フェキソフェナジン塩酸塩(第二世代抗ヒスタミン成分)
フェキソフェナジン塩酸塩は、持続性の抗ヒスタミン成分です。
日本では、医療用医薬品として、2000年より「アレグラ」の名称で販売が開始されました。アレルギー性鼻炎や蕁麻疹などの皮膚疾患等に使用され、2014年には小児用のドライシロップも販売されています。
この製剤の特徴として、特に抗ヒスタミン成分の中でも、眠気の副作用が少ないことが大きな特徴となっています。
その発現頻度は、臨床試験ではプラセボ(偽薬)と比較してほぼ差がないことが確認されています。
また、脳内の機能を放射性医薬品で画像化する検査であるPET による検討では、大脳皮質のヒスタミン H1受容体の占拠はほとんどみられませんでした。つまり、脳内への移行率が低い(≒眠気がでにくい)ことも確認されています。
(出典:「アレグラ」インタビューフォームより)
この「眠気の少なさ」が特徴のフェキソフェナジンですが、同時期に発売された「ロラタジン」も同様の特徴を持つものの、市場占有率としては、圧倒的にこの「フェキソフェナジン」の方が優位です。その人気は現在(2022年)においても高く、医療用医薬品として、恐らくここ10年、第2世代抗ヒスタミン成分での処方頻度は首位と思われます。
出典:https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/survey/202204/574696.html
その後はスイッチOTC化され、久光製薬から医療用と同じ「アレグラ」の販売名で登場することになります。
2012年11月に第一類医薬品として発売され、6年後の2018年11月には第二類医薬品に区分変更されました。
(なお、スイッチOTC医薬品は、市販当初は「要指導医薬品」として販売されることになっているが、2012年当時、まだ要指導医薬品の区分は存在していませんでした。2014年6月に施行された法令により要指導医薬品は登場します。)
発売当初から、嵐の大野智さんらがCMイメージキャラクターを8年間つとめましたが、その後は吉高由里子さんや、Hey!Say!JUMPの知念侑李さんなどが務めています。
スギ花粉症シーズンでは、製薬各社で多数のテレビCMを打っていますが、テレビを見ない人でも、Youtube内広告で見たことがある方も多いでしょう。
登録販売者試験では、令和4年の改訂により追加されました。他にも、ロラタジン(クラリチン)、エピナスチン塩酸塩(アレジオン)も同時に追加されて、主だった花粉症向け抗アレルギー薬が追加された形になります。
なお、この3種については、副作用などの注意点がそれほど記載されていないので、出題のメインになることはないかもしれません。