第1章 医薬品に共通する特性と基本的な知識(20問)

医薬品の本質や、効き目や安全性に影響を与える要因、薬害の歴史等が問われます。
「基本的知識」というだけあり、特に前半は一般知識のみで答えられる問題が多くあります。

また後半に出題される薬害の歴史に関しては、初見ではやや難しく感じるでしょう。しかし、出題範囲が「サリドマイド」「スモン」「HIV」「CJD(クロイツフェルト・ヤコブ病」に絞られていますで、出題ポイントの傾向さえ掴んでおけば問題なく解けます。

満点も狙えるレベルの出題ばかりなので、合格点を取るにはここで十分貯金を取りたいところです。

第2章 人体の働きと医薬品(20問)

身体の構造と働き、薬の働く仕組み、副作用の症状等に関する知識が問われます。
決して取組みにくい分野ではないので、着実に過去問と「手引き」を学習していけば合格点はとれるようになります。

前半部分の、「身体の構造と働き」については、決して内容的には難しくありあせんが、市販の解剖学や生理学の参考書(一般向けでも良い)も活用しながら、学習すると良いでしょう。文章だけで理解しようとすると、記憶も定着しづらく、理解も深まりません。

後半部分の「副作用」、特に「重篤な副作用」に関する出題は、最初難解な用語に戸惑うかもしれません。業界未経験の初学者にとっては聞き慣れない、「アナフィラキシー」、「皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)」、「中毒性表皮壊死融解症(TEN)」、「無菌性髄膜炎」と言った難しい用語がでてきます。

しかし、第1章の薬害分野と同様、「重篤な副作用」について問われるポイントはほぼ決まっており、他の副作用についても常識的に判断できる内容もあるので、十分対応可能です。苦手意識を克服できれば、むしろ得点源にできるでしょう。

第3章 主な医薬品とその作用(40問)

一般用医薬品において用いられる主な有効成分についての知識や、購入者への情報提供に関する知識が問われる分野です。
また、問題数が40問と一番多く、合否において鍵となる重要な出題範囲となります。

自分の意志で受験している受験生にとっては、一番学習が面白くなっていく分野で、学習意欲も維持しやすいでしょう。さらに、過去問以外にも、優良な参考書・問題解説を用いて学習すれば、資格取得後の実務に活かせる知識となります。

学習に初めて取り組む際、第1章が一番易しいですが、個人的にはメインとなる第3章からの学習をおススメしています。
自己啓発的に取り組んでいる方は、もし第3章の学習で、微塵も学習する楽しさが感じられなければ、自分には合わないと割り切り、撤退するのも一つの判断です。

一方で、憶えることが多く、学習の仕方を間違えると無駄に時間を費やすことになりますので注意が必要です。

出題される有効成分については、頻出のものからしっかり憶え、効率的な学習を行ってください。

例えば、「甘草を含まない漢方薬」を問われることがありますが、試験対策で漢方薬の構成生薬を丸暗記する事は、極めて非効率です。これは、出題の手引きに「甘草を含まない漢方」として、わざわざ記載されている漢方薬があり、そこをピンポイントで憶えることで学習を効率化できます。(呉茱萸湯半夏厚朴湯など)

また、漢方の証を丸暗記しなくても合格点は十分取れます。キーワードとなる用語(例えば半夏厚朴湯の「のどのつかえ、違和感」、防風通聖散の「皮下脂肪等」)を押さえておけば十分です。闇雲に暗記作業を行うことは、効率的な学習とは言えません。

さらに、平成27年度以降からは、満点を取らせない為?の、出題の手引きの「重箱の隅」をつつくような内容も散見されます。このような問題は、ある程度見極めて深追いしないことも、効率的な学習の為には重要です。

また、試験直前期であれば、過去問に出題されていても、現在OTC薬として殆ど使用されていないような成分の学習は割り切って捨てる勇気も必要です(例:駆虫薬など)。それよりも頻出分野の知識を固めた方が良いでしょう。

このように第3章では、時間に余裕が無ければ無理に満点を狙わずに、しっかり出題傾向と必要な知識を踏まえて、学習を行ってください。

第4章 薬事関連法規・制度(20問)

医薬品販売業の許可、医薬品の取り扱い、リスク分類、販売に関する法令等の理解が求められます。
面白い分野ではなく、学習にストレスを感じやすいので、モチベーションの低いときは注意が必要です。

基本的に、受験者を「ふるい落とす」試験ではないので、いやらしい日本語や、意地悪なひっかけ問題は殆どない試験ですが、この第4章の問題は、法令関係の正誤をとらえる為、しっかり問題文を読むことが求められます。

また、法改正に対応した問題を解くことが重要です。大きく法改正がされた時は、出題の手引きも改正されるので、過去問だけに頼らず、最新の情報も入手しながら対応してください。手引きの改正部分は必ず出題されると思って良いでしょう。

第5章 医薬品の適正使用・安全対策(20問)

医薬品の添付文書の理解や、副作用報告制度、被害救済制度が出題と中心となります。
ここでも様々な制度の理解・暗記が求められる為、学習ストレスを感じる人は多いでしょう。
但し、第4章よりは取組みやすい分野なので、過去問中心に学習し、頻出問題を押さえれば、ここで貯金することは可能です。


なお、第4章、5章に関しては、どうしても知識がないと解答に戸惑ってしまいがちですが、正確な知識が無く迷ってしまった場合、素直に「一番もっともらしい」と感じた選択肢を選んだ方が良いでしょう。この試験では、一見難しそうでも、実は単純な間違いを捜すシンプルな問題である場合も多いので、素直な感を働かせた方が正答率は上がります。

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