H28 千葉県(東京・神奈川・埼玉共通) 第2章 人体の働きと医薬品 問21-30

特別難しい問題はない。

問21
消化器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 口腔内は、唾液によってpHがほぼ中性に保たれ、酸による歯の齲蝕を防いでいる。

b 炭水化物主体の食品の胃内での滞留時間は、脂質分の多い食品に比べて長い。

c 小腸において、炭水化物とタンパク質は、消化酵素の作用によってそれぞれ単糖類、アミノ酸に分解されて吸収される。

    a b c
1 正 正 誤
2 誤 誤 正
3 誤 正 誤
4 正 誤 正
5 誤 正 正

消化器系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。何となくイメージでも判断できるでしょう。胃内での滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的短く、脂質分の多い食品の場合には比較的長い。
c 正しい。

正答・・・4

問22
肝臓に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてグリコーゲンとして蓄えられる。

b 肝臓は、脂溶性ビタミンであるビタミンA、D等のほか、水溶性ビタミンであるビタミンB6やB12等の貯蔵臓器である。

c アルコールは、肝臓へと運ばれて一度酢酸に代謝されたのち、さらに代謝されてアセトアルデヒドとなる。

    a b c
1 正 正 正
2 正 誤 誤
3 正 正 誤
4 誤 誤 正
5 誤 正 正

肝臓に関する問題

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。酢酸とアセトアルデヒドが逆になっている。アルコールは、胃や小腸で吸収された後、肝臓へと運ばれて一度アセトアルデヒドに代謝されたのち、さらに代謝されて酢酸となる。なお、お酒に弱い人は、アセトアルデヒドを酢酸に代謝する能力が低い為と言われてる。
 
正答・・・3

問23
呼吸器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 鼻腔の入り口(鼻孔)にある鼻毛は、空気中の塵、埃等を吸い込まないようにするフィルターの役目を果たしている。

b 扁桃は、リンパ組織が集まってできていて、気道に侵入してくる細菌、ウイルス等に対する免疫反応が行われる。

c 喉頭から肺へ向かう気道が左右の肺へ分岐するまでの部分を気管といい、そこから肺の中で複数に枝分かれする部分を肺胞という。

d 肺胞は、異物や細菌が侵入してきたときのために粘液層や線毛によって保護されている。

    a b c d
1 正 正 正 正
2 正 誤 正 正
3 誤 誤 正 誤
4 誤 正 誤 正
5 正 正 誤 誤

呼吸器系に関する問題。
肺胞の線毛・粘液層の有無が難しい。
 
a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。×肺胞→〇気管支
d 誤り。肺胞はガス交換を行うため、粘液層や線毛によって保護されていない。肺胞まで異物や細菌が侵入してきたときには、肺胞表面を自在に移動できる肺胞マクロファージ(貪食細胞)が防御する。

正答・・・5

問24  心臓及び血管系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。 

a 心臓の内部は上部左右の心房、下部左右の心室の4つの空洞に分かれており、心房で血液を集めて心室に送り、心室から血液を拍出する。

b 心臓から拍出された血液を送る血管を動脈、心臓へ戻る血液を送る血管を静脈という。

c 静脈にかかる圧力は比較的高いため、血管壁は動脈よりも厚い。

d 心臓が弛緩したときの血圧を最大血圧、心臓が収縮したときの血圧を最小血圧という。 

    a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 正 正
5 誤 誤 正 誤
 

心臓及び血管系に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 誤り。これは簡単。静脈にかかる圧力は比較的低いため、血管壁は動脈よりも薄い。また逆流防止の弁があることも押さえておく。
d 誤り。心臓収縮期が最大血圧、心臓拡張期が最低血圧。

正答・・・2

問25  血液及びリンパ系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。 

a 血液の粘稠性は、主として血漿の水分量や赤血球の量で決まり、血中脂質量はほとんど影響を与えない。

b 赤血球の数が少なすぎたり、赤血球中のヘモグロビン量が欠乏したりすると、血液は酸素を十分に供給できず、疲労や血色不良などの貧血症状が現れる。

c 細菌による感染や炎症などが起きると、白血球全体の数が増加するとともに、白血球の種類ごとの割合も変化する。

d リンパ管には逆流防止のための弁がなく、リンパ液は双方向に流れている。 

    a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 正
3 正 誤 誤 誤
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 正

