合格に必要な学習時間について
どのようなバックグランドをお持ちでも、過去問5回分をやりこなせば十分合格できる試験です。
(具体的な学習方法については、テキスト学習から始める?それとも過去問から?)
では、実際どのくらいの学習時間が必要か?となると各受験生のバックグラウンドで大きく異なります。
あくまで著者の個人的私見ですが、大分余裕をもった見積もりで以下の通りではないでしょうか?
①医療事務・薬局事務・・・・100時間前後
普段の診断・治療・薬の処方といった体系的な知識から、ドラックストア等勤務者よりも、試験にはやや有利と思われます。特に処方箋の一般名処方が普及しているので、出題される薬の名称も知っている場合も多く、取組みやすいでしょう。但し一般名処方に馴染みがないと、医薬品名を憶えていくのが結構大変です。
また、自己啓発等のプレッシャーのない形で、合格率も標準的な地域での受験なら、過去問3回 50時間程度でも合格可能圏でしょう。
②ドラックストア等で実務経験・知識あり・・・100~150時間
とにかく、どの程度出題される医薬品名に馴染みがあるかで、必要時間は左右されます。また業務上必須の場合は、確実に合格するため、十分時間をとる必要があります。
③まったく実務経験・知識なし(専門学校など)・・・150時間~
医薬品のカタカナ名を抵抗なく覚えられる人はスムーズにいくでしょうが、そうでなければ、最初ストレスに感じるかもしれません。また法令・制度関連では、馴染みのなさから、学習の「つまらなさ」が、より生じやすいので、モチベーションの維持も重要となります。
なお、2016年からは、多くの医療系専門学校でカリキュラムに組み込まれています。4月入学なら、9月前後の試験日まで、約半年間の対策期間があります。しかし、ほとんどの学生が、知識がない状態からの学習スタートになりますので、最も重要な第3章への比重も意識しながら、効率的・効果的なカリキュラムを組む必要があります。
④薬剤師国試を受験する薬学生・・・30時間?
学校によっては、低学年より国試対策を行っていますが、薬剤師国家試験と重複した内容が多々ありますので、受験生の中でも、高得点で合格しやすいでしょう。
また、6年制に移行後、薬剤師国家試験の合格率が低下していますが、「試験の合格癖」をつけるために、受験資格撤廃後はおすすめです。また、合格定員がある試験ではありませんので、直接他の受験生に迷惑をかけることもありません。
⑤実務経験のある薬剤師・・・30時間~?
会社の研修・教育部門担当者の為、受験する方もいるかもしれません。
いきなり問題を解いたとしても6割程度とれる可能性はあります。ただし法令の暗記や、医療用では殆ど使われていない医薬品も多数出題されるので、合格するには準備は必要です。
最適な学習期間
また受験学習期間も、ダラダラと中途半端にやることはお勧めしません。ある程度毎日学習時間を確保できる方は、受験する2か月前ぐらいから集中的に学習し、短期学習で勝負すべきです。(もちろん業界未経験の方や、毎日残業で忙しい方は、もっと早めに準備した方が良いですが)
特に法規・制度・安全対策等の知識は、実務では活かす機会は限られ、面白味がない分野なので、モチベーションが高まっている試験前に集中的に行うべきです。
なお、良く資格試験関連の書籍には、「〇〇日間で一発合格・・・」といったタイトルで、短期間で合格できるかのように購入誘因するものもありますが、確実な合格の為には、最低1か月前には準備しないと難しいでしょう。
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