リゾチーム塩酸塩(抗炎症成分)・・・そのうち市販薬からも姿を消してしまう!?

R4.5.27追記)
令和4年の手引き改定により、リゾチーム塩酸塩の記述が完全になくなりました。今後出題されることは、まずないでしょう。記事はそのまま残しておきます。

(H30.6.9追記)

平成30年4月の「問題作成の手引き」改訂により、リゾチーム塩酸塩の記載が大幅に削除されました。但し、点眼薬等の外用薬の分野では、まだ記載が残っているので、今後も出題される可能性はゼロではありません。以下の記事もそのまま残しておきます。削除に至った理由については関連記事を参照ください。

鶏卵アレルギーへの注意点は超頻出。アナフィラキシーも出題される。

リゾチーム塩酸塩は抗炎症成分に分類され、主に総合感冒やや鼻炎用内服薬に配合されて使用されています。
酵素の一種として知られていますが、炎症を生じた鼻粘膜や喉の組織の修復を助けたり、痰の粘り気を弱め、気道粘膜の線毛運動を促進して痰の排出を促す効果が期待され用いられます。

また、リゾチームはヒトや動物の鼻汁、涙液、白血球などに、元々含まれていることも知られています。

数多くの一般用医薬品に含まれている成分ですが、総合感冒薬や鼻炎用内服薬では、特に大正製薬の「パブロン」ブランドには、パブロンエース、パブロンA等、割と良く使用されています。

他にも、点眼薬やトローチにも使用され、点眼薬では、滅多に使用された製品はありませんが、アスパラ目薬L(田辺製薬)に抗炎症成分として配合されています。

そして、トローチでは、新コルゲンコーワトローチ(興和)にも配合されています。

このリゾチームに関する注意点は、鶏卵の卵白由来の成分を用いている為、鶏卵アレルギーのある人には使用を避けるという点です。かぜ薬はもちろん、外用薬の場合でも、内服同様「鶏卵アレルギー」は禁忌となります。

また、まれに重篤な副作用として、ショック(アナフィラキシー)、皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症を生じることがあります。

こう書くと、何か怖い薬のような印象を受けるかもしれませんが、医療用医薬品(ノイチーム、レフトーゼ等)では、小児科や耳鼻科で現在でも結構使用されています。
但し、コンビニ等で、陳列スペースが限られたり、販売側のリスクを避けたい場合は、リゾチーム塩酸塩含有製品は、ちょっと扱いずらいかもしれません。

なお、登録販売者試験では超頻出医薬品ですので、毎年出題されます。

CIMG3495最後に、記憶の定着の為に、この画像をご覧ください。

これは、主に小児科で用いられる医療用のリゾチームのシロップ剤(商品名:レフトーゼシロップ)です。

ラベル中央のイラストを良く見ると卵であるのがわかると思います。






(2016.3.21追記)
リゾチーム塩酸塩やプロナーゼ等の「消炎酵素」を呼ばれる医療用の抗炎症成分は、2016年3月17日の薬事・食品衛生審議会医薬品再評価部会における審議の結果、「現在の医療環境においては医療上の有用性は低下したと考えられ、現時点での医療上の有用性は確認できない」との見解が示されました。これを受け、メーカーの判断により販売中止・回収されることになりました。

一般用医薬品では、直ぐに市場から回収されることはないでしょうが、今後新たにリゾチーム塩酸塩を含む製品が発売されることはないと思われます。

関連記事:リゾチーム塩酸塩は、そのうち市販薬からも無くなるかも!?

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