防風通聖散(皮下脂肪、肥満症、便秘症)
テレビCMで「肥満症」への漢方薬として有名に。出題頻度は高い。
防風通聖散は、特に平成25年ぐらいまで頻繁に出題されていた漢方薬です。一時期テレビCMも、頻繁に流れていたので知っている方も大変多いでしょう。
登録販売者試験、出題の手引(令和4年改訂)での記載内容は以下のとおりです。
「体力充実して、腹部に皮下脂肪が多く、便秘がちなものの高血圧や肥満に伴う動悸・肩こり・のぼせ・むくみ・便秘、蓄膿症(副鼻腔炎)、湿疹・皮膚炎、ふきでもの(にきび)、肥満症に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人、発汗傾向の著しい人では、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。・・・」
「まれに重篤な副作用として肝機能障害、間質性肺炎、偽アルドステロン症、腸間膜静脈硬化症が起こることが知られている。」
(腸間膜静脈硬化症は令和4年手引き改訂で追加)
説明文を読んで、どの漢方薬かを問う問題がありますが、防風通聖散では「腹部に皮下脂肪」が重要なキーワードになります。
(なお、「肥満」というキーワードは、防已黄耆湯、大柴胡湯にも出てきます)
構成生薬は、他の漢方薬に比べても多く、18種類もあります。
防風(ボウフウ)、黄ごん(オウゴン)、大黄(ダイオウ)、芒硝(ボウショウ)、麻黄(マオウ)、石膏(セッコウ)、白朮(ビャクジュツ)、荊芥(ケイガイ)、連翹(レンギョウ)、桔梗(キキョウ)、山梔子(サンシシ)、芍薬(シャクヤク)、当帰(トウキ)、川きゅう(センキュウ)、薄荷(ハッカ)、滑石(カッセキ)、生姜(ショウキョウ)、甘草(カンゾウ)
漢方名からわかるように、ボウフウ(防風)が主薬ですが、試験対策上、良く有無を問われるカンゾウ(甘草)・マオウ(麻黄)、便秘症に使われるダイオウ(大黄)を含む点は押さえておきましょう。
最後に、実際のその効果についても触れたいと思います。
個人的な経験では、便秘薬としての効能もある通り、通じが良くなったという声は耳にすることはあります。
しかし、「痩せておなかがへこんだ」といったような声は、なかなか聞ききません。基本的には適切な運動やバランスよい食事が基本になるのではないでしょうか?