パモ酸ピルビニウム(ぎょう虫 駆虫薬)
蟯(ぎょう)虫用の駆虫薬
登録販売者試験では、「駆虫薬」に関する問題が、毎年ほぼ1題出題されます。
といっても、戦後、農業において人糞の代わりに化学肥料が使われるようになってからは、回虫や蟯虫の寄生率がめっきり減り、殆ど使用の機会もなく、最近のOTC関連の書籍にも扱われていません。
その為、あまり学習甲斐のない分野ですが、出題される内容も限られています。
出題の手引にでてくる医薬品成分と駆虫対象は以下の通りです。
①サントニン(回虫)
②カイニン酸 (回虫)
③ピペラジンリン酸塩 (回虫・蟯虫)
④パモ酸ピルビニウム(蟯虫)
この中で、現在でも一般用医薬品として販売されているのは、④パモ酸ピルビニウムになります。
他の3種類は、需要の減少による販売中止等により、現在一般用医薬品としての製品はないようです。
また、医療用の駆虫薬としては、コンバントリン(成分名:ピランテル)があり、蟯虫や回虫の駆除に使用されます。
なお、駆虫薬というと、ヒトの体にも悪そうなイメージを持たれやすいですが、基本的に駆虫薬は水に溶けず、ヒトの体内には吸収されず、殆ど悪影響はないとされています。
もし、試験直前期で時間がなければ、他より出題率も高めで、現在も販売されているパモ酸ピルビニウムだけでも押さえておきましょう。
手引きの記載内容は以下の通り
「蟯虫の呼吸や栄養分の代謝を抑えて殺虫作用を示すとされる。赤~赤褐色の成分で、尿や糞便が赤く着色することがある。水に溶けにくいため消化管からの吸収は少ないとされているが、ヒマシ油との併用は避ける必要がある。また、空腹時に服用することとなっていないが、同様の理由から、脂質分の多い食事やアルコール摂取は避けるべきである。」
特に、駆虫薬全般に関する知識ですが、「ヒマシ油を使用すると腸管内で駆虫成分が吸収されやすくなり、副作用を生じる危険性が高まるため、ヒマシ油との併用は避ける」ことに関しては、なぜか超頻出です。(むかし、駆除後の蟯虫を排出するために、下剤として使用したヒマシ油で、事故があったのでしょう)
ヒマシ油も、駆虫薬も現在販売現場で扱うことは殆どありませんが、試験対策と割り切って、必ず憶えておきましょう。