アモロルフィン塩酸塩(モルホリン系 抗真菌薬)
市販薬では、あまり用いられていない
アモロルフィン塩酸塩は、いわゆる「水虫・たむし」の治療に用いられるモルホリン系抗真菌薬です。
抗真菌薬の歴史でみれば、イミダゾール系の後に登場し、本邦では1993年より医療用医薬品「ペキロン」として販売が開始されました。その後、2002年にはスイッチOTC化されています。
真菌細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成を阻害することによって、菌の増殖を抑えますが、2段階のステップで合成阻害するのが大きな特徴です。
また、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩と同様に、皮膚貯留性に優れ、1日1回で使用できる利点があります。
しかし、一般用医薬品としては、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩に比べると含有する製品は多くありません。
代表的な製品は杏林製薬の「トークール」です。なお、大正製薬の「ダマリンエース」は製造終了し、現在流通していません。(追記:「トークール」も2018年に既に製造中止になっていました)
登録販売者試験では、それ程出題されていません。出題の手引きの記載内容は以下の通り
「アモロルフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、テルビナフィン塩酸塩
皮膚糸状菌の細胞膜を構成する成分の産生を妨げることにより、その増殖を抑える。」
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