H26新潟県(北関東・甲信越) 第2章 人体の働きと医薬品(問41-50)
耳・眼の知識問題は(問48,49)は細かい知識が必要。他は頻出レベル。
【問41】 人体の構造に関する次の記述について、( )の中に入れるべき字句の正しい組み 合わせとして最も適切なものはどれか。
ヒトの体は、( a )が集まって構成されており、関連する働きを持つ( a )が集ま って( b )を作り、複数の( b )が組み合わさって一定の形態を持ち、特定の働きを する( c )が形成される。( c )が互いに連絡して協働し、全体として一つの機能を持つ場合、それらを( c )系という。
a b c
1 組織 器官 細胞
2 細胞 組織 器官
3 細胞 器官 組織
4 器官 細胞 組織
5 器官 組織 細胞
人体の構造に関する問題。中学・高校の生物レベルの知識で判断できるでしょう。
a 細胞
b 組織
c 器官
正答・・・2
【問42】 咽頭及び食道に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 咽頭は、口腔 から食道に通じる食物路と、呼吸器の気道とが交わるところである。
b 食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く管状の器官で、消化液を分泌している。
c 飲み込まれた飲食物は、重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる。
d 飲食物を飲み込む運動(嚥下)が起きるときには、喉頭の入り口にある弁が自動的に開く。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 正 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 正 正
咽頭・食道に関する問題。
取組みやすいb、cが判断できれば正答できる。手引きの記載は以下の通り。
「食道は喉もとから上腹部のみぞおち近くまで続く、直径1~2cm の管状の器官で、消化液の分泌腺はない。嚥下された飲食物は、重力によって胃に落ち込むのでなく、食道の運動によって胃に送られる。食道の上端と下端には括約筋があり、胃の内容物が食道や咽頭に逆流しないように防いでいる。胃液が食道に逆流すると、むねやけが起きる。」
正答・・・3
【問43】 胃に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 胃の粘膜の表面には無数の微細な孔があり、胃腺につながって塩酸(胃酸)のほか、ペプ シノーゲンなどを分泌している。
b ペプトンとは、脂質がペプシノーゲンによって半消化された状態のことである。
c 胃液による消化作用から胃自体を保護するため、胃の粘膜表皮を覆う細胞から粘液が分泌されている。
d 食道から送られてきた内容物は、小腸に送り出されるまで数時間、胃内に滞留するが、滞留時間は、炭水化物主体の食品の場合には比較的長く、脂質分の多い食品の場合には比較的短い。
a b c d
1 正 正 誤 正
2 誤 正 誤 誤
3 誤 正 正 正
4 誤 誤 正 正
5 正 誤 正 誤
胃に関する問題。
a 正しい。さらにペプシノーゲンは胃酸によって、タンパク質を消化する酵素であるペプシンとなり、胃酸とともに胃液として働く
b 誤り。タンパク質がペプシンによって半消化された状態をペプトンという。
c 正しい。
d 誤り。イメージ的にも脂肪の方が消化に時間かかりそうだが、胃内滞留時間も脂肪の方が長い。
正答・・・5
【問44】 大腸及び小腸に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 小腸は、全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸、結腸の4部分に分かれる。
b 十二指腸の上部を除く小腸の内壁には輪状のひだがあり、その粘膜表面は 絨毛に覆われ てビロード状になっている。
c 大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維を発酵分解する。
d 大腸の内壁の粘膜に 絨毛があり、栄養分の吸収効率を高めている。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 正 正 誤 正
3 誤 誤 正 正
4 誤 正 正 誤
5 正 誤 誤 誤
大腸及び小腸に関する問題。
a 誤り。小腸は全長6~7mの管状の臓器で、十二指腸、空腸、回腸の3部分に分かれる。結腸は大腸の一部。
b 正しい。なおビロードとは、ベルベットとも呼ばれ、欧州家具の椅子、カーテン等に使われる手触りが良く、光沢のある生地のこと。
c 正しい。大腸内には腸内細菌が多く存在し、腸管内の食物繊維(難消化性多糖類)を発酵分解する。
d 誤り。小腸に関する内容。大腸には内壁粘膜に絨毛がない。
正答・・・4
【問45】 胆嚢及び肝臓に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
1 腸内に放出された胆汁酸塩の大部分は、小腸で再吸収されて肝臓に戻される。
2 腸管内に排出されたビリルビン(胆汁色素)は、腸管から分泌される酵素によって代謝さ れて、糞便を茶褐色にする色素となる。
3 小腸で吸収されたブドウ糖は、血液によって肝臓に運ばれてタンパク質として蓄えられる。
4 肝臓では、必須アミノ酸以外のアミノ酸は生合成できない。
1 正しい。腸肝循環に関する記述
2 誤り。腸管内に生息する常在細菌(腸内細菌)によって代謝される。
3 誤り。グリコーゲンとして蓄えられる。
4 誤り。必須アミノ酸とは体内で作られず、食品などから摂取する必要があるアミノ酸のこと。肝臓では必須アミノ酸以外のアミノ酸を生合成することができる。
