乙字湯(おつうじとう) 痔の薬
乙字湯(おつうじとう)は、その名の通り、痔があり便秘がちの方に適した漢方薬として知られています。
現在使われている漢方薬は、元々中国で生まれた方剤(生薬の組み合わせ)が大部分ですが、この乙字湯は、日本で生まれた漢方薬です。
配合生薬は以下の6種類です。
- 柴胡(サイコ)
- 黄ごん(オウゴン)
- 当帰(トウキ)
- 升麻( ショウマ)
- 大黄(ダイオウ)
- 甘草(カンゾウ)
柴胡や黄ごんが痔の炎症を抑える働きをするとされ、大黄は便秘薬でも良く使われる生薬ですが、便通の改善に働きます。
登録販売者試験の手引き(令和4年改訂版)の記載は以下の通り
「体力中等度以上で、大便がかたく、便秘傾向のあるものの痔核(いぼ痔)、切れ痔、便秘、軽度の脱肛に適すとされるが、体の虚弱な人(体力の衰えている人、体の弱い人)、胃腸が弱く下痢しやすい人では、悪心・嘔吐、激しい腹痛を伴う下痢等の副作用が現れやすい等、不向きとされる。」
キーワードとして、「大便がかたく、便秘傾向、いぼ痔、切れ痔」あたりを覚えておくと良いでしょう。
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