グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸(抗炎症成分)

偽アルドステロン症に関する内容は超頻出

グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルレチン酸は、カンゾウ(甘草)の根に含まれている抗炎症成分です。

↓煎じ薬用のカンゾウ(刻)


グリチルリチン酸の持つステロイドに類似した基本構造から、抗炎症作用を示すと考えられています。

これらの成分やカンゾウ(甘草)は、総合感冒薬、鎮咳去痰薬、口腔咽喉薬、含嗽薬、点鼻薬、痔疾患用外用薬、歯槽膿漏薬、口内炎薬など、様々な製品に含まれています。
医薬品の他にも、医薬部外品や化粧品にも使用されています。(甘草エキスと表示されることもある)

なお「グリチルリチン酸二カリウム」については、グリチルリチン酸とカリウムが結合することで塩を形成し、グリチルリチン酸よりも水溶性を高めたものです。(点鼻薬、点眼薬、鼻炎用内服薬で割と登場する)


もう一つ似た名称の「グリチリレチン酸」ですが、これはグリチルリチン酸が加水分解され、やや構造が変化したものです。(ボラギノール等、痔の薬で良く登場する)

但し、一般用医薬品を販売する範囲内では、全てカンゾウ(甘草)由来の成分であることを押さえておけば、この3種類の違いを特別意識する必要はありません。登録販売者試験対策でも同様です。

登録販売者試験では、超頻出の成分です。第3章の他、第5章(副作用)でも良く出題されています。

とにかく「偽アルドステロン症」に関する内容は必ず出題されると思って学習を!

問題作成の手引き(令和5年度)の出題されやすいポイントは以下の通りです。

「グリチルリチン酸を大量に摂取すると、偽アルドステロン症を生じるおそれがある。」

「むくみ、心臓病、腎臓病又は高血圧のある人や高齢者では偽アルドステロン症を生じるリスクが高いため、それらの人に1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg 以上の製品を使用する場合は、治療を行っている医師又は処方薬の調剤を行った薬剤師に相談する等、事前にその適否を十分考慮する」

「1日最大服用量がグリチルリチン酸として40mg 以上となる製品は長期連用を避ける。」

「医薬品ではグリチルリチン酸としての1日摂取量が200mg を超えないよう用量が定められているが、グリチルリチン酸はかぜ薬以外の医薬品にも配合されていることが少なくなく、また、甘味料として一般食品や医薬部外品などにも広く用いられているため・・・グリチルリチン酸の総摂取量が継続して過剰にならないよう注意を促す必要がある。」

あまり、数値をしっかり憶える所は少ない試験ですが、40mg、200mgの数値は押さえておきましょう。稀に出題されます。

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