正答・・・1
【問46】 呼吸器系に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 鼻腔の内壁には粘液分泌腺が多く分布し、鼻汁を分泌する。鼻汁にはリゾチームが含まれ、 気道の防御機構の一つとなっている。
b 肺胞の壁を介して、心臓から送られてくる血液から酸素が肺胞気中に拡散し、代わりに二 酸化炭素が血液中の赤血球に取り込まれるガス交換が行われる。
c 咽頭は、鼻腔と口腔につながっており、消化管と気道の両方に属する。
d 肺は、それ自体の筋組織により呼吸運動を行っている。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
呼吸器系に関する問題。
a 正しい。
b 誤り。酸素と二酸化炭素が逆
c 正しい。
d 誤り。よく出る内容。肺自体には肺を動かす筋組織がない。自力で膨らんだり縮んだりするのではなく、横隔膜や肋間筋によって拡張・収縮して呼吸運動が行われている。
正答・・・2
【問47】 循環器系に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 肺でのガス交換が行われた血液は、右心房に入り、右心室から全身に送り出される。
b 心臓が収縮したときの血圧を最小血圧という。
c 四肢を通る静脈では、一定の間隔をおいて内腔に向かう薄い帆状のひだ(静脈弁)が発達して、血液の逆流を防いでいる。
d リンパ液は、血 漿 の一部が毛細血管から組織の中へ滲み出て組織液(組織中の細胞と細 胞の間に存在する体液)となったものである。
a b c d
1 正 誤 誤 誤
2 正 正 正 誤
3 誤 誤 正 正
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 誤
循環器系に関する問題。
a誤り。心臓の右側部分(右心房、右心室)は、全身から集まってきた血液を肺へ送り出す。肺でのガス交換が行われた血液は、心臓の左側部分(左心房、左心室)に入り、そこから全身に送り出される。
b誤り。手引きによると、「心臓が収縮したときの血圧を最大血圧、心臓が弛緩したときの血圧(心臓には圧がかからなくても、血管には血管壁の持つ弾力のためある程度の圧がある)を最小血圧」という。
なお、医療関係者では収縮期血圧、拡張期血圧という表現の方が一般的。
c正しい。
d正しい。
正答・・・3
【問48】 目に関する次の記述のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
a 眼瞼は、皮下組織が少なく薄くできているため、内出血や裂傷を生じやすい。また、むくみ(浮腫)等、全身的な体調不良(薬の副作用を含む)の症状が現れやすい部位である。
b 角膜と水晶体の間は、組織液(房水)で満たされ、角膜に一定の圧(眼圧)を生じさせている。
c 視細胞が光を感じる反応にはビタミンCが不可欠であるため、ビタミンCが不足すると夜間視力の低下(夜盲症)を生じる。
d 水晶体は、その周りを囲んでいる毛様体の収縮・弛緩によって、近くの物を見るときには 扁平になり、遠くの物を見るときには丸く厚みを増す。
1(a、b) 2(a、c) 3(b、d) 4(c、d)
目に関する問題。
a正しい。眼瞼は、素早くまばたき運動ができるよう、皮下組織が少なく薄くできている。
b正しい。
c誤り。ビタミンC→ビタミンA(レチノール)
d誤り。説明が逆
正答・・・1
【問49】 鼻及び耳に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 鼻炎とは、鼻腔の粘膜に炎症を起こして腫れた状態をいう。
b 鼻中隔の前部は、毛細血管が豊富に分布していることに加えて粘膜が薄いため、傷つきやすく鼻出血を起こしやすい。
c 外耳は、聴覚器官である蝸牛と平衡器官である前庭の2つの部分からなる。
d 小さな子供では、耳管が細く長くて、走行が垂直に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。
a b c d
1 正 誤 正 誤
2 誤 正 正 正
3 誤 誤 誤 正
4 誤 誤 正 誤
5 正 正 誤 誤
鼻・耳に関する問題。
a正しい。
b正しい。
c誤り。これは内耳に関する説明。外耳は側頭部から突出した耳介と、耳介で集められた音を鼓膜まで伝導する外耳道からなる。
d誤り。小さな子供では、耳管が太く短くて、走行が水平に近いため、鼻腔からウイルスや細菌が侵入し感染が起こりやすい。(中耳炎になりやすい)
正答・・・5
【問50】 皮膚及び骨に関する次の記述の正誤について、正しい組み合わせはどれか。
a 体温が上がり始めると、皮膚を通っている毛細血管は収縮して、体外へより多くの熱を排出する。
b 真皮は、線維芽細胞とその細胞で産生された線維性のタンパク質からなる結合組織の層である。
c 骨組織は、炭酸カルシウムやリン酸カルシウム等の無機質のみで構成される。
d 骨は、成長が停止した後は固化するため、新陳代謝が行われることはない。
a b c d
1 正 正 正 正
2 正 正 誤 誤
3 誤 誤 正 誤
4 正 誤 誤 正
5 誤 正 誤 誤
皮膚及び骨に関する問題。
a 誤り。体温が上がり始めると、皮膚を通っている毛細血管に血液がより多く流れるように血管が開き、体外へより多くの熱を排出する。
b 正しい。
c 誤り。骨は無機質だけでなく、有機質部分もある。無機質は骨に硬さを与え、有機質(タンパク質及び多糖体)は骨の強靱さを保つ。
d 誤り。骨は生きた組織であり、成長が停止した後も一生を通じて破壊(骨吸収)と修復(骨形成)が行われている。
正答・・・5
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