メクリジン塩酸塩(乗り物酔い防止薬)
乗り物酔い防止薬に。効果発現が遅く持続時間が長い利点がある。
メクリジン塩酸塩は、専ら乗り物酔い防止薬に用いられる抗ヒスタミン薬であり、吐き気やめまいを抑える働きを期待され用いられます。
乗り物酔い防止薬に使用される抗ヒスタミン薬としては、クロルフェニラミンマレイン酸、ジフェンヒドラミン塩酸塩と並び、結構使用されています。
また、他の抗ヒスタミン薬に比べ作用の発現が遅く、持続時間が長いといった特徴があるとされ、特に長距離の移動の場合により適すると言われています。
メクリジン塩酸塩が配合されている製品としては、エーザイの「トラベルミンファミリー」や大正製薬の「センパアS」などがあります。
出題の手引き(令和5年度版)では、乗物酔い防止薬の分野で登場し、記載内容は以下のとおりです。
「メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が現れるのが遅く持続時間が長く、これも専ら乗物酔い防止薬に配合されている。」
→抗ヒスタミン成分であることと、作用が現れるのが遅く持続時間が長い点が出題のポイントとなります。
抗コリン成分に分類され、(抗ヒスタミン成分等と比べて)作用の持続時間は短いとされているスコポラミン臭化水素酸塩水和物と対比して覚えるようにすると良いでしょう。
(その他)
デンゼル・ワシントン主演の映画「イコライザー」にて、酔い止め薬としてメクリジンが登場するシーンがあります。
大ヒット映画で、静かに暮らしていた元CIA工作員の主人公デンゼル・ワシントンが、ある娼婦の少女を助けたことをきっかけに、ロシアンマフィアに命を狙われることとなるアクション映画です。
報復のため、自宅に侵入してきたマフィアの刺客たちに、自身は海外に逃亡したと思わせるため、PCに海外航空チケットの検索履歴を残したり、テーブルの上に乗り物酔い防止薬のメクリジンがおかれているというシーンがあります。
(補足)
2013年名古屋大学の研究発表により、低身長症の治療(骨の成長を促す)への可能性が報告されたことで注目されました。身長を伸ばす目的で買いに来る人はまずいないでしょうが、一応知っておくと良いでしょう。