抑肝散、抑肝散加陳皮半夏(小児鎮静薬)
試験では小児鎮静薬として頻出。
抑肝散は、登録販売者試験では、主に小児鎮静薬として登場する漢方薬です。特に、小児疳や夜泣きに関しての内容が良く出題されています。
手引での記述は以下の通り
「抑肝散は体力中等度をめやすとして、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(神経過敏)、歯ぎしり、更年期障害、血の道症に適すとされる。」
構成生薬は、ソウジュツ(蒼朮)、ブクリョウ(茯苓)、センキュウ(川きゅう)、チョウトウコウ(釣藤鈎)、トウキ(当帰)、サイコ(柴胡)、カンゾウ(甘草)の7種類です。
なお、「抑肝散」の「肝」は、西洋医学における肝臓とは異なり、いわゆる中医学の五臓(心・肺・脾・肝・腎)の一つです。「肝」は精神情志と関連するとされ、「肝」を抑えることで、精神の安定をもたらすと言われています。
しかし、試験では何故か良く出てくるものの、一般用医薬品として販売するのは、なかなか難しい漢方です。
まず、ドラックストア等で夜泣き・小児疳の薬を求めれるケースも少ないですし、相談を受けても、そう簡単に提案販売できるものでもありません。
一方、医療用医薬品の分野では、100種類以上ある漢方製剤の中で、大変処方の伸び率が高い漢方薬となっています。
これは、10年程前より認知症患者の周辺症状(攻撃的になったり、イライラしやすい等)の緩和に使われる機会が増え始め、患者数の増加もあり使用機会も増加傾向のようです。
認知症関連の特集で、健康TV番組で登場する事もあるので、ドラックストア等でも質問を受けるケースがあるかもしれません。最低限の知識は持っておいて損はないでしょう。
また、もう一つの抑肝散加陳皮半夏は、名称のとおり、抑肝散にチンピ(陳皮)とハンゲ(半夏)を加えたものです。こちらは、抑肝散よりも、胃腸の弱い方に適すると言われています。
手引きの記載は・・
「抑肝散加陳皮半夏は体力中等度をめやすとして、やや消化器が弱く、神経がたかぶり、怒りやすい、イライラなどがあるものの神経症、不眠症、小児夜なき、小児疳症(神経過敏)・・・」
このように、抑肝散・抑肝散加陳皮半夏は、鎮静効果を期待して使用される漢方薬です。
*令和4年手引き改定により、小児疳症⇒小児疳症(神経過敏)が追加になりました。