血液及びリンパ系に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。前半、後半ともに誤り。リンパ管には逆流防止のための弁があり、一定の方向に流れている。

正答・・・1

問26
泌尿器系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 副腎皮質では、自律神経系に作用するアドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌される。

b 腎臓は、血液中の老廃物の除去のほか、水分及び電解質(特にナトリウム)の排出調節が行われており、血液の量と組成を維持して、血圧を一定範囲内に保つ役割を担う。

c 女性は尿道が短いため、細菌などが侵入したとき膀胱まで感染を生じやすい。

d 男性は加齢とともに前立腺が肥大し、尿道を圧迫して排尿困難等を生じることがある。

    a b c d
1 正 正 誤 正
2 正 誤 正 正
3 誤 正 正 正
4 誤 正 誤 誤
5 誤 誤 正 誤

泌尿器系に関する問題。

a 誤り。アドレナリンとノルアドレナリンが産生・分泌されるのは「副腎髄質」。「副腎皮質」では、アルドステロン等の副腎皮質ホルモンが産生・分泌される。
b 正しい。
c 正しい。
d 正しい。

正答・・・3

問27
感覚器官(目、鼻及び耳)に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みが増す。

b 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。

c 聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭は、いずれの内部もリンパ液で満たされている。

    a b c
1 正 正 誤
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 誤 誤 正

感覚器官(目、鼻及び耳)に関する問題。

a 誤り。説明内容が逆。水晶体は近くの物を見るときには丸く厚みが増し、遠くの物を見るときには扁平になる。
b 正しい。
c 正しい。耳の構造は憶えるポイントが多いので、図でイメージできるように。



 
正答・・・3

問28
外皮系に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなる。

b 角質層は、表皮に存在し、皮膚のバリア機能を担っている。

c メラニン色素は、表皮の最下層にあるメラニン産生細胞(メラノサイト)で産生され、太陽光に含まれる紫外線から皮膚組織を防護する役割がある。

d 精神的緊張による発汗は、全身の皮膚に生じる。

    a b c d
1 正 正 正 誤
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 正
4 誤 誤 正 誤
5 誤 正 誤 正

外皮系に関する問題。

a 正しい。
b 正しい。
c 正しい。
d 誤り。これは経験的にもおかしいと判断できたでしょう。精神的緊張による発汗は手のひらや足底、脇の下の皮膚に限って起こる。一方、体温調節のための発汗は全身の皮膚に生じる。

正答・・・1

問29
骨格系及び筋組織に関する次の記述の正誤について、正しい組合せはどれか。

a 骨の基本構造は、主部となる骨質、骨質表面を覆う骨膜、骨質内部の骨髄、骨の接合部にある関節軟骨の四組織からなる。

b 骨の破壊(骨吸収)と修復(骨形成)は、骨が成長するまで繰り返され、成長した後は停止する。

c 骨格筋と平滑筋は、自分の意識どおり動かすことができる随意筋である。

    a b c
1 正 正 正
2 正 誤 正
3 誤 正 正
4 誤 正 誤
5 正 誤 誤

骨格系及び筋組織に関する問題。
cはうっかりミスしないように。

a 正しい。
b 誤り。成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。
c 誤り。平滑筋も心筋と同様に不随意筋(意識的にコントロールできない筋組織)である。

正答・・・5

問30
末梢神経系に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。

a 末梢神経系は、随意運動、知覚等を担う体性神経系と、呼吸や血液の循環等のように生命や身体機能の維持のため無意識に働いている機能を担う自律神経系に分類される。

b 交感神経系は、体が闘争や恐怖等の緊張状態に対応した態勢をとるように働くため、心臓に対しては心拍数を増加させ、胃に対しては胃液分泌を亢進させる。

c 交感神経系が活発になると瞳孔は収縮し、副交感神経系が活発になると瞳孔は散大する。

d 局所(腋窩等)に分布するアポクリン腺を支配する交感神経線維の末端ではノルアドレナリンが神経伝達物質として放出される。

1(a、b) 2(a、d) 3(b、c) 4(b、d) 5(c、d)

末梢神経系に関する問題。

a 正しい。
b 誤り。胃酸分泌亢進は副交感神経系である。交感神経ー心拍数増加は正しい。
c 誤り。これは直ぐに気付きたい。交感神経系ー瞳孔散大、副交感神経系ー瞳孔収縮。
d 正しい。

正答・・・2




 
 
  
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