ケトチフェンフマル酸塩(第2世代抗ヒスタミン薬)
「ザジテン」ブランドで知られる成分
一般用医薬品に使用される、第二世代の抗ヒスタミン薬です。スイッチOTC薬で、医療用では「ザジテン」(1983年発売開始)として有名でしたが、一般用医薬品でも「ザジテン」ブランドが継承され、主にアレルギー性鼻炎の症状緩和に用いられています。
特徴としては、
①第一世代(クロルフェニラミンマレイン酸など)に比べ、眠気等の副作用が少ないとされる。
②作用時間が長く、内服では通常1日2回の服用で良い。
といった特徴があります。
一方で、眠気等の副作用については、個人差もありますが、クロルフェニラミンマレイン酸等よりも眠気を訴えるケースが多い印象です。また効果時間の長さが、むしろ眠気を増長する場合も考えられます。
また、医療用医薬品としては、小児科で鼻炎・風邪症状の小さいお子さんへの処方の際に、(しっかり睡眠・休息できるように)眠気も利用するような形で処方されることもあるようです。
(私もそうでしたが、一部強烈な眠気を催す人がいて、点鼻でも眠気を感じるケースもまれにあります。また、脳内ヒスタミン受容体占有率(≒眠気の出やすさ)を調べたデータでも、ケトチフェンフマル酸塩は、他の薬剤に比べ占有率が高いようです。Yanai K et al:Pharmacol Ther 113(1):1-15,2007)
市販薬としては2007年末から登場し、内服薬の他に、点眼薬・点鼻薬もラインナップされ、花粉症用として市販薬業界では注目されていました。しなしながら、その後アレグラFX(フェキソフェナジン)やアレジオン(エピナスチン塩酸塩)等のOTC市場への登場もあり、現在はテレビCMでも見かけなくなってしまいました。
なお、内服薬は2011でも販売可能になっています。ただ、どうしても強い眠気を訴えるケースがあるので、個人的には推奨しづらい製品です。(2024.7追記 一般用医薬品の「ザジテンALシリーズ」は2020年頃に販売終了となり、現在市場から姿を消しています。)
登録販売者試験では、それほど出題されていませんが、鼻炎用の内服薬(アレルギー用薬)、点鼻薬、点眼薬の成分として登場します。
(令和4年度の手引き改訂で、記載名称が「ケトチフェン」→「ケトチフェンフマル酸塩」に変わりました。)