韓国の薬膳料理の言えば、何といっても参鶏湯(サムゲタン)が有名ですが、体には優しいそうだけど、率直な感想を言ってしまえば、ちょっと薄味でなんか物足りない・・・そんな感想の日本人は意外に多いかもしれません。
そこで、今回はいつものと違った参鶏湯(サムゲタン)に挑戦してみたいという方に、漆の木の樹皮で煮込んだ、漆参鶏湯(옷삼계탕 オッサムゲタン)を紹介します。
今回訪れたお店は、ソウルの麻浦(マポ)にある、1982年創業の老舗「麻浦元祖参鶏湯(마포원조삼계탕)」です。
地下鉄5号線 麻浦(マポ)駅 3番出口 から徒歩約数分程度でアクセスも良好です。

お店の入り口もなかなか趣のある作りになっていますが、店内に入ると、木の温もりあふれる伝統的な民俗村風のインテリアになっていて、生薬箪笥も雰囲気を出してくれます。


そして、こちらがお店の看板メニュー・漆参鶏湯(26,000ウォン)。10種類の生薬と漆(ウルシ)の樹皮を煮込んだ、他のお店ではなかなか味わえない「茶色いスープ」が特徴の参鶏湯です。

●いざ実食!看板メニュー「漆参鶏湯(オッサムゲタン)」
そして、気になるスープの味ですが、見た目どおり、コクと深みがあって、しっかり味わいを感じることができます。
なお、それほど生薬っぽさはなく、「木」の味もほとんど気にする必要はありません。苦みも感じることなく普通に飲むことができます。
また、鶏肉もしっかり煮込まれていますので、ホロホロした食感です。
緑色の種は「カボチャの種」で、サムゲタンではよくトッピングとして見かける食材です。


そして、気になる漆(ウルシ)の薬効ですが、その性質が「温〜熱」で、体の内側の深い冷えを改善すると言われており(温裏散寒)、冷え性の改善に働くと言われています。
また、体内の血の滞り(瘀血)を巡らせる作用があるとされ、冷えからくる生理痛や下腹部の血流の改善(破血行瘀)も期待され、他にも消化機能を高めて、胃の冷えや痛みを和らげたり、疲労回復効果も期待できると言われています。
なお、漆(ウルシ)は韓国随一の韓方薬材市場(京東市場)でも取引されていて、生薬を取り扱うお店でもよく見かけ、普通に販売されています。

●知っておきたい「漆(うるし)アレルギー」について
それでも、やはり旅行先だと気になるのが「漆アレルギー」ですが、漆アレルギーは、漆の木に含まれる「ウルシオール(Urushiol)」によるアレルギー反応が原因です。
但し、漆参鶏湯を提供するお店では、漆の木を長時間煮込むことで、熱に弱いウルシオールの活性を極力低下させて調理しています。
そのため、基本的には安心ですが、以前漆でかぶれた経験がある方など、アレルギー体質が心配な人は、普通の「参鶏湯(サムゲタン)」を頼むと良いでしょう。
なお、同じお店でも普通の参鶏湯(20,000ウォン)も注文することができますが、グループで訪れた際は、両方頼んでその味の違いを楽してみるのもよいでしょう。

以上、一般的な参鶏湯とは、ちょっと変わった「漆参鶏湯」の紹介でした。
訪問したお店:麻浦元祖参鶏湯(마포원조삼계탕)
訪問日:2026年8月13日
当時のレート:1000ウォン≒110円
