房から血液を拍出する。

b 血管壁にかかる圧力(血圧)は、通常、上腕部の動脈で測定され、心臓が収縮したときの血圧を最小血圧という。

c 四肢を通る静脈では血流が重力の影響を受けやすいため、一定の間隔で存在する内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達しており、血液の逆流を防いでいる。

d 消化管壁を通っている毛細血管の大部分は、門脈と呼ばれる血管に集まって肝臓に入る。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


循環器系に関する問題

a 誤 心臓は、「心房」で血液を集めて「心室」に送り、心室から血液を拍出する。

b 誤 後半部分が誤り。心臓が収縮したときの血圧は最大血圧である。また、心臓が弛緩したときの血圧は最小血圧である。
c 正
d 正

正解・・・5 


問25
血液及びリンパ系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 血漿は、90%以上が水分からなり、アルブミン、グロブリン等のタンパク質のほか、微量の脂質、糖質、電解質を含む。

b 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や血中脂質量で決まり、赤血球の量はほとんど影響を与えない。

c リンパ球は、血液中の白血球の中で最も数が多く、白血球の約60%を占めている。

d リンパ管は、互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある動脈につながるが、途中にリンパ節と呼ばれる結節がある。

  a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 誤 誤 誤 正
5 誤 正 正 誤


血液に関する問題。
白血球の細分類(好中球、リンパ球、単球の違い)は直前期までには整理しておきたい。

a 正
b 誤 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない
c 誤 好中球(×リンパ球)は、最も数が多く、白血球の約60%を占めている。(リンパ球は、白血球の約1/3を占める)
d 誤 リンパ管は互いに合流して次第に太くなり、最終的に鎖骨の下にある静脈(×動脈)につながるが、途中にリンパ節と呼ばれる結節がある。

正解・・・2


問26
泌尿器系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 腎小体では、原尿中のブドウ糖やアミノ酸等の栄養分及び血液の維持に必要な水分や電解質が再吸収される。

b 腎臓には内分泌腺としての機能もあり、骨髄における赤血球の産生を促進するホルモンを分泌する。

c 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。

d 女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。

1(a、b) 2(a、c) 3(a、d) 4(b、d) 5(c、d)


泌尿器系に関する問題
なお、令和4年手引き改訂により、副腎髄質ホルモンのアドレナリン・ノルアドレナリンは、エピネフリン・ノルエピネフリンとも表記される場合もあるので覚えておく。

a 誤 「腎小体」ではなく「尿細管」に関する記述である。腎小体では、血液中の老廃物が濾過され、原尿がつくられる。

b 正
c 誤 「副腎皮質」ではなく「副腎髄質」に関する記述である。副腎皮質では、副腎皮質ホルモンの一つであるアルドステロンが産生・分泌される。
d 正

正解・・・4


問27
目に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 水晶体の前には虹彩があり、瞳孔を散大・縮小させて眼球内に入る光の量を調節している。

b 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、遠くの物を見るときには丸く厚みが増し、近くの物を見るときには扁平になる。

c 結膜の充血では白目の部分だけでなく眼瞼の裏側も赤くなるが、強膜が充血したときは眼瞼の裏側は赤くならない。

d 涙器は、涙液を分泌する涙腺と、涙液を鼻腔に導出する涙道からなる。

  a b c d
1 誤 誤 誤 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 正 誤 正 正
5 誤 正 正 正


目に関する問題である。

a 正 なお、目の瞳孔は、交感神経系が活発になると散大し、副交感神経系が活発になると収縮する。(暗闇での戦闘状態をイメージすると理解しやすい)
b 誤 水晶体は、近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
c 正 結膜、強膜の違いは令和3年度も出題されています。
結膜は、眼瞼の裏側と眼球前方の強膜(白目の部分)とを結ぶように覆って組織を保護しており、薄い透明な膜であるため、中を通っている血管が外部から容易に観察できる。
d 正 なお、涙腺は上眼瞼の裏側にある分泌腺で、血漿(×リンパ液)から涙液を産生する点も覚えておく。

正解・・・4


問28
鼻及び耳に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 鼻中隔の前部は、毛細血管が少ないことに加えて粘膜が厚いため、傷つきにくく鼻出血を起こしにくい。

b 鼻腔と副鼻腔を連絡する管は非常に狭いため、鼻腔粘膜が腫れると副鼻腔の開口部がふさがりやすくなり、副鼻腔に炎症を生じることがある。

c 小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し、感染が起こりやすい。

d 内耳は、平衡器官である蝸牛と、聴覚器官である前庭からなり、いずれも内部はリンパ液で満たされている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


鼻及び耳に関する問題

a 誤 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。
b 正
c 正
d 誤 説明が逆。内耳は、聴覚器官である蝸牛と、平衡器官である前庭の2つの部分からなる。どちらも内部はリンパ液で満たされている。



正解・・・3


問29
外皮系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のセラミドでできた板状の角質細胞と、ケラチンを主成分とする細胞間脂質で構成されている。

b メラニン色素は、皮下組織にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。

c 毛球の下端のへこんでいる部分を毛乳頭といい、毛乳頭には毛細血管が入り込んで、取り巻く毛母細胞に栄養分を運んでいる。

d 汗腺には、アポクリン腺とエクリン腺の二種類があり、アポクリン腺は手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布する。

  a b c d
1 正 正 誤 誤
2 正 誤 誤 正
3 正 誤 正 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤


外皮系に関する問題
角質層の詳細が問われていて対応しづらい。

a 誤 「セラミド」と「ケラチン」が逆。(令和2年度にも同じ出題あり)
角質層は、細胞膜が丈夫な線維性のタンパク質(ケラチン)でできた板状の角質細胞と、セラミド(リン脂質の一種)を主成分とする細胞間脂質で構成されており、皮膚のバリア機能を担っている。
b 誤 これは頻出。メラニン色素は、「皮下組織」ではなく、「表皮の最下層」にあるメラニン産生細胞で産生される。
c 正
d 誤 汗腺の種類は頻出。汗腺には、腋窩(わきのした)などの毛根部に分布するアポクリン腺(体臭腺)と、手のひらなど毛根がないところも含め全身に分布するエクリン腺の二種類がある。

正解・・・5


問30
骨格系及び筋組織に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。

b 骨組織を構成する無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保つ。

c 平滑筋は、筋線維を顕微鏡で観察すると横縞模様(横紋)が見えるので横紋筋とも呼ばれる。

d 不随意筋は体性神経系で支配されるのに対して、随意筋は自律神経系に支配されている。

1(a、b) 2(a、c) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)


骨格系及び筋組織に関する問題

a 正
b 正
c 誤 これは「骨格筋」に関する記述である。平滑筋は、筋線維に骨格筋のような横縞模様がなく、消化管壁、血管壁、膀胱等に分布し、比較的弱い力で持続的に収縮する特徴がある。
d 誤 説明が逆。筋組織は神経からの指令によって収縮するが、随意筋(骨格筋)は体性神経系(運動神経)で支配されるのに対して、不随意筋(平滑筋及び心筋)は自律神経系に支配されている末梢神経系(自律神経、体性神経系)も確認を。


正解・・・1

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