殺虫成分に関する出題ポイント(登録販売者試験)

殺虫成分に関しては、毎年1問出題される程度ですが、出題の手引きには約20種類の成分名が登場し、やみくもに暗記しようとすると結構大変です。

有機リン系殺虫剤(ジクロスボス、ダイアジノン、フェニトロチオン、フェンチオン、トリクロルホン、クロルピリホスメチル、プロペタンホス)。ピレスロイド系殺虫成分(ペルメトリン、フェノトリン、フタルスリン)。カーバメイト系(プロポクスル)。オキサジアゾール系(メトキサジアゾン)。有機塩素系(DDT、オルトジクロロベンゼン)。昆虫成長阻害成分(メトプレン、ピリプロキシフェン、ジフルベンズロン)。殺虫補助成分(ピペニルブトキシド(PBO)、チオシアノ酢酸イソボルニル(IBTA))。忌避成分(ディート)
 
そこで、時間の無い受験生は、割と身近な存在でイメージが残り易く、出題頻度も高めな以下の5種類を優先的に憶えると良いでしょう。リンク記事で記憶を定着させてください。
  
有機リン系殺虫剤・・・ジクロルボス(バポナ殺虫プレート)
・カーバメイト系・・・プロポクスル(家周りの害虫侵入対策)
・ピレスロイド系・・・フェノトリン(スプレー殺虫剤・シラミ駆除用シャンプー)
・オキサジアゾール系・・・メトキサジアゾン(ゴキブリ駆除・バルサン)
・忌避成分・・・ディート(いわゆる虫除けスプレー)

有機リン系とカーバメイト系はセットで憶えて下さい。どちらも、アセチルコリンを分解する酵素(アセチルコリンエステラーゼ)と結合してその働きを阻害することで殺虫作用を示しますが、その違いに注意して下さい。

有機リン系・・・アセチルコリンエステラーゼとの結合は不可逆的

カーバメイト系・アセチルコリンエステラーゼとの結合は可逆的
 
なお、アセチルコリンエステラーゼとは、神経や筋肉の伝達物質である「アセチルコリン」を分解する酵素です。通常伝達の役割を終えたアセチルコリンは、一旦神経の繋ぎ目に存在するアセチルコリンエステラーゼにより分解されます。これが阻害されるとアセチルコリンが過剰に働き殺虫作用を示します。

殺虫剤に使用されている成分は、ほ乳類や鳥類では分解・消失されやすい成分なので、適正に使用していれば人体への影響は殆どありませんが、特に有機リン系殺虫剤の誤飲等で多量に暴露されると、縮瞳、筋肉の麻痺、呼吸困難等の中毒症状が現れます恐れがあります。
(なお、猛毒神経ガス・サリンも有機リン系化合物で、アセチルコリンエステラーゼを不可逆的に阻害し、縮瞳や神経麻痺などを引き起こしますが、その阻害が長時間続くため毒性が強力です。)

他に、試験対策で押さえておきたい表現は、

「殺虫剤使用に当たっては、殺虫作用に対する抵抗性が生じるのを避けるため、同じ殺虫成分を長期間連用せず、いくつかの殺虫成分を順番に使用していくことが望ましい。 」
 

また、特徴的な剤形である「燻蒸剤」についても特徴はイメージできるようにしましょう。

「空間噴射の殺虫剤のうち、容器中の医薬品を煙状又は霧状にして一度に全量放出させるものである。霧状にして放出するものは、煙状にするものに比べて、噴射された粒子が微小であるため短時間で部屋の隅々まで行き渡るというメリットがある。 燻蒸処理が完了するまでの間、部屋を締め切って退出する必要がある。処理後は換気を十分に行い、ダニやゴキブリの死骸を取り除くために掃除機をかけることも重要である。」
↓「水ではじめるタイプ」バルサンの使い方

 

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