熱証向けの代表的な漢方薬の一つ
中医学における「熱証」(体の中に余分な熱がこもった状態)に対する漢方薬として知られています。
登録販売者試験では、喉の症状を緩和する漢方薬のジャンルでのみ登場しイメージしづらくなっていますが、体のほてりや、赤ら顔・皮膚の痒みなどに用いられるのが主のようです。
一般用医薬品としては目立たない存在ですが、医療用では、皮膚科から処方されることが比較的多いでしょう。また、自己免疫疾患による口腔乾燥症(シェーグレン症候群)に使用されることがあります。
構成生薬は以下の5種類です。
石膏(セッコウ):体の熱を冷ます「清熱」作用が強い生薬
知母(チモ):石膏の清熱作用を助け、潤いを与える。
甘草(カンゾウ):諸薬の調和を図り、鎮静作用や緩和作用がある。
粳米(コウベイ):胃腸を保護し、熱を冷ます作用を助ける。
人参(ニンジン):熱によって消耗した気を補い、体力を回復させる。
主薬の石膏は含水硫酸カルシウム鉱石であり、中医学では清熱薬に分類されます。下記の氷のような画像を見ると、なんとなく清熱のイメージが残りやすいでしょう。なお、「白虎」という名前の由来は、この石膏の白い色からきているという説もあるようです。
他にも、石膏を含む漢方薬としては麻杏甘石湯があります。
問題作成の手引きの記載内容は以下の通りです。
「体力中等度以上で、熱感と口渇が強いものの喉の渇き、ほてり、湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみに適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸虚弱で冷え症の人では、食欲不振、胃部不快感等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」
試験では、それ程出題頻度は高くありません。
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