ジフェンヒドラミン塩酸塩(第一世代抗ヒスタミン薬・睡眠改善薬)
OTCでは代表的な抗ヒスタミン薬。主に皮膚疾患や睡眠改善薬として使用される。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、代表的な抗ヒスタミン薬であり、第一世代に分類される古くから使用されている成分です。
同じ第一世代のクロルフェニラミンマレイン酸と同様、その用途は多岐にわたっているのが特徴です。
出題の手引きでは、以下の5つの領域に登場します。
①痒み・腫れ等の皮膚症状の緩和(湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫さされ等)
②一時的な睡眠障害における睡眠改善薬(抗ヒスタミン作用による眠気の作用の応用)
③くしゃみ、鼻水症状の緩和(総合感冒薬、鼻炎薬における抗ヒスタミン成分として配合)
④点眼薬(目の痒みを抑える)
⑤外用痔疾患用薬(痔に伴う痒みの軽減)
特に、①皮膚症状の緩和薬として、数多くの製品に使用されており、外用薬成分だけではなく、内服薬成分としても用いられています。
「レスタミンコーワ糖衣錠」は、蕁麻疹・皮膚疾患への効能を持つ数少ない内服薬の一つであり、一般用医薬品販売に携わる場合は、必ず知っておきたい製品です。
また、外用薬としては、ステロイド非含有タイプの塗り薬に他の成分と一緒に使用されているケースが多いです。
代表例としては「ムヒソフトGX」、「オイラックスソフト」、「デリケア」「メンソレータム ADクリーム」等があります。
なお、外用薬としては、医療用でも貴重な非ステロイド外用薬の一つとして、まだまだ使用されているようです。
次に、②睡眠改善薬としての役割も、OTC販売において大変重要です。
ジフェンヒドラミン塩酸塩も、抗ヒスタミン薬の特徴として、眠気の副作用がありますが、逆にそれを利用したものです。
代表製品は、何と言っても、エスエス製薬「ドリエル」です。
2003年発売ですが、その後他社からも同様な製品が発売されています
また、ラベンダーアロマを配合したカプセルタイプの「ドリエルEX」という製品もあります。
なお、同様な目的の使い方は、医療用では通常行われていません。
次に③④⑤の、総合感冒薬・鼻炎薬・痔疾患用薬については、試験対策で憶えておいて損はありません。
ただし、総合感冒薬・鼻炎薬としては、クロルフェニラミンマレイン酸の方が主流であり、ほとんど配合されている製品はありません。
他に、出題のポイントとして、「使用上の注意」の、「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」に該当する成分であることを押さえておきましょう。過去にも良く出題されています。(乳児昏睡の恐れがあるため)
このように、ジフェンヒドラミン塩酸塩は、皮膚疾患や、睡眠改善薬等に用いられるなど、多岐にわたる用途に用いられる第一世代抗ヒスタミン成分